民族時報 第828号(97.8.11)

 

寄稿

 

4者会談で解決すべき課題は何か

 

 韓半島で戦争再発を防ぎ、強固な平和を維持するための新たな枠組みを話し合う四者協議の予備会談が八月五日からニューヨークで始まった。この予備会談は本会談の議題、開催時期と場所などを話し合うものだが、初日に南・北・米・中代表の冒頭発言(基調演説)があったので、各国の基本的な考え方は表れたように見える。そこで、四者会談では何が話し合われ、何が解決されるべきなのかなど、その意義と内容、展望について考えてみたい。

 @まず、四者会談とは何かという問題である。日本や韓国での報道を見ると、昨年四月に韓米両首脳(金泳三・クリントン)が対北提案したのが始まりであるかのごとく、「現在の休戦協定体制を恒久的な平和体制に転換する」問題が中心議題になるべきだと強調されている。冒頭発言で韓・米代表も同じことを強調した。しかし、その具体的な内容が何かよくわからないし、新聞によっては「四か国、四十四年ぶりの協議」と大見出しをつけたところもあった。これらが問題である。

 四十四年前(一九五三年七月)に北韓・米国(国連軍代表)・中国の間で調印された停(休)戦協定は「撃ち方やめ」の一時的な休戦合意であった。ところが韓・米側はその後の四十四年間にわたって、北側の平和協定への転換、米軍撤退要求を拒否し、「チーム・スピリット」のような韓米大演習などによって韓半島に緊張が作り出され、平和と安定が損なわれてきた。北側の度重なる強い要求によって、韓米側が昨年四月に提案したのが、いわば対北解答である。韓国側は休戦協定に反対し、調印に参加したなかったので、休戦協定問題で席を同じくするのは今回が初めてである。つまり当事者(主役)ではない

 Aしたがって、この会談では米軍撤退問題が主要議題にならざるをえないのは論を待たない。北韓代表は冒頭演説で▽北韓・米国関係の改善が必要。北韓・米国関係が最初に改善されれば、南北関係も必然的に解決される▽南北間にはすでに不可侵合意(南北基本合意書)があり、韓半島の恒久平和確立のためには北韓・米国間で平和協定を締結し、合わせて駐韓米軍問題をどうするか、論議すべきだと提案した。米国側では削減の論議もあるようだが、少なくとも平和保障の役割を公約すべきである。

 きわめて分かりやすく、論理明快な過去の経緯をも踏まえた、当然にして合理的な提案だといわれている。つまり、韓国軍に対する統帥権掌握の事実や「北の核問題」をめぐるジュネーブ合意に見られるように、韓半島における休戦協定関連の当事者はほかならぬ米国(米軍)であるので、北韓・米国間で現在の休戦協定に代わる平和協定を結び、強固な安全保障体制を築くべきである。

 ただ四者協議の予備会談や本会談が、各国の思惑の違いなどで何年も長引くような場合を考えれば、北韓側が指摘しているような、「板門店の南北将星級の協議体による制度的装置」も臨時的な装置が必要になるかもしれない。

 B韓国代表は、「韓半島和平を論議する実質的な当事者は韓国と北韓であり、米中はそれを支持する」と言っている。休戦協定問題では当事者ではないが、その他の平和、安保、統一の問題では当然のことながら南当局も当事者たりうる。その場合、南北間にはすでに九一年十二月の南北基本合意書(和解と不可侵及び交流・協力に関する合意)があり、そのための人的・経済的な交流・協力問題と同時に、不可侵・平和保障規定と監督機構として南北軍事合同委員会まで作られた。

 この合意を双方が誠意を持って稼働・運営していけば、南側のいう緊張緩和と信頼醸成構築にもつながるだろう。北側も同じく南北間の信頼醸成、経済協力問題を提起している。これを機に、食糧問題で困窮している北に対する南からの援助や経済協力問題が軌道に乗るなら、南の現政権(金泳三政権)下ではともかく、十二月以降の新政権では前進が期待されるのではないか。

 C最後に、本来は南北が当事者であるべき韓半島の統一問題について。KEDO(韓半島エネルギー開発機構)や四者会談などを見ていると、「韓米日協調体制」などの形で周辺諸外国が関与し続け、四者会談を日本、ロシアにまで広げて六者会談にせよという声すらある。

 そこで、北代表が指摘しているように、四者協議を含めて韓半島問題は内政不干渉、主権尊重、平等の原則などに加えて南北の平和統一への支持、促進(中国代表演説のように)を前提原則にすべきことを強調したい。

 (金和樹記者)