民族時報 第1221号(12.03.15)


【資料】対話に水さす敵対行為

韓米合同軍事演習反対日韓(韓日)民衆共同声明

 二月二十五日、都内で開かれた「三・一朝鮮独立運動九十三周年―二・二五集会」で採択された「韓米合同軍事演習に反対する日韓(韓日)民衆共同声明」(全文)を紹介する。


 一月二十七日に韓米連合軍司令部は、二月二十七日から三月九日にかけて韓米合同軍事演習「キー・リゾルブ」を実施し、三月一日から四月三十日まで韓米合同野外機動演習「フォールイーグル」を実施すると発表した。また一月十九日に韓国軍は、韓国軍と米海兵隊が三月に最大規模の連合上陸訓練「双龍訓練」を実施することに合意したことも明らかにしている。

 「キー・リゾルブ」演習は「北朝鮮全域を占領し北朝鮮軍を壊滅、北の政権崩壊」など、全面戦争を想定した「作戦計画5027」の移行演習であり、二〇〇九年からはいわゆる「急変有事」に備えた演習の割合を拡大しつつある。

 とくに今回の「双龍訓練」は、李ホヨン海兵隊司令官とマイケル・レグノ駐韓米海兵隊司令官が一月十九日の指揮官会議を通じて合意したもので、韓国海兵隊と沖縄駐留米第三海兵遠征軍所属(司令部=沖縄キャンプ・コートニー)の海兵隊部隊など一万人余りが参加する軍事訓練であり、一九八九年に中止されたチームスピリット訓練以後二十三年ぶりに開かれる最大規模の海兵隊上陸訓練とされる。今回の「双龍訓練」に参加する第三海兵遠征軍は、「作戦計画5027」などで最初に投入される部隊であり、高速上陸艇と大型輸送機、戦闘爆撃機、浸透用輸送ヘリコプター、中型輸送ヘリコプターなどを備え、佐世保の第七艦隊の強襲揚陸艦などと一体の行動をとる。

 韓国軍関係者によると、「韓米両国海兵隊が昨年、旅団級連合上陸訓練を隔年実施で合意して以後初めて実施される訓練」としながら、「金正日死後、予想される北朝鮮の挑発の可能性を抑制して確固たる韓米同盟を誇示するためのもの」とされている。また、このほか韓米両海兵隊は西北島嶼(しょ)地域防御のために中隊級野外機動訓練を定例化することにしている。


韓米軍事演習は平和を破壊する軍事挑発だ


 韓米連合司令部は「キー・リゾルブ」や「フォールイーグル」演習について、「通年で行われる防御的訓練」だと主張しているが、演習に適用される「作戦計画5027」は侵略を撃退するという名目で「攻撃の兆し」があれば先制攻撃することも含んでおり、侵略を撃退するだけでなく北朝鮮全域を占領し、政権を崩壊させることをその目的としている。また、いわゆる「急変事態に備える」という名目で、北の政権崩壊、ピョンヤン占領、代理統治機構の樹立までをも想定した軍事訓練を並行することにより、「北の政権崩壊」という立場を明確にしている。

 海兵隊は浸透、上陸を担当する典型的な攻撃戦力であり、「作戦計画5027」によると、海兵隊上陸は「ピョンヤン占領」を想定した段階で行われる作戦だ。毎年行われる「キー・リゾルブ」や「乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン」期間には、すでに三千人規模の海兵隊が参加する韓米連合の海兵隊上陸訓練が行われてきたが、今回の上陸訓練こそ、これら演習の攻撃性を象徴するものであり、内外の集中批判を受けてきたものだ。しかし、今回前例のない大規模な海兵隊上陸訓練を追加並行するということは、朝鮮半島一帯の軍事的緊張を一挙に高めるものである。

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)では金正日総書記が急逝し、金正恩新体制が発足したばかりの今、韓米両軍があえてこのような大規模な軍事演習を行うことは、明らかな軍事的挑発以外の何ものでもない。

 とくに前例のない大規模な海兵隊上陸訓練を追加実施するということは、対話や米朝会談、六者協議の進展に水を差す敵対的行為としかいいようのないものだ。そもそも二〇一〇年に発生した疑惑だらけの哨戒艦「天安号」沈没事件は「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」軍事演習の最中に起こり、同年十一月二十三日の延坪島砲撃事件も、「天安号」沈没事件を口実とした大規模な韓米海兵隊砲撃演習の最中に発生したということを見逃してはならない。


停戦協定を平和協定に


 平和を求める日韓(韓日)の市民・民衆は、こうした韓米合同軍事演習の中止を共同して強く求めるものである。

 朝鮮半島の軍事的緊張の根源は、朝鮮半島が依然として「撃ち方やめ」に過ぎない停戦状態のまま放置されていることにある。六・一五南北共同宣言(二〇〇〇年)と一〇・四南北首脳宣言(二〇〇七年)は、朝鮮半島の和解と平和・統一の大方向を確認し、その具体化として朝鮮戦争の終結・平和協定締結問題や西海(黄海)の平和地帯化を目指すことでも合意した。このことは朝鮮半島の人びとにとってだけではなく、日本を含む東北アジアの平和を願う民衆にとっても歓迎すべきものであった。

     平和を願う日韓(韓日)の市民・民衆は、関係する諸国政府に次のように要求する。

     一、韓国政府は、韓米合同軍事演習を中止し、六・一五、一〇・四宣言を履行せよ。

     一、米国政府は、韓米合同軍事演習を中止し、北朝鮮との対話をはかり、六者協議の再開などあらゆる場を通じて、停戦協定の平和協定への転換を行え。

     一、日本政府は、韓米合同軍事演習へのあらゆる加担をやめ、軍事緊張をもたらす韓米軍事演習への反対を公式に表明せよ。「制裁」を解除し、日朝正常化交渉を再開せよ。普天間基地を閉鎖し、朝鮮半島やアジア諸国への出撃拠点となる辺野古新基地建設計画を撤回せよ。

 日本側=二〇一二年三・一朝鮮独立運動九十三周年集会実行委員会(構成五団体)

 韓国側=韓国進歩連帯(構成二十三団体)


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