民族時報 第1151号(09.01.01)


【新年あいさつB】

    韓日各界人士の新年辞

 

 チェンジは、チャンス

 岩國哲人(民主党国際局長、衆議院議員)

 新年おめでとうございます。

 昨年、オバマ新大統領誕生でアメリカはわきました。多くの人が奴隷となった過去を持つアフリカ人の二世が大統領になるという、だれも想像できなかった変化が実現しています。そして、「百年に一度」の世界的金融危機は、世界各国に影響を与えています。

 アメリカが変れば世界が変る。世界の新秩序がこれから生まれてきます。

 日本もその混乱と変化の中に、新しい活路を見出さなくてはなりません。

 CHANGE(チェンジ)は、CHANCE(チャンス)。二つの言葉を書いて見てください。CHANGEとCHANCEは一つの字しか違いません。いわば隣り合せの言葉です。

 朝鮮半島を中心とする北東アジアの平和と発展を目ざす六者協議の努力が具体的な成果をもたらさなかったことは誠に残念です。核兵器の問題も拉致の問題も新年の重い課題として残りました。

 しかし、希望を捨てることなく、わたしたちは日本と朝鮮半島、中国の北東アジア地域、そして世界の平和と発展のため、本年も活動して参ります。

 新しい年が、みなさまにとって、素晴らしい年となるよう祈念しております。

 

 今年も平和にむけて

 近藤昭一(衆議院議員)

 新年、おめでとうございます。

 日頃から、在日韓国民主統一連合の皆さんの活動に敬意を表します。

 昨年、みなさんが取り組んでこられた遺骨問題にも、大きな進展がありました。一月と十一月に祐天寺において、日本政府主催で韓国出身戦没者還送遺骨追悼式が行われ、遺族への返還が開始されました。私は外務委員会でこの問題の解決に向けた質問も行ない、運営の面でも改善が見られました。今後、なかなか調査が進まない民間の徴用者に関しても、身元の判明につながる資料を韓国側に提出し、一刻も早く遺骨が返還されるよう尽力してまいります。

 また、私が幹事長をしている「恒久平和のために真相究明法の成立を目指す議員連盟」(略称:恒久平和議連。鳩山由紀夫会長)が二〇〇六年に提出した「国立国会図書館法の一部を改正する法律案」(通称:恒久平和局設置法案。国立国会図書館の中に恒久平和調査局を設け、強制連行など戦争被害の実態に関する資料を集めて国会に報告する内容)は、継続審議となっております。与党の反対により、実質的な審議には入れない状態ですが、米国においてもオバマ新政権が誕生し、世界全体が国際協調主義へ大きく転換していきます。今こそ、日本人自身の手で戦争責任を検証し、アジアの平和と繁栄のために、行動していかなくてはなりません。本年も頑張ってまいります。

 

 困難は希望への試練

 高史明(作家)

 二〇〇九年の年が明けました。「民族時報」の読者のみなさん、おめでとうございます。

 ふり返れば、〇八年には世界に大きな変化の風が吹きました。アメリカは結局、朝鮮民主主義人民共和国に対する「テロ支援国家」の指定を解除したのです。この「変化」は、明らかにアメリカの独善的な強者の論理の破産を意味しています。世界中の人々の平和と和解の深い願いが、新しい状況を開いたのです。

 韓統連のみなさんのご努力は、その世界中の人々の願いと連帯していたのでした。みなさんの「統一・平和・和解」の願いは、きっとさらに深く強く拡大してゆくでありましょう。深く確信しています。

 しかし、みなさん、〇八年の「変化」は、なお「印」に止まっていることもまた、ここにしっかりと見つめておきたいと思います。この「変化」の地下茎には、アメリカ発の新しい世界恐慌の怒涛(とう)が渦巻いているのです。一方、日本はただ混迷を深めています。平和を願う人々の困難は、なおつづくに違いないと思われます。韓統連のみなさん、「民族時報」の読者のみなさん、どうぞみなさんの確かな歩みによって、私たちの困難が明らかな希望に通底していることをお示しくださいますよう。 合掌

 

 二〇〇九年の年頭にあたり

 都相太(NPO法人三千里鐵道理事長)

 先日、次のような一文に出会った。

 「野蛮なグローバリズムの進行は、必然的に同じような粗暴なナショナリズムを呼び起こす。両者は対極のように見えて双子である。

 世界秩序は強者の論理でかろうじて保っているふりをしながら、腐敗と崩壊はとめどなく進んでいる。われわれは大国の響かぬ主張のむなしさと弱さと、またその暴力の残忍さに、強者の野蛮を、心のどこかで逃避しながら、承認してはないだろうか。

