民族時報 第1111号(07.04.15)


【焦点】安倍首相 通用しない「二枚舌」

    歴史わい曲進める日本

 安倍首相の日本軍「慰安婦」強制動員を否定する発言に、内外からの強い非難がやむことがない。これに対して首相は、対外的には「謝罪」で火消しに躍起になっている。その一方で、国内的には教育現場での「日の丸・君が代」の強制を強める一方、歴史のわい曲を一層強めている。

 日本の文部科学省(文科省)は三月三十日、〇八年度から使用される高校教科書の検定結果を公表した。独島(日本名竹島)問題に関して文科省は、「朝鮮との関係で竹島問題が発生した」「竹島領有権関連で解決されない問題がある」との表現に問題があるとし、「竹島は日本領土であることを明らかにせよ」との意見をつけた。また、「わたしたちが言う『日本海』は、韓国などでは『東海』とも呼ばれる」との部分を、「誤解の憂慮がある」とし「世界の地図で一般的に使われる『日本海』」とするよう注文した。

 それだけでなく、今回の検定では日本国内の歴史である沖縄戦の日本軍強制による「集団自決」についてわい曲が行われた。文科省は日本軍が強制したと明記した七か所(五社七冊)に、「日本軍による強制または命令は断定できない」と、修正を求める検定意見を付けた。これに伴い、各出版社が記述を修正し、日本軍の関与を否定する表記となった。

 これに対して、軍隊が住民を守らなかった沖縄戦の実相をわい曲し、ひいては集団自決を殉国美談に仕立てあげるものだ、との強い批判が出ている。

 また、戦犯の靖国神社への合祀を日本政府(旧厚生省)が積極的に働きかけていたことが三月二十八日、国立国会図書館の「新編 靖国神社問題資料集」に収録された内部資料で判明した。日本政府が主導してA級戦犯を含む合祀に取り組んできた実態が明らかになった。

 ところが安倍首相は二十九日、「合祀を行ったのは神社だ。(旧厚生省は)情報を求められ(資料を)提出したということではないか」と主張した。資料には一九五八年にA級を含めた戦犯の合祀について議論し、五九年には「B級以下で個別審議して差支へない程度でしかも目立たないよう合祀に入れては如何」と、厚生省側がBC級戦犯の合祀検討を提案したとの記載がある。

 韓国政府は三十日、外交通商部報道官の声明で「独島を日本領土と記述した高校教科書を検定で通過させた文科省の決定は容認できない」と指摘し、撤回を強く求めた。

 また靖国への戦犯合祀に関しても二十九日、「日本政府がこれ以上真実をごまかさず、正しい歴史認識のもとで、責任ある措置を取るように望む」とする論評を発表した。

 安倍首相と日本政府は、歴史問題のダブルトーク(二枚舌)は、もう通用しなことを肝に銘じ、歴史わい曲をやめ、過去において犯した過ちに対して責任を取る勇気を持つべきだろう。


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