民族時報 第1005号(03.05.01)


【焦点】

    国会議員再補欠選挙をめぐって

  四月二十四日にソウルなど首都圏の三地域で国会議員補欠選挙が行われた。結果は二つの選挙区でハンナラ党候補、一選挙区で民主党との連合公認で出馬した改革国民政党候補が当選した。与党民主党は選挙前に維持していた三議席のうち野党ハンナラ党に二議席奪われたことになり、国会の与小野大局面がより強まったことになる。ハンナラ党は盧武鉉政権に対する中間審判が下されたと気勢を上げ、民主党は敗北の原因をめぐって新旧主流派間の対立が深刻な様相を見せている。しかし、政治改革が焦眉(び)の課題となっている状況下で、これまでの与野党の対立構図だけでは、選挙結果にあらわれた民心をはかることは困難なようだ。

選挙結果から、所属政党よりは世代交代や進取性など候補個人の評価が優先されたという指摘が多く、既存の体制のままでは与野党ともに来年の総選挙で勝利する展望はない、というのが大半の見方だ。ところで、民主労働党は三選挙区すべてに候補者を立てたが、五%未満の得票にとどまった。

 今回の選挙は盧武鉉政権登場後はじめて行われた国政選挙であり、来年の総選挙を占う意味でも注目されていた。ところが二五・三%という史上最低の投票率に見られるように、選挙に対する地域住民の関心は低かったようだ。もっとも投票日が平日で、朝六時から夕方六時までという投票時間のため、当初から低投票率は予想されていた。 

今回の選挙で全国的な関心を集めたのは、改革国民政党候補で当選した柳時敏氏だ。柳氏は大統領選前から一貫して盧武鉉大統領を支持し、民主党内の旧主流派にもきびしく批判してきた人物であり、与野党を超えた改革志向勢力の象徴的な存在であった。柳氏の当選が、今後の政局に大きな影響を与えるのは必至だ。

二議席を持つことになった改革国民政党は翌二十五日、記者会見を行い、「来年の総選挙で改革勢力が国会権力を守旧勢力から取り戻さなければならない」としながら、「汎改革勢力の単一政党」建設を正式に提案した。当面は民主党の動向を注視しつつ、ハンナラ党内の改革派と在野人士の参加を優先しながら政党建設を推進する意向だ。

一方、民主党は改革勢力が党を掌握するのか、あるいは分裂して新党結成へと進むのかという岐路にあるといわれている。今回の選挙でも保守的な候補を推した旧主流派に批判が強まる一方で、旧主流派は現政権の全羅道離れが選挙民に嫌われたと反論する。

しかし、盧大統領の改革路線を積極的に支持する柳時敏氏が当選し、保守的な与党候補が落選したことから、地域主義を脱却した改革与党として再生する以外に民主党の展望はないといえるだろう。


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