民族時報 第1163号(09.07.15)


【焦点】政局がらみ成立は微妙 武力衝突の危険高める

     貨物検査特措法を上程

 日本政府は七日、貨物検査特別措置法案を衆議院に提出し、九日に審議を始めた。

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の二回目の核実験に対しておこなわれた国連安全保障理事会の制裁決議一八七四では、「北朝鮮に輸出入されるあらゆる禁止品目について、公海上、あるいは海港、空港などでこれを検査、押収する権限を加盟国に付与」している。しかし日本では、北朝鮮の核実験が、現行の船舶検査法の想定する周辺事態と規定できず、また憲法九条に照らせば、日本が自国領土や領海を越えて警察権を行使することはできないため、現行法で、決議が求める公海上での貨物検査や禁輸品の押収をすることができない。そのため日本政府は、特措法として今回の法案を提出した。

 法案では、船舶の検査は日本の領海やその周辺の公海上で海上保安庁が担当し、自衛隊は情報収集(追尾を含む)や発見した貨物の判定などを担当する。領海での検査は、船長の承諾、公海上では船長と船舶所属国(旗国)の同意も必要とするが、船長が検査を拒んだ場合は、日本の港湾に向かうよう回航命令を出し、命令を拒否したり、港湾での検査を拒否した場合は処罰できる規定を盛り込む。海上保安官の武器使用権限は、「正当防衛か緊急避難」に限るという。

 こうした動きに対し、朝鮮中央通信は六月二十三日、「万一、日本が朝鮮の平和目的の船舶に対する検査を実施しようとするなら、朝鮮軍部は、二十一世紀の雲揚号事件とみなし、無慈悲な報復の攻撃を浴びせる」と警告し、貨物検査のための法整備は「戦争行為を合法化」し「国内外で朝鮮に対する敵対感情と戦争の雰囲気を鼓吹するためのもの」と主張した。

 実際、船舶検査(臨検)をおこなうためには、船舶停止や回航命令のための航路妨害、P3C哨戒機による威嚇、自衛艦や巡視艇による信号弾の発射など、武力行使をはじめとする強制力をともなわざるをえず、それが武力衝突へと発展していく危険性がきわめて高い。

 日本政府は、貨物検査特措法によって緊張を高めるのではなく、対北敵視政策をやめてピョンヤン宣言にもとづいた対話による関係改善と平和体制の構築に努力しなければならない。

[HOME] [MENU] [バックナンバー]