民族時報 第1152号(09.02.01)


【焦点】単独主義から協調主義へ 朝米対話に期待感

    米オバマ政権が出帆

 一月二十日、第四十四代米国大統領にオバマ氏が就任した。オバマ米大統領は、就任演説で「前の世代は、(中略)我々の力だけで我々を守れず、好きに振舞う資格を得たのではないことも理解していた…」とし、「古くからの友人やかつての敵とともに、核の脅威を減らし…」と明らかにした。二十二日に発表されたオバマ政権の政策を示す「アジェンダ」にも、外交政策の方針について、米国の従来の外交を刷新し、「すべての国家、友人、敵とも、前提条件のないタフな直接外交を追及する」としている。これは、これまでのブッシュ政権時代の「単独行動主義」を批判し、そこから脱して「国際協調主義」に軸足をおき、これまでの敵対国である北朝鮮やイランとも対話を進めていくことを明らかにしたものとして、注目されている。

 一方、オバマ政権で国務長官に指名されたヒラリー・クリントン上院議員は十三日、国務長官承認の聴聞会に先立って上院外交委員長らに提出した答弁書で、対北朝鮮政策に関する立場を明らかにし、「正常化は北朝鮮が核兵器開発を完全で検証可能な方式で放棄なくして不可能だ」とし、@プルトニウム生産A高濃縮ウランによる核開発Bシリアなどへの核拡散活動を十分に説明しなければなければならないとし、さらにC「関係正常化のひとつの条件として人権侵害について継続して問題を提起する」とした。

 この四つの前提条件は、北朝鮮が外務省スポークスマン談話(一・一三)で明らかにした、「米国の対朝鮮敵視政策と核脅威の根源的清算なくして、われわれが先に核兵器を放棄することはない」とする「非核化を通じた関係正常化ではなく、関係正常化を通した非核化との原則的立場」とは真っ向から対立するものであるため、両国の激しい外交戦が一定期間継続するものと展望される。

 しかし、オバマ新政権の最優先課題は、米国発の金融危機に端を発した経済危機への対処だ。このため、いたずらな緊張激化や軍事行動で財政支出を増加させることはできない。こうした状況からも、北朝鮮との共存路線を朝鮮半島政策の基本とし、朝米関係が大きく進展するものと期待されている。


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