民族時報 第1099号(06.10.01)


【論説】盧「制裁論じる段階でない」/ブッシュ、平和解決に同意

    韓米首脳会談―その内容と問題点

 韓米首脳会談が九月十四日、ワシントンで開かれた。昨年九月以来、停滞する六者協議再開問題をはじめ、駐韓米軍戦時作戦統制権返還をめぐる論議、韓米自由貿易協定(FTA)の交渉問題などの葛藤(かっとう)が表面化している時期に開かれたため、会談に注目が集まった。韓米首脳会談では何が論議され、各問題に対してどのような解決方法が提示されたのか、その内容や問題点を振り返ってみる。

六者協議の責任再確認

 首脳会談の核心議題は北朝鮮の核問題に関する六者協議といえる。会談では戦時作戦統制権の返還、韓米FTA、韓米同盟に関しても主要議題として論議された。

 韓米首脳は、核問題と関連して六者協議再開のための共同の包括的接近方案と九・一九共同声明の早急な履行を推進することで合意した。核ミサイル問題と関連して盧武鉉大統領は、「他の制裁を論じる段階ではない」と語り、最近論じられている米国の対北追加制裁の動きにくぎをさした。また、ブッシュ大統領は「北朝鮮の問題を平和的に解決するための六者協議に対する責任を再確認した」との立場を明らかにした。戦争ではなく平和的、外交的解決の必要性と責任を認めたという点では評価できるだろう。

 戦時作戦統制権に関しては、三月に締結した「戦時作戦統制権返還に関する約定」(TOR)の原則、すなわち返還時の駐韓米軍継続駐屯と有事時の増員公約を再確認し、具体的内容は十月の韓米年例安保協議会(SCM)で合意することにした。特に、戦時作戦統制権返還反対を叫んでいる韓国内の一部保守勢力を意識して、ブッシュ大統領が「この問題が政治的問題になってはならない」と言及することで、返還反対の世論を静めたといえるだろう。返還反対は米国の戦略的柔軟性実践に障害物となるためだ。

 韓米同盟に関しては、包括的、躍動的、互恵的同盟関係の発展を確認した。韓米FTAは交渉を加速化し、実現に向けて努力することにした。すなわち、今までの韓米同盟関係を再確認したに過ぎない。

 ブッシュ大統領が北朝鮮の核問題を平和的に解決すると言及したが、既存の対北敵視政策では、解決されるわけがない。北朝鮮の金永南・最高人民会議常任委員長はキューバのハバナ非同盟運動(NAM)首脳会議の演説で「無条件の協議復帰を要求することは正当化できず、米国の制裁の帽子をかぶって協議には復帰しないだろう」という北の断固たる立場を明らかにした。

包括接近方案は誘導策?

 韓米首脳会談で合意した核問題解決の「共同の包括的接近方案」とはいったい何なのか。詳細な発表はされていないが報道を総合して見ると、対北金融制裁、朝米二国間協商、九・一九共同声明の履行問題に対する協商案を北に提示するというものだ。宋旻淳・青瓦台統一外交安保政策室長は、首脳会談直後の記者会見で「北を六者協議に復帰させ、六者協議が再開される場合、九・一九共同声明の履行を前進させるための二つの目標を含んでいる」と包括的接近方案の内容を説明した。

 しかし、共同の包括的接近方案の具体的内容は今後、関係国との協議を経て確定する予定であり、韓米両国、または五か国が北に提示する形式になると展望されている。

 ところで重要なことは、包括的接近方案に対北制裁が含まれてはならないということだ。または、その内容が北を六者協議に引き戻す誘導策になってはならず、北が受け入れて六者協議に復帰できる内容でなければならないということだ。

 今回の韓米首脳会談で両首脳は、核問題の平和的解決に合意した。そうであるなら韓米両国は、合意履行のための条件を整えなければならない。まず米国は、対北敵視政策を平和共存政策に転換し、六者協議共同声明履行のために努力しなければならない。「金融制裁と六者協議は別」という論理は成立しえない。対北金融制裁は問題解決を妨げるだけだ。それだけでなく、米国が国際法的核軍縮公約に背を向けながら、他国の合法的で平和的な核活動の権利を奪う行為も決して容認できるものではない。

 朝鮮半島をめぐる情勢が緊張している状況で、韓国政府は米国の対北圧迫政策をけん制すべき役割が大きい。南北交流・協力関係を深め、わが民族同士の力を合わせることこそ、米国に大きな圧力となる。韓米共助よりも民族共助が重要であることを、あえて強調する必要さえないだろう。

 ハバナ非同盟運動首脳会議参加国(会員国=百十八か国)は、九・一九閉幕宣言文で「朝鮮半島の恒久的な平和と安全を保障することが、朝鮮人民の共同繁栄と北東アジア、世界平和を保障するうえで重要」と認め、六・一五南北共同宣言支持、九・一九共同声明の原則と迅速で円満な履行に支持を表明した。

 朝鮮半島をはじめとする世界平和は必ず守られなければならない。

(金明姫記者)


[HOME] [MENU] [バックナンバー]