民族時報 第1221号(12.03.15)


【資料】CNK株価操作疑惑から国民の視線そらすため

金星煥長官はなぜ「慰安婦」被害者と面談したのか(上)

 『民族21』(三月号)は「金星煥外交通商部長官はなぜ『慰安婦』被害者と面談したのか」を掲載した。要旨を二回に分けて紹介する。


 外交通商部の公式発表によれば、この日、金星煥長官は(元日本軍「慰安婦」の)李容洙、姜日出ハルモニら五人と会って話を聞き慰労し、政府は「慰安婦」問題解決に向けて積極的に努力していくと明言した。彼は被害者に政府の努力が不足していたとみなされたことについて申し訳ないという思いを表明する一方、政府は様々な機会に、日本に対し持続的に「慰安婦」問題の解決を求めており、これからも最善の努力を果たしていく覚悟だと説明した。

 これに対し、李容洙ハルモニは金長官の招請に感謝しつつ、「政府を信じたい。今からでもはっきりした態度と問題解決をお願いする」と述べた。また、政府に対する信頼と今日の言葉がなかったことにならないように、実質的な結果を出してほしいと希望した。姜日出ハルモニは「私たちの後世に再びこのような被害を受けないように、政府が問題解決のためにさらに積極的に努力してほしい」とお願いした。

 今年一月現在、女性家族部に登録された「慰安婦」被害者二百三十四人のうち、生存者は六十三人(国内五十六人、国外七人)だ。すでに百七十一人のハルモニが亡くなられたということだ。生存者の平均年齢も満八十七歳だ。

 外交部の発表どおりだとすれば、この日の面談は終始一貫して温和で友好的な雰囲気のなかで進められたようにみえる。


 出会いの裏側に、国民の視線をそらす意図

 もちろん、実情は違った。一月二十五日午後、ソウル社稷路八路の外交通商部庁舎に「慰安婦」被害者らが訪れた。カメラのフラッシュが絶え間なく光るなか、金長官は十七階エレベーター前で李容洙ハルモニを迎えた。

    金星煥 (面会室で向かい合って座った後)寒いなか、わざわざ足をお運びいただいて感謝します。わたしがお訪ねしなければならないところを事務室までお呼びたてして……。昨年に一度お会いしようといたしましたが、都合が合わず今日お会いすることになりました。お越しいただき感謝します。

    李容洙 (唐突に)外交通商部は二十年間、何をしているのですか。

    金星煥 たいへん申し訳なく思っている。

    李容洙 ハルモニたちに何の罪があるのか。何の罪があるのですか。まったく罪がないのに。外交通商部は日本の外交部なのですか、韓国の外交部なのですか。二十年間、ハルモニたちが亡くなられたこと、お一人お一人亡くなられたことが、痛快なのですか。

    金星煥 そのようにおっしゃられると……。(途切れないしっ責に顔が紅潮してくる)

    李容洙 「そのように」とおっしゃられるのですか。

    金星煥 痛快なはずがありましょうか。

    李容洙 こちらでも待っているのではないのですか。日本と同じく、亡くなられるのを待っているのではないのですか。

    金星煥 外交部がお気持ちに沿わないようですが、どうしてそのように思うのでしょうか。

    李容洙 外交部は何をしているのですか。

    金星煥 そのようにまで私たちは考えたのではありません。

    李容洙 責任をとってください。私たちは何の罪もありません。朝鮮の娘として生まれただけです。若い身空で連れて行かれ……。朴大統領の時代に有償無償で受け取ったといいますが、何のことか分かりません。私たちは何も分かりませんでした。


 記者らの間では「面談を取りまとめた実務者はだれだ。日本課長か」「長官をしっ責とは」などの言葉が交わされた。一部実務者らの顔は土色に変わっていた。手柄を立てようと設けた席が、実務者らの災厄となったということだ。何人かの幹部は、いつかは受けなければならないムチを受けたものと、努めて平然とした態度を見せもした。金長官もこれといったしっ責はしないと伝えられた。「慰安婦」ハルモニらにも、外交部にも良い出会いで終わったようになった。

 しかし、金長官とその参謀がこの日の面談を取りまとめた本当の動機は、そんなに美しいものではなかったと言える。外交部の公式説明によると、金長官は昨年十二月十四日、「水曜デモ」千回の前後にハルモニらと会おうとしたが、外交日程が重なったために年を越すことになったということだ。被害者との面談は技術的な理由から一日前の一月二十四日に決定され、一月二十五日にちょうど水曜デモがあるということから、その日を選んだとしている。しかし数日後、私的に会ったある外交官は「このカードは外交部が常に持っていた」と強調した。「ではなぜこの日なのか。『CNK株価操作疑惑』から国民の視線をそらす必要があったから」と述べたのだ。(つづく)


[HOME] [MENU] [バックナンバー]