民族時報 第1160号(09.06.01)


【トップ記事】市民ら追悼 遺志を継ぎ和解と統合へ 徹夜でキャンドル文化祭

       韓統連の孫亨根議長が大使館で献花

    盧前大統領を50万人が葬送

 盧武鉉前大統領の国民葬告別式が五月二十九日午前、景福宮の前庭で行われ、遺族をはじめ、李明博大統領、金大中前大統領ら関係者ら約三千五百人が参加した。また同じ時間、警察による封鎖が解除されたソウル市庁前広場一帯では、市民ら約五十万人が参加して、市民告別式が行われた。景福宮での告別式を終えた盧前大統領のひつぎは、遺族とともにソウル市庁前広場へ移動、同地で出棺のための儀式である路祭(ノジェ)を市民とともにおこない、ソウル市庁前広場からソウル駅前広場まで葬送行進した。午後三時三十分ごろソウル駅前広場を出発した盧前大統領のひつぎは、水原市で荼毘(だび)に付され、遺骨は夜遅く自宅のある慶尚南道金海市の故郷に戻った。韓統連の孫亨根議長らは二十七日午後、駐日韓国大使館に設置された弔問所を訪れて献花し、盧前大統領の霊前に追悼辞を捧げ、冥福を祈った。=孫議長の追悼辞は別掲

 韓明淑前首相は国民葬告別式の追悼辞で、「不正と特権にまみれたこの地の権力文化を変えるため、自ら権力の座からおり、和解と統合の未来のため国家権力の犠牲となった国民の恨(ハン)をはらすため、歴史に謝罪することをためらわなかった」とし、「軍事境界線を歩いて渡り、朝鮮半島の平和を一段階高めた」と、前大統領の功績を高く評価しながら、「あなたの夢にしたがって、大韓民国の夢を実現する」と慟哭(どうこく)とともに、盧前大統領の残した課題を成し遂げようと訴えた。

 市民とともに挙行された路祭で司会者は、「わたしたちは前職大統領が自殺しなければならない時代に生きている」と民主主義の後退を指摘、大きな共感の拍手がわいた。葬送行進をともにした沿道の市民は盧前大統領をしのんで、涙にくれながら「盧大統領を忘れない」「愛しています」と連呼した。

 警察は路祭が終わると、ただちにソウル市庁前広場を警察バスで封鎖したが、約三万人の市民が広場を開放させ、徹夜で追悼キャンドル文化祭を行った。警察は三十日早朝、市民らを急襲して、広場を再度封鎖した。

 盧前大統領は二十三日、自宅裏の岩山から投身自殺した。公開された遺書には「これから受ける苦痛もはかり知れない」と記されていた。盧前大統領は有力後援者から約六百四十万ドル(約六億一千万円)の不正資金を供与されたとの疑惑で、先月末に最高検の事情聴取を受けた。盧前大統領は在任中、検察の改革に着手、当時の検事総長が辞任するなど、検察から強い反発をかった。検察当局が退任した盧前大統領をねらい、内乱罪と数千億ウォンの不正蓄財の容疑で事情聴取された全斗煥、盧泰愚元大統領以来の事情聴取をしたのは、それへの報復だと指摘する韓国メディアも少なくない。また李明博政権は、盧前大統領が金正日国防委員長と合意した十・四宣言を認めていないため、いずれ盧前大統領が金大中元大統領と協力して、南北共同宣言の履行を求めることを警戒して、政治的影響力をそぐために逮捕までも許容する方向にあったと指摘されている。


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