民族時報 第1211号(11.10.01)


【論説】学費延滞者が2005年の18倍に

国政監査で見えた李明博政権の4年間

 第十八代国会の最後の国政監査が、九月十九日から十月八日までの二十日間、実施されている。十三の常任委員会による所管機関に対する国政監査は、来年の総選挙と大統領選挙の前哨戦となる一〇・二六ソウル市長補欠選挙を控えて、与野党が先鋭な対立を見せながら実施中だ。野党は李明博政権四年の実状と無能を指摘し、権力の恣(し)意的運用の横行などに対する問題を集中して追及している。いくつかの国政監査を取り上げてみよう。

 統一部国政監査、野党議員ら五・二四措置撤回を要求

 外交通商統一委員会の統一部国政監査(九月二十日)で、野党議員は一斉に北朝鮮に対する五・二四措置の撤回を主張した。李政権はこの間、北に対する新規投資の禁止、人的往来と物品の搬出入の禁止、交易、対北支援の禁止を実施する五・二四措置を取ってきた。しかし野党議員は、北に対する孤立、圧迫政策は北に打撃を与えるよりも、むしろ南側企業がより大きな損失をこうむっていると主張した。また、五・二四措置後も北の対外貿易量は前年比二二・二%増加、北の中国に対する経済依存度を高め、むしろ八百社以上の南側企業が倒産と廃業の危機に直面しているとのことだ。五・二四措置は南北交流協力法と南北関係発展法に違反しており、国民の財産権が侵害されているだけに、法律的にも問題になると野党議員は柳佑益統一部長官を追及した。

 経済問題と関連しては、李大統領が出帆初期から強行したイラク北部クルド地域の原油開発事業が、莫(ばく)大な国費を浪費して失敗した事業として明るみに出た。専門家らも当初、▽経済性がなく▽クルド自治政府に油田輸出に関する権限がなく▽油送管がないため、輸出は不可能だと指摘したことがある。石油公社が提出した資料で、この事業は経済性がないと明らかになり、契約金と探査費用など四億ドルの莫大な損失だけ残した。

 李政権の腐敗の実態も浮かび上がった。法務部の「年度別公務員犯罪申告および処理現況」で李政権の三年間で、公務員の横領背任起訴件数が二七五%、贈収賄罪起訴件数が七五%増えた。公務員の収賄犯罪起訴件数は、二〇〇八年の二百二十二件から二〇一〇年の三百八十九件に増加した。二〇一一年七月までの起訴件数も百五十四件に達する。公務員横領背任件数は、二〇〇八年の十三件から二〇一〇年には五十件に増え、二〇一一年上半期の起訴件数は三十一件と、二〇〇八年に比べて一三八%増えた。李政権になって公務員が地位を利用して金品を受け取るなど利益を得るケースが顕著に増加していながらも、犯罪容疑が積極的に調査・処罰されないでいると指摘された。

 国会政務委員会の国民権益委員会国政監査では、政権末期に入って公職規律が緩んでいるにもかかわらず、権益委の反腐敗意志が不十分だという点を追及した。野党議員は「権益委が受け付けた不正公務員処分措置は二〇〇八年の千五百二十一件から二〇〇九年に二千六百九十五件、二〇一〇年には三千六十六件」と明らかにした。また不正免職者が二〇〇八年に二百六十六人、二〇〇九年に三百九十八人、二〇一〇年に四百十九人と、盧武鉉政権期に減少傾向を見せながらも、現政権になって再び増加している事実が明らかになった。

 国防委員会の国政監査では、陸軍で殴打および虐待行為容疑で懲戒を受けた兵士が、二〇〇七年に三千百九十七人、〇八年に四千百四十四人、〇九年に五千四百十五人、一〇年に五千四百三十七人と増加した事実が明らかになり、軍内部の暴力が深刻な状態であることを示した。

 最低賃金対象者九〇%が最低賃金に達せず

 環境労働委員会による労働部に対する国政監査では、昨年の最低賃金の対象者二百二十万人中、九〇%の百九十八万四千人が、実際に最低賃金に達しない額しか受け取れず、本来受け取るべき金額は昨年で七千百四十二億ウォンに達した事実が国会予算政策局資料にあらわれた。

 教育科学技術委員会の国政監査では、国民の生活がますます困窮している事実が浮かび上がった。教育科学技術部の「学資金貸し出し延滞現況」資料によれば、二〇〇六年で六百七十人に過ぎなかった信用不安とされる大学生が二〇一一年(七月末基準)に二万八千八百九十一人と四十三倍に増加した。学資金貸し出し延滞者数も二〇〇五年の三千七百八十人から二〇一一年(八月末基準)には六万七千百三十五人と十八倍以上に増え、国民の生存権問題の深刻さを示した。

 また韓国言論振興財団の「十七部署別政府広告内訳」の分析結果、李政権出帆以後、今年七月まで全国十大日刊紙を対象に行った政府部署総広告費百二十三億九千万ウォンのうち、友好的な論調を示した朝鮮・中央・東亜・文化日報の四社が五九・一%を占めた。政府広告を最も多く受けた新聞社は東亜一七・六%、次いで朝鮮一六・七%、中央一五・三%だ。

 国会行政安全部の国政監査では、行政安全部が二〇〇八年から今年八月まで国家行政電算ネットワークに入っている個人情報のうち、五千九百三十五万件の情報を債権取り立て会社と金融会社などに、金を受け取って提供したという驚くべき事実が明らかになった。政府が国民の私生活と人権に対する侵害を助長したのだ。行政安全部は、公共機関と民間事業者などを対象に、個人情報の保護対策を施行する部署だ。

 警察庁の国政監査では、海軍基地建設で葛藤(かっとう)を見せている済州島江汀村と、用役暴力問題に対する警察の対応が追及された。また釜山の韓進重工業の整理解雇撤回を求めるろう城過程で、労働者に暴力をふるった警備業者に六か月間にわたって四十億ウォンの謝礼を支払った事実も出てきた。

 国政監査では現政権の失政が次々とあらわれている。

(河民宇記者)


[HOME] [MENU] [バックナンバー]