民族時報 第1140号(08.07.15)


【焦点】朝日正常化 交渉進展は不透明

    日、義務果さず自ら障害

 日本政府は六月十三日、北京で六月十一、十二日の両日に行われた朝日の外務省実務者公式協議で、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が「日本人拉致問題の再調査」を約束、「日航機よど号ハイジャック事件関係者の日本への引き渡し」に向けて調整することで合意したと発表した。

 これについて日本側は、北朝鮮に対する独自制裁を一部緩和、北朝鮮からのすべての品目の輸入禁止などは継続されるが、万景峰号など北朝鮮船舶の入港禁止については、民間の人道支援物資を日本から北朝鮮に運搬する場合に限って規制解除するとしている。

 今回の合意のうち、拉致問題の調査再開は〇五年末、北朝鮮が過去の清算の開始や制裁解除などを条件に、受け入れる考えを非公式に打診したが、日本側が受け入れなかった経緯がある。(六月十四日付 朝日新聞)

 この間、日本は「拉致問題」を口実に、六者協議で合意された対北エネルギー支援に参加せず、米国による北朝鮮への「テロ支援国家指定」解除に一貫して反対してきた。ところが、朝米協議の進展で北朝鮮による核計画の申告に向けた準備が「最終段階」を迎え、「テロ支援国家」指定解除が具体的な課題として浮上するなか、むしろ日本が孤立し、六者協議の再開にブレーキをかけている状況だった。こうしたなか、日本政府が強硬一辺倒の姿勢から、孤立状況を脱するため、「拉致問題」についても一定の政治判断を行ったと見ることができる。

 五月二十二日には、超党派訪朝団を目指す「日朝国交正常化推進議員連盟」が発足し、自民、公明、民主、共産、社民、国民新の各党議員ら四十人が出席、会長には自民党の山崎拓元幹事長が就任した。

 その一方で、対北強硬論を唱える自民党の議員六人が、「北朝鮮外交を慎重に進める会」という自民党議連を同日に発足させ、「圧力」を前面に掲げた。

 ブッシュ米大統領は六月二十六日、北朝鮮が「核計画の申告」を六者協議議長国の中国に提出したのを受け、北朝鮮に対する「テロ支援国家」指定解除を議会に通告、対敵国通商法の適用解除の大統領布告を出した。大勢としては朝米正常化を含む緊張緩和、平和体制の構築に向けて動いているが、日本国内では、相変わらず「拉致問題」一辺倒の報道がされている。日本は、エネルギー支援をはじめとした六者協議の合意や、過去清算をはじめとした朝日ピョンヤン宣言の合意を一切履行していない。朝日交渉に向けて、自身が果たすべき義務を踏まえた日本の姿勢が問われている。


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