解説

韓総連裁判の内容と弾圧の政治的意図

 8月の延世大での第7回汎民族大会と第6回汎青学連統一大祝典に参加して連行され、拘束起訴された韓総連学生に対する第一審判決がほぼ出そろった。裁判の内容と韓総連に対する弾圧の政治的な意味について見てみる。

 延世大闘争で連行された5800人の学生のうち、拘束起訴されたのは444人で、3338人が不拘束起訴された。

 10月中旬から始まった444人に対する公判は、同下旬から11月中旬にかけて判決が下された。彼らに適用された罪名は国家保安法、特殊公務執行妨害致傷罪、建造物侵入罪などで、165人が懲役3年18月の実刑を受け、207人が懲役3年11年、執行猶予2年の判決だ。また、特殊公務執行妨害致死罪を適用された10人は現在、公判が進行中である。残りの62人については裁判内容が不明だ。

 この裁判の特徴は1、民族の平和的統一を望んだ学生に対する不当な裁判であり2.公開の統一運動参加者への求刑が六年から二年、判決が三年から8月と重く3、1回の公判で結審して審理を尽さず4、盧泰愚独裁政権よりも多くの学生に実刑を下し5、警察が捜査の過程ででっち上げた証拠を採用するなど、非民主的だということだ。

 盧泰愚時代の86年10月の「建国大事件」に対して、金泳三氏は「10000人を拘束しても解決しない」と批判した。その彼が、盧泰愚よりも多くの学生を連行・起訴し、実刑判決(当時400人を起訴、90人に実刑、実刑率22.5%。今回の実刑率は40.8%)を下した。不拘束起訴者に対する再召喚が始まっているため、実刑者の数はもっと増えると思われる。

 この裁判は韓総連に対する大弾圧の一部である。統一運動への殺人的弾圧から裁判までの大弾圧を整理すると、第1に、延世大殺人的弾圧は金泳三大統領の民主勢力壊滅のシナリオだったことだ。金泳三大統領は最大の統一勢力、民主勢力である韓総連を壊滅させて民主勢力全体を弱体化させ、独裁体制を作って反統一勢力による「永久」執権をもくろんだ。

 金泳三大統領は延世大弾圧の当日、政府関係者に「理念教育」を行うよう指示したが、これが安企部法改悪による安企部の全面復活策動となって現れ、「韓総連ビデオ」を使った国民への思想教育へと広がっている。

 第2に、韓総連学生の「暴力性」を強調することで、集会などへの銃器使用発言や不法連行、捜査過程での拷問の「合法化」につながっていることだ。

 公安関係機関は韓総連への捜索を口実に「合同捜査本部」を設置したが、これは軍事独裁政権時代に数々の犯罪を犯したものの復活である。また韓総連幹部に軍事独裁の常とう手段であった懸賞金付きの指名手配を行い、最近では市民が警察に銃殺されるなど、警察の横暴は際限なくエスカレートしている。

 第3に、政党政治の不在である。与党は言うまでもなく野党も、学生への殺人的弾圧に対して政府にブレーキをかけないばかりか、野党指導者の1人は韓総連解散まで主張して見識を疑わせた。政党は学生への拷問などの人権侵害についても政府を追及せず、10人になる大統領候補者は「大統領病」にかかって選挙準備に目がくらんでいる。

 第四に、社会全体に「アカ狩り」がまんえんしている。一部の良心的な新聞を除いた言論界や財界は政府の学生弾圧を支持するキャンペーンをはっている。特に財界は集会参加学生を「アカ」として不採用の方針を発表し、言論界は良心的な新聞などに対する政府の弾圧に目をつむっている。

 このような恐怖雰囲気の中で、性暴行を受けた女学生が裁判でその事実を公表し、警察庁長らを告訴した。集団的な損害賠償請求訴訟も準備されている。民弁の弁護士らの不屈な支援に支えられているが、彼女らの「困難な決断」を無にしてはならず、韓総連支援闘争を強化しなければならない。

 延世大殺人的弾圧は金泳三大統領の国民を敵とした軍事作戦だった。文民とは統治者が軍出身でないことだけをいうのではない。統治方法が軍事政権と変わらないか、民主主義の原則からかけ離れたとき、「文民」ではなくなり独裁者となる。

(梁珠賢記者)

民族時報96.12.11