民族時報 第1160号(09.06.01)


【見解】情報一元化で管理強化/治安管理対象の姿勢変えよ

    「新たな在留管理制度」法案に反対する

 日本政府は三月、住民基本台帳の対象に外国人を加える「住民基本台帳法」(住基法)の改定案と、「新たな在留資格管理制度」を導入する「出入国管理及び難民認定法」(入管法)と「日本国との平和条約に基づき日本国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」(入管特例法)の改定案を国会に提出、現在、衆議院の総務委員会と法務委員会で審議している。これにともない、従来の外国人登録制度は廃止される見通しとなった。

 われわれは、今回の法改定案が、外国人の情報を法務省と入管局に一元化することで、これまで以上に外国人の人権を踏みにじり、管理を徹底強化するものとして、断固これに反対する。

 改定案では、原則三か月以上の中長期間、日本に滞在する外国人に「在留カード」を交付するとしている。カードは、偽造防止用のICチップ付きで、顔写真や氏名、国籍、住所、在留資格、有効期限のほか、就労できるかどうかも明記し、「不法就労者」をひとめで見分けられるようにしている。 この在留カードは、外国人登録証明書と同じく十六才以上の者には常時携帯義務と提示義務が罰則付きで課せられる。さらに雇用先や通う学校から個人情報を入管に提供させる仕組みをつくり、在留管理を厳格化するという。

 さらに、いわゆる「非正規滞在者」や「難民申請中」の人たちは「住民基本台帳」への登載が除外され、医療や教育などの最低限の行政サービスから、いままで以上に排除されてしまう危険がある。

 在日同胞ら特別永住者に対しては、「特別永住者証明書」を交付、そこには顔写真のほか、氏名、生年月日、国籍、住所、特別永住者証明書番号と交付年月日、有効期限(七年)満了日を記載し、ICチップを搭載する。十六才以上の特別永住者は、この証明書の常時携帯と提示義務、記載変更届出義務などが課せられ、これに違反した者には罰則が課せられる。特別永住者もこれまでと同様の義務規定と罰則制度が課せられることになるのだ。

 外登証の常時携帯義務については、衆議院法務委員会で、永住者に限定することなく常時携帯そのものの見直しを決議したことがある(九九・八・一三)。にもかかわらず、今回の改定案は、それに逆行する制度といわざるを得ない。

 また、特別永住者は再入国許可の有効期間の上限が四年から六年にされると共に、二年以内であれば許可を受けることなく再入国できるという、「入管特例法」の改定案の「みなし再入国」も、「有効な旅券および特別永住者証明書を所持」している者に限られ、同じ特別永住者であり、同様の歴史的経緯を持っていても、「朝鮮」籍同胞や旅券を持たない同胞はそこから除外される。さらに一般永住者は、在留カードを持たされ、日本に再入国の際には指紋情報を提供しなければならない。

 結局、今回の法改定案は、法務省と入管局の情報一元化による、外国人の徹底管理を目的とし、在日同胞や在留外国人を継続して治安管理の対象とみなしているものといわざるをえない。

 在日同胞はもちろんのこと、在留外国人を治安管理対象と見なすのではなく、「在留管理制度」を抜本的に改正しなければならない。

 二〇〇九年五月二十六日

 在日韓国民主統一連合


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