民族時報 第1209号(11.09.01)


【焦点】「希望のバス」連ね支援

女性労組幹部、クレーンでろう城7カ月


 韓国釜山の韓進重工業・影島造船所で、労働団体の女性が従業員の大量解雇に抗議し、高さ三十五メートルのクレーンの上で七か月以上にわたって「空中ろう城」を続けており、労組だけでなく支援の輪が広がるなか、国会でも取り上げられるなど大きな注目を集めている。

 女性は同造船所の元従業員で、現在は民主労総釜山本部の指導委員をする金真淑氏(五十一歳)。会社側が四百人の人員削減を労組に通告した翌月の今年一月六日からクレーンに上り、解雇撤回をかちとるまでろう城すると宣言した。労組は六月末、解雇者の退職金を優遇する妥協案で会社側と合意したが、金真淑氏らは闘いを継続している。

 このクレーンは、二〇〇三年に不当解雇と労組弾圧に抗議して当時の労組委員長がろう城を続けたが、要求に応じない会社の姿勢に対して抗議自殺した現場である。その後、会社側は労組の要求に一部譲歩したが、その約束は守られず、韓進重工業はフィリピンのスービックに造船所を建設、影島造船所の受注をスービック造船所に流し、仕事がないとして影島造船所での大規模な人員削減に乗り出した。これに対し、労組側はストライキで対抗したものの展望が開けず、金真淑氏がろう城闘争に突入した。

 この闘いがインターネットなどを通じて全国に伝えられると、労組だけでなく市民や学生らも金真淑氏に連帯し、韓進重工業に限らず、さまざまな労組弾圧と闘う人々に希望を与えようと、韓進重工業に向かう「希望のバス」が計画された。第二次、第三次の「希望のバス」行動には一万人近く集まり、当局の妨害と対じしながらクレーンのもとで支援・連帯の声をあげた。八月下旬にも、第四次の「希望のバス」行動がソウルで行われる。

 国会では八月十九日、海外に滞在しながら事態を傍観していた趙南鎬・韓進重工業会長に対する聴聞会が開かれたが、趙会長の消極的で不誠実な対応で何ら進展は見られなかった。民主党の孫鶴圭代表は、五野党で第二次聴聞会と定期国会での国政調査を推進すべきだと主張している。

 韓進重工業の闘いは、李明博政権の新自由主義政策によりもたらされた民生破たんに糾弾の声をあげ、破壊された庶民の生活に希望をとり戻す闘いである。だからこそ、従来の労働運動にとどまらない多くの民衆がこの闘いに加わり、支援と連帯の輪を広げている。それはそのまま反李明博・反ハンナラ闘争の高揚を意味する。李政権はさらなる苦境に追い込まれている。


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