民族時報 第1169号(09.10.15)


【論説】変化に対応せず対決に固執/大統領提案に各国とまどい

    統一部の国政監査、与野から批判集中

 国会の二〇〇九年度国政監査が五日から二十四日まで、二十日間の日程で行われる。十三の常任委員会で展開される国政監査は、国政の運営実態を正確に把握して、立法活動に反映し、予算案審議などの資料と情報も収集するものだ。

 六日に行われた外交通商統一委員会の統一部の監査では、統一部の対北政策の転換を促す発言が相次いだ。李明博政権が国際情勢の変化に歩調をあわせられずにいるということだ。
 最近、中国の温家宝首相がピョンヤンを訪問した。金正日国防委員長との首脳級会談、経済分野の政府協定に合意するなど、朝中両国の友好関係が再確認された。これについて前外交通商部長官で民主党の宋旻淳議員は「中国が北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の崩壊を望んでいないという強い立場を内外に誇示したものだ」としながら、「現在の南北敵対状況のままで六者協議が行われることになれば、韓国の立地がない」と指摘して、李政権の対北政策の転換を要求した。同じく民主党の朴柱宣議員は「非核・開放・三〇〇〇が失敗した政策であることを率直に認めて、内外情勢を勘案して、対北政策の基調を転換する時期がきた」として、朝中が積極的な対話を行い、朝米対話が再開するという状況を、対北政策に反映する必要があると強調した。前統一部長官の鄭東泳議員(無所属)も、米中日が根本的に変化しつつあるなら、「政府が上半期に堅持した対北封鎖政策の基調を変更しなければならない」と注文した。

 対北政策への批判はハンナラ党からも噴出した。ハンナラ党の金忠環議員は「統一部が統一のための基本計画も、年間計画も立てていない」と叱責した。洪政旭議員も「統一部は対話と交流を通じて、南北に信頼を構築する使命がある」としながら、外交通商部の言葉どおりに制裁の国際共助が確固としているなら、「統一部は積極的に対話と交流に臨むべきだ」と注文した。

 しかし玄仁澤・統一部長官は「現在の南北関係と国際情勢への冷徹な認識を土台に、これまでの原則を堅持して一貫性のある対北政策を推進する」と従来の立場をくりかえすだけで、李政権の統一政策を転換する考えがないことを明らかにした。

 李政権の対北人道支援問題についても攻勢が相次いだ。民主党の文學振議員は「南側のコメ問題を解決し、北側同胞の食糧問題解決を助けるためにも、北側にコメ支援を行う案を早急に実行すべきだ」と要求した。現在南側の余剰米は八十万トンから百万トンと推定されており、倉庫の保管料だけでも三千億ウォンだ。

 ハンナラ党の南景弼議員は「コメを和解協力の原動力とする一挙両得戦略」と述べて、対北コメ支援を主張した。これについても玄長官は「大規模なコメ支援は、最小限の人道支援という原則を逸脱することになる」と否定して、与野党議員の非難を受けた。

 この日の国政監査では、李政権発足後の南北民間交流が顕著に停滞している事実も明らかになった。李政権の初年度となる二〇〇八年北側地域訪問の承認率は九七%だったが、今年は三九・六へ急落した。これについては、ハンナラ党の議員でさえも安全が保障されるなら民間の社会文化交流活性化のために、より多くの人々が北側を訪問できるように支援しなければなければならないと主張した。

 「グランド バーゲン」は非現実的

 五日に行われた外交通商統一委員会の国政監査では、李大統領が北側の核放棄の方策として提示した「グランド・バーゲン」(包括的パッケージ)が重要争点となった。これは李大統領が「北朝鮮の核問題を根本的に解決するための方案」だとして九月二十一日、米外交協会での演説で提示したものだ。しかし、与野党議員は「グランド・バーゲン」は、米国をはじめとする六者協議関係国と事前協議もなされなかった非現実的な構想だとして柳明桓・外交通商部長官を厳しく追及した。李大統領の「グランド バーゲン」について米側は、「率直に言えばよくわからない。韓米外相会談会談でもまったく議論されなかった」(キャンベル米国務次官補)、「李大統領の政策であり発言だから、わたしが論評することではない」(ケリー米国務省スポークスマン)という認識だ。与党の議員たちも、常識的に理解できない。なぜ事前に周辺国と緊密な協議をせずに周辺国をあわてさせる発言をしたのかと政府を批判した。

 これに関連して、李政権内部でも解釈が混線している。玄統一部長官は「グランド・バーゲン」は、「非核・開放・三〇〇〇を具体化するための圧縮的な接近法だ」と説明、一方柳外交通商部長官は「韓米日中ロ五者による国際的共助を通じて行うことだ」と説明した。 内容もなく名前だけが一人歩きしている状況だ。

 また、放送通信委員会の国政監査資料を通じて、国家情報院などの情報・捜査機関が、インターネット回線をまるごと盗聴できる「パケット盗聴」が行われていた事実が明らかになった。行政安全委員会のソウル市に対する国政監査では「龍山参事」と関連して、交渉決裂の責任を龍山惨事汎国民対策委員会におしつけようとする呉世勲ソウル市長とハンナラ党、民主党が鋭く対立した。このほかにも、公企業予算の不法投入、建設会社への特典供与など疑惑だらけの四大河川事業に関する国政調査を要求しており、李政権は窮地に陥ることが予想されている。

 (金明姫記者)

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