民族時報 第1140号(08.07.15)


【論説】大統領支持率20%に低迷/国民に言い逃れ通じない

    キャンドル政局、対じ状態は継続

 牛海綿状脳症(BSE)の危険がある米国産牛肉の全面輸入開放に触発されたキャンドルデモは、全面再交渉の要求とともに李明博政権の国政運営の基本と政策の大転換を要求する、直接民主主義の形態に発展している。カトリック正義具現全国司祭団は、毎日キャンドルがともされているソウル市庁前で、テントを張って非常時局ミサ(六・二九―七・六)を行い、仏教、プロテスタント、円仏教など四大教団もキャンドルを掲げた。七月五日、ソウル市庁前の広場で開かれた「国民の勝利を宣言するためのキャンドル文化祭」には、五十万人以上がキャンドルをともし、六・一〇抗争をほうふつとさせて、李明博政権に対する国民的な批判と抵抗の声が、どれほど大きいかを見せつけた。「国民に降伏しろ」「李明博は出て行け」というスローガンは、すでに目新しいものではなかった。市民の自発的な参加方式の形態により多様な文化空間で、非暴力の抵抗、平和的な闘争に発展した歴史上初めての長期間にわたる大規模キャンドル文化祭は、七月八日に第六十二回を迎えた。国際アムネスティの調査官が人権侵害状況の調査のために、韓国に緊急派遣される事態も起こった。国会は十日に開会したが、家畜伝染病予防法改正方法などをめぐって、与野党の衝突が予想される。

 李明博政権の対応と現在の政局を見てみる。

 市民「国民に降伏しろ」

 BSE国民対策会議と「国民の勝利を宣言するためのキャンドル文化祭」参加者は、李明博政権に対して①米国産牛肉輸入の再交渉と流通の中断②キャンドルデモ関連の拘束、手配措置の解除③李明博大統領の面談および公開討論など、五大国民要求事項を決議し青瓦台(大統領府)に伝達しようとしたが、当局はキャンドル集会の中断を前提としなければ、責任ある者が受け取ることはできないとの立場で一貫し、伝達されなかった。国民と対話しないという李明博大統領の姿勢を反映したものだ。

 二か月間にわたって、キャンドル文化祭を導いてきたBSE国民対策会議は今後、七月十二日と十七日の大規模キャンドル文化祭を主催し、それ以外の平日のキャンドル集会は各部門、社会団体の主管で進行するとし、長期戦を予告している。各団体は、牛肉輸入の再交渉と政府の主要な政策に対する反対闘争を展開する方針を掲げている。第六十一回キャンドル文化祭は、BSEキリスト教対策会議所属の牧師らが進行し、八日は、全国言論労組の主催で、汝矣島のMBC前で「キャンドルよ集まれ、『PD手帳』(韓国のテレビ情報番組)を守ろう」という主題で進行された。BSEの危険を警告しキャンドルデモを触発したMBCの「PD手帳」に対する検察の捜査は、政府の権力乱用、言論弾圧であり、国民が言論を守ることが確認された。また、社長の交代でKBSとYTNを掌握しようとする李明博政権の言論統制政策に対しても、KBSの公営放送の死守を決意している。民主労総は今後、「ゼネストへの告訴・告発および公安弾圧糾弾闘争」を展開することにした。

 全国農民会総連盟は、全国の市・郡別に牛肉交渉の無効と農民の生存権を主張する全国農民大会を全国で同時に進行する予定だ。全国公務員労働組合は、大統領不信任案を推進中だ。女性民友会は不買運動、流通阻止など「BSE牛肉ゼロ運動」を進めることを決定した。多様な形態で反対運動が展開される様相だ。

 李明博政権の国政運営支持率二〇・九%

 しかし政府とハンナラ党は、キャンドル集会を左派勢力の政権退陣陰謀などとして責めたてている。国民へ謝罪し「反対意見にも耳を傾ける」(六・一九、特別記者会見)と約束した李明博大統領だったが、むしろ公安弾圧による対決姿勢を見せている。その背景には、いずれキャンドルが下火になって収まっていくだろうという計算があるようだ。警察当局はBSE国民対策会議の関係者六人を手配中で、「不法で暴力的な様相のキャンドルデモを主導した嫌疑」で進歩連帯の事務所を捜査・押収する一方、ファン・スノン民主人権局長を拘束する暴挙に出た。また、民主労総のゼネストを不法ストと規定し、指導部など三十四人を召喚した。「ゼネストは牛肉再交渉要求が目的なので不法」(労働部)というのだ。

 国民の再交渉要求に対しては、追加交渉によってこの問題は決着し、国内の流通過程で原産地表示を徹底するとしたが、そうした手法でBSEの危険にさらされた国民の健康を守ることはできない。七三・九%の国民(ハンギョレ新聞世論調査)がこれに不信感を持っている。李明博大統領が見直しの可能性を明らかにした朝鮮半島の大運河計画の問題も、姜万洙・経済企画財政部長官が再検討の必要性を提起している。教育の自律化政策も既存の方向どおりに推進するという立場を明らかにしている。電気、ガス、水道、健康保険など、公共事業の民営化も推進しないと約束したが、「先進国へと跳躍するために必ずしなければならないこと」と言葉を変えている。

 李明博大統領と同じ出身地や出身大学の人間、高所得者の起用と批判された閣僚の人事刷新も、七月七日の内閣改造で三人を交代、小幅なものに終わった。高為替政策によって物価の暴騰を増幅させた姜万洙長官は留任、ハンナラ党内部でさえ批判を受けている。彼は「ソマン教会」(李大統領が所属する教会)人事であり、李大統領の腹心だ。

 ソウル地方警察庁長は、キャンドル集会の主催側を司法処理する方針であり、宗教行事の名目で開かれたキャンドル集会も、原則的に同じ規準で判断すると明らかにし、国民と正面対決する姿勢を見せている。

 政府の米国産牛肉の追加交渉後に実施されたハンギョレ新聞の世論調査で(七・五)、李明博政権の国政運営に対する支持率は二〇・九%、キャンドル集会への共感は七〇%を超えた。

 李明博大統領は、国民が何を求めているのか耳を傾けなければならない。そして、大韓民国の大統領として本分を守らなければならない。

(金明姫記者)


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