民族時報 第1152号(09.02.01)


【解説】慶北(K)高麗(K)公安(K)

    民主主義を脅かすMB人事・悪法

 再開発による立ち退きに反対してろう城していた商店主らに対する警察の過剰鎮圧のため住民五人と、警官一人が焼死する龍山惨事が発生した。=四面参照

 これは李明博大統領の強硬姿勢と無関係ではない。李大統領は、思い通りに法案処理できなかった臨時国会閉幕後の一月十二日、ラジオ演説で「会議室のドアを壊すハンマーが、韓国の民主主義を殴りつけ、わたしが殴られたようだ」と述べ、野党の抵抗を「国会暴力」と罵倒(ばとう)した。民主党の丁世均代表は十四日、李大統領が「まるで戦争を陣頭指揮するように野党を攻撃した」と非難した。

 李大統領の強硬姿勢は、内閣改造でより鮮明になった。その特徴は、出身地の慶尚北道、出身大学の高麗大学、そして公安勢力人脈を登用した「KKK人事」(崔宰誠・民主党スポークスマン)だ。

 今回の改造で十九人の長官・次官のうち、高麗大学、大邱・慶北出身者が九人になった。統一部長官に指名された玄仁沢・高麗大教授は、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が強く批判する「非核・開放・三〇〇〇」の策定者。民主党は「南北関係を放棄した」と強く批判した。
 

 経済チームは、企画財政部長官に尹増鉉・元金融監督委員長、金融委員長に陳棟洙・韓国輸出入銀行総裁が内定。大統領経済首席秘書官には尹鎮植・韓国投資金融持株会長を任命した。これについて野党と市民団体は、尹増鉉・長官内定者が一九九七年のIMF危機当時の財政経済院金融政策室長で、現在も金融緩和論者であり、銀行支配を狙う財閥の意向にそった政策を行うのではないかと警戒感を高めている。

 公安勢力では、警察庁長官に金碩基・ソウル市警察庁長が指名された。金氏は龍山惨事を直接指揮した。龍山惨事のため警察庁長官の辞退がうんぬんされている。金氏は日本の警察大学留学のほか駐日韓国大使館、駐大阪総領事館勤務など計七年間、日本の公安勢力と連係して在日同胞の動向を探ってきた人物。「日本人脈が深く治安関係の世界では最大の知日派」(産経新聞一月十九日付電子版)。また、国家情報院(国情院)の新院長には李大統領のソウル市長時代からの側近、元世勲・行政安全部長官が指名された。

 このように、李政権二年目の内閣改造は、「KKK人事」との例えが誇張ではない。今後の強硬突破・弾圧を予告している。

 李大統領の強硬路線を「合法化」するのが「明博(MB)悪法」だ。

 @「言論掌握法案」

 新聞法と放送法の「改正」で、新聞と放送の兼営を禁止した条項をなくし、財閥と、新聞市場の六割を専有する朝鮮、中央、東亜日報に地上放送掌握を全面許容しようとしている。保守新聞に比較して、放送は国民の側にたった報道、番組を提供してきたからだ。

 A「集会の自由抹殺法案」

 昨年のキャンドルデモに恐怖した政府・与党は、事前封鎖と報復をねらって、覆面(マスク)などの禁止を定めた集会とデモに関する法律、集会参加者に対する集団訴訟をあおる不法行為集団訴訟法、集会開催を理由にして支援金を回収する非営利民間団体支援法などを成立させようとしている。

 B「KCIA・安企部復活法案」

 国情院法は、その職務範囲を大幅に拡大するもの。これは一九九四年以来の情報機関の権限を制限する流れに逆行し、朴正煕・全斗煥独裁時代のKCIA・国家安全企画部(安企部)を復活させようとするもの。通信秘密保護法「改正」案の核心は、通信網とポータルサイトサーバーから盗聴できるようにする。

 C「表現の自由抑圧法案」

 「サイバー侮辱(ぶじょく)罪」を新設し、懲役まで可能にしようとしている。侮辱罪は、刑法では親告罪だ。新法は捜査機関の判断で直ちに強制捜査を可能にする。ネット上の政府批判を根絶する意図がある。サイバー空間が大きな役割を果たしたキャンドルデモへの恐れと、報復だ。

 D「財閥特典法案」

 「金融・産業分離緩和法案」(銀行法、持株会社会社法)は、財閥と大企業の銀行所有を防いできた堤防を一気に押し破るものだ。

 E「国会暴力防止特別法」

 李大統領の意を受けて、野党の抵抗を「国会暴力」として、「国会暴力防止特別法」を成立させようとしている。

 国民が国会に付与した立法権限は、「多数党による立法独占権」を意味しない。

 多数決は世論の収れんと十分な討論を前提とする。法律が制定されれば、国民は順守を「強制」される。政府・与党が強硬に処理しようとする悪法の成立を阻止することが、きわめて重要になっている。

 (高雄埴記者)


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