民族時報 第1128号(08.01.01)


【新年あいさつA】

    韓日各界人士の新年辞

 

平和と平等の二〇〇八年のために

福島みずほ(社民党党首)

 明けましておめでとうございます。

 六者協議が進み、北東アジアにおける平和構築も「遅々として進んでいます」。「遅々として」ではあるけれども「進んでいる」ことが重要で、韓統連のみなさんとともに、北東アジア、もっと言えば、このアジア地域で、平和と人権の取り組みが進んでいくよう努力していきます。

 安倍総理は退陣しましたが、安倍総理がつくった法律はこれからもっと作動していきます。教育に愛国心、在日米軍基地の強化、国民投票法の成立などです。法律上は、二年半後には国民投票ができる状態になりました。社民党は、衆・参に設置された憲法審査会が作動し、ここで憲法改悪案づくりがなされないように、みなさんと全力を尽くしていきます。

 また、日本に入国する外国人は、原則として、指紋と顔識別機能のついた写真をとられるようになりました。指紋押捺拒否の運動があんなにも燃え上がり、指紋押捺が撤廃されたと思ったら、今度は、「テロ対策」を名目にこのような法律が制定されて、本当に残念です。外国人を犯罪者予備軍と考える法律です。廃止を目指したいものです。

 今年七月、洞爺湖サミットがあります。アジアで開かれるサミット。「私たちの考えるもう一つの洞爺湖サミット宣言」をつくり、アジアから、平和・環境・人権・公平をアピールしていきたいものです。平和と平等の二〇〇八年のために、今年もよろしくお願いします。

 

戦争責任検証に今年も尽力

近藤昭一(民主党衆議院議員)

 新年、明けましておめでとうございます。

 昨年も南北首脳会談など、朝鮮半島情勢をめぐっては大きな動きがありました。

 日本国内においては、在日同胞の皆さまの民族の平和統一に向けた努力が曲折をしながらも続けられています。

 昨年七月二十九日に名古屋で行われた「韓国・朝鮮の遺族とともに 遺骨問題の解決へ二〇〇七夏」全国集会では、私もご挨拶をさせていただき、国会での質問等でも取り上げました。

 十二月七日の衆議院外務委員会では、十一月二十日の日韓首脳会談で韓国の盧武鉉大統領から要請された徴用者記録の調査について、高村外相に質問しました。韓国側から要請されている厚生年金記録や供託金記録は可能な限り協力し、その他の記録や名簿についても、韓国側から要請があれば、各省庁と協議して対応していきたいという積極的な答弁を得ました。

 私が幹事長をしている「恒久平和のために真相究明法の成立を目指す議員連盟」(略称:恒久平和議連。鳩山由紀夫会長のもと、与党も含めた超党派の国会議員が参加)が一昨年に提出した、「国立国会図書館法の一部を改正する法律案(通称:恒久平和局設置法案)」は、継続審議となっております。残念ながら、与党の反対により、実質的な審議にはなかなか入れない状態ですが、日本人自身の手で戦争責任を検証し、アジアの平和と繁栄のために、本年も粘り強く活動していくことをお誓いし、年頭のご挨拶とさせていただきます。

 

歴史的な新局面に備えよう

李哲(在日韓国良心囚同友会代表)

 明けましておめでとうございます。

 在日韓国良心囚同友会より、韓統連と民族時報の読者の皆様に、新年のごあいさつを申し上げます。

 昨年は六者協議と南北関係において大きな進展があり、祖国の平和と和解・統一において実に画期的な年でした。青春時代を朴正煕、全斗煥、盧泰愚の軍事独裁政権のもとで、獄中生活を送った私たちは、昨今の動きを見るにつけ、私たちが望んでやまなかったことが三十年後の今日、現実化しつつあるという思いで一杯です。今、朝鮮半島では大きな地殻変動が起きており、怒とうのような大きなうねりが押し寄せています。分断の壁は音を立てて崩れつつあり、私たちはこの歴史的な新局面に、自らを準備しておかなければならないでしょう。

 在日韓国良心囚同友会は微力な小さな集まりではありますが、皆様方とともに今年も新たな思いで前進していこうと思います。

 新しい年が、皆様方のご家庭とわが民族にとって、恵みあふれる年となりますよう祈ります。

 二〇〇八年 新春

 

二〇〇八年の新年にあたり

都相太(NGO法人三千里鐵道理事長)

 この二月から新大統領の下で、韓国の政治は展開される。

 在日の関心は、これまで進んだ南北和合の政策が、どのように変化するのであろうか、と言うことに尽きる。

 保守であれ革新であれ、方法論に違いがあっても「統一」に異論を唱える人はいないだろう。

 しかし、振り返ればこの十年、凍(い)てついた分断線は、急激な変化を成し遂げた。

 かすかな接点であった板門店は、もうその役割を終えた。

 東海に伸びる道路と鉄路は、金剛山を経て、なおの北上をうかがう。

 非武装地帯を縦断して開城工団に通じる道路は、少し北に延びれば、ピョンヤンから伸びる高速道路とのジャンクションになる。

 京義線は、その動脈としての蘇生をなした。一万五千人の北の人々の労働を、成果にして南に運ぶ。

 そして大切なことは、それら動脈が日常化されて、人々の意識に脈々と生き続けていることである。

 その動脈を、誰であれ断ち切ることはできないであろう。

 韓国の写真作家李時雨氏は「最も痛い所が世界の中心である」と。

 朝鮮半島の「最も痛いところ」は、言うまでもなく二百キロメートルに及ぶ分断線である。

 陸から海から、「最も痛い所に」毛細血管を張り巡らすことが、民族としての使命ではないだろうか。

 

新年のさらなる夜明け願う

高史明(作家)

 「民族時報」の読者のみなさん。

 明けましておめでとうございます。

 二〇〇八年の夜明けに当たり、皆様に新しい年明けのごあいさつを申し上げます。「民族時報」による皆様のご活躍によって、二〇〇七年には実に多くの力を賜ってきました。皆様の真摯(し)なご活躍は、何時も生き生きとしていました。どれだけ励まされてきたことか。

 昨年は、南北の首脳会談が実現されました。新しい年にはまた、さらなる夜明けが願われてなりません。振り返ると、一九一〇年には、日本による韓国併合があったのでした。そしてその年にはまた、大逆事件が起きていました。幸徳秋水や菅野スガらが逮捕され、二十四人に死刑、二人に有期懲役が下されたのであります。「朝鮮」の不幸は、まっすぐ日本人の不幸に重なっていたのでした。

 石川啄木がその厳寒の時代に筆を取って『時代閉塞の現状』=(強権、純粋自然主義の最後及び明日の考察)を書いています。啄木は、その結びで言います。「我々は今般も厳密に、大胆に、自由に『今日』を研究して、其処に我々自身にとっての『明日』の必要を発見しなければならぬ。」「我々全青年の心が『明日』を占領した時、其時『今日』の一切が初めて最も適切なる批評を享くるからである」と。

 皆様の新しい年の日々のご活躍と充実を心から念じあげます。

 合掌


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