 今、価値とされていたものが、これからも価値として存在し続けるだろうか」

 前記の一文は、わたしを戦慄(りつ)させる。戦慄の源は、この社会における七十年近い時間の経験と、マイノリティしての本能でもある。

 百年に一度という、この巨大国=米国による人的災害と矛盾は、もっとも弱いところから襲いかかる。

 これは経済だけのことでは決してない。生命や理念、在日としての誇りにまで及ぶだろう。

 在日は解放後の六十年、彷徨(さまよ)い続け、これからも彷徨いつづけると主張する人は多いが、果たしてそうだろうか。

 珠玉のような在日は多い。民族としての矜持をもち、境界線を堂々とまたぎながら、日本のマジョリティすらも変化させようとしている。

 この百年に一度は、世界にとっても、朝鮮半島にとっても、われわれにとっても、絶好の機会として捉えなければならない。

 平和の礎として。

 二〇〇九年が、そんな一年であることを。

 

 大変動時代にも堂々と

 李哲(在日韓国良心囚同友会代表)

 在日韓国良心囚同友会より新年のお慶びを申し上げます。

 李明博政権の反北政策によって南北関係は極度に冷え込んでいますが、米国民はレーガンからブッシュに至る戦争政策に対して「NO!」と言い、変化することを望みました。

 変化は当然ながら朝鮮半島でだけ、起こっているものではありませんでした。同じように年明け早々にあると思われる日本の総選挙でも、劇的な変化をみせてくれるのでしょうか?

 金融バブルがはじけて全地球的に不景気、倒産、失業と、生きて行きにくい世の中になりましたが、こういう時代にこそ韓統連の自主・民主・統一の理念にみんなが希望をもてますように、旗が輝きますように。

 六十万在日同胞の先頭に立って、民族の和解と統一のためにまい進されますよう願っています。

 在日韓国良心囚同友会は今年もみなさまとともに、常に頭を上げて一歩一歩前進していくつもりです。

 新しい年が、みなさま方のご家庭と朝鮮半島に恵みあふれる年となりますよう、祈ります。

 二〇〇九年新春。

 

 保安法撤廃かちとろう

 渡辺一夫(韓国良心囚を支援する会全国会議代表)

 二〇〇九年を迎え、韓統連に結集されるみなさま、日韓日朝連帯運動に取り組まれているみなさまに、謹んで新年のごあいさつを申しあげます。

 昨年韓国では李明博政権の米国産牛肉の全面輸入開放に反対し、中学生・高校生をはじめとする国民的大運動が繰り広げられました。これに対して、かつての軍事政権を想起させられるような弾圧が加えられていることに、強い怒りを禁じえません。韓国進歩連帯共同代表の呉宗烈先生をはじめ、民主・統一運動団体の方がたの拘束に抗議し、釈放を求め、弾圧中止の声をあげていきましょう。

 朝鮮半島の統一と、韓国の民主化の最大の障壁となっているのは、韓国の国家保安法です。制定されて六十年になるにもかかわらず、今なお存在していることが良心囚を生みだす根源です。新たな在日韓国人政治犯を生みださないために国家保安法の撤廃、良心囚全員の釈放を求め運動を行っていく決意です。毎月の御茶ノ水、日暮里駅頭での情宣、署名活動を中心に活動をおこなっていきます。

 今年、米国ではオバマ氏が大統領に就任します。朝米関係も対話によって新たな関係が築かれるのではないかと期待されます。こうしたなか、日本がまだ朝鮮民主主義人民共和国との国交を持っていない状況を正し、国交正常化がなされなければなりません。日朝国交正常化の声を、世論をつくりだしていくために、みなさまとともにがんばっていきたいと思います。

 

 歴史的な責任を果す

 渡辺健樹(日韓ネット共同代表)

 新年おめでとうございます。

 昨年、韓国民衆はBSE牛肉問題をめぐるキャンドルデモで、再び民衆運動の大きな可能性を世界に示しました。改めて韓国民衆の闘いにエールを送るとともに、今、李明博政権がこれに対し報復弾圧を仕掛けていることに、国際的抗議の意志を表明するものです。

 他方で昨年は、米ブッシュ政権をして、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する「テロ支援国」指定が解除されました。一月にはオバマ新政権が発足します。前途に曲折があるにせよ、朝鮮半島の準戦時状態を終わらせ、和解と平和、統一への歴史のほん流は、もはや何人も押しとどめることはできないでしょう。

 しかし日本政府は、対北朝鮮「制裁」の延長をくり返し、この流れにあがらってきました。とりわけ在日コリアンへの人権侵害と弾圧を許すわけにはいきません。

 わたしたちは昨年、韓統連や各分野の市民団体と協力して「『制裁』を解除し、日朝国交正常化早期実現へ!九・一七ピョンヤン宣言六周年キャンペーン」に取り組んできました。

 今年は三・一朝鮮独立運動九十周年、来年は韓国併合から百年の歴史の節目にあたります。もはや不正常な関係を放置し続けることは、日本民衆にとって歴史的責任の放棄に等しいと思います。歴史の節目を迎えるにあたり、日本と朝鮮半島の人びとの真の和解と平和・友好への転換点とすべく、全力を挙げる所存です。連帯してともに前進しましょう。


[HOME] [MENU] [バックナンバー]