民族時報 第1211号(11.10.01)


【声明】

韓統連声明──金整司氏再審無罪判決を受けて

 金整司氏の「スパイ容疑」事件の再審で、ソウル高裁は九月二十三日、調書は「令状なしの拷問によって作成され、証拠能力がない」(判決文)として、無罪を宣告した。これは当然なことであった。しかし、判決のなかで韓統連の「反国家団体」規定問題について言及が一切なかったことは到底納得できない。

 金氏の事件は朴正煕軍事独裁政権の末期に韓統連の前身韓民統の幹部と接触し、その指示を受けて国内でスパイ活動をしたとされたものである。その金氏に対する判決(一九七八年六月)のなかで、大法院(最高裁)は「反国家団体の韓民統」と一方的に判示した。判示の根拠は「転向者」尹孝同の「証言」や駐日韓国大使館の「領事証明書(報告書)」だとされているが、当時の軍事政権のもとで、民主的権利や司法の公正性が保障されない状況で、「証言」「証明書」に信憑(ぴょう)性があるはずもなく、まして厳正に検証されたこともなかった。ひと言で言えば、公判は終始一貫して裁判証拠主義に反するものであった。したがって七八年の判示はもともと無効であり、その後、裁判所の数回の「反国家団体」規定判示も七八年判示を踏襲したものであり、すべて無効である。韓統連はいつでも具体的証拠をもって「反国家団体」規定の不当性を明らかにする用意がある。

 韓民統議長に就任したとして死刑判決を受けた金大中元大統領はすでに再審で無罪をかちとり、さらに今回の再審で、韓統連と関連したとして重刑判決を受けた金整司氏にも無罪判決がでた。今回の再審で、韓統連の「反国家団体」規定もあわせて取り消されるのが常識的な道理であった。それにもかかわらず、今回の判決でも韓統連の「反国家団体」規定だけがそのまま放置されたのはなぜか。司法当局の判断に韓統連に対する政治弾圧に固執する李明博政権の意向がおそらく反映したのであろう。孫亨根議長は李政権の発足前には正式旅券をもって五年間に十三回、韓国に自由に往来していた。実質的に名誉回復していた韓統連に対し、四年前に登場した李政権は韓統連の「反国家団体」規定に再び息を吹きこんだ。李政権は「反国家団体」規定を最大に利用して自主・民主・統一をめざす韓統連の主張が国内外で大きく広まることを必死で押さえ込もうとしている。

 日本で暗躍する国家情報院(国情院)要員は、「反国家団体」規定を持ち出しながらすべての韓統連メンバーに組織脱退を迫り、それに応じない場合は旅券発給を厳重に制限している。そうしたなかで、六月には外交通商部から旅券更新を拒否された孫議長が処分の取り消しを求めて韓国裁判所に提訴した。裁判所に提出した準備書面で、外交通商部は孫議長が「反国家団体」の韓統連の議長であるから旅券更新を拒否したと明言している。李政権の固執する不当な「反国家団体」規定によって韓統連は重大な人権侵害に直面している。国家保安法を乱用して、内外の民主化・統一運動を弾圧する李政権は歴代の軍事独裁政権となんら変わるところがない。韓統連はこのような保守政権の政策に断固反対し、今後も不当な「反国家団体」規定が取り消されるよう強力に要求していくだろう。

 二〇一一年九月二十六日

 在日韓国民主統一連合


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