民族時報 第1010号(03.07.01)


【焦点】

    韓国国防費が増額、MD体制の編入狙い

 韓国国防部が六月十日、今年度に比べて二八・三%増にあたる二十二兆三千億ウォンの二〇〇四年度国防予算を明らかにした。予算案では、とくに戦力増強費が四二・一%も大幅に増額されており、新規事業が米国のミサイル防御(MD)体制の核心となる兵器体系であることから、米国の圧力による事実上のMD体制への編入ではないかとの批判が起きている。

 国防部は昨年から、十年間に一兆九千六百億ウォンをかけて新型パトリオットミサイル(PAC3)四十八基を導入しようとしたが、予算不足と支払い時期をめぐる協商が決裂したことなどから、今年二月にパトリオットの導入については当面保留し、二〇〇六年以後に検討することにしていた。それが突然、来年度予算に組み込まれたわけだ。

このほかにも、次期誘導兵器(SAM―X)、空中警戒管制機(AWACS)など、最大十年間にわたって毎年数兆ウォン規模のばく大な予算が投入される新規事業が含まれており、このような大型の戦力増強事業が一気に着手されるのはきわめて異例だ。

予算増額の理由として、国防部は自主国防に向けた軍の現代化を強調しているが、米国の圧力を指摘する声が多い。ウォルフォウィッツ米国防副長官が六月初め、韓国は国防費をもっと負担すべきだと発言してから、国防費増額の議論が急に浮上しはじめたからだ。

ウォルフォウィッツ副長官は最近、韓国のように経済力があり、軍事的に緊迫した課題を抱えている国家が、国民総生産(GDP)の二・七%しか国防費に費やさないのは不適切だと公開的にくり返し発言している。韓米軍当局による非公開の試算によると、韓国軍のMD体制への円滑な編入のためには、最低GDPの三%以上の予算が必要といわれており、同副長官の発言の根拠と狙いもまた、MD体制構築にあるようだ。

国防部は十九日、国会国防委員会に提出した業務報告書を通して、今後、米国からMD体制への参加を要請された場合、北朝鮮の脅威、韓米連合防衛態勢、国際的動向などを考慮しながら検討することを明らかにした。金大中前政権はMD不参加の意志を鮮明にしていたが、「参与政府」になって初めて、国防部がMDに肯定的な立場を明らかにしたことになる。

敵の報復攻撃を無力化するというMD体制構築は、ブッシュ政権の先制攻撃意欲をますます高めるだろう。先制攻撃態勢への編入は自主的平和統一の流れに逆行し、朝鮮半島の危機を限りなく増大させるものだ。米国の圧力による国防費増額を韓国政府は認めるべきではない。


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