民族時報 第1062号(05.04.11)


【抗議要請書】過去史清算は政府間の約束/わい曲放置が将来に不幸を

    文部科学省への抗議申し入れ書

 文部科学大臣 中山成彬様

 わい曲歴史教科書を検定教科書としないよう求めます

 朝鮮半島と日本の間では、日本の植民地支配という過去の誤った歴史の清算をきちんと行い、韓日の友好促進と朝日国交正常化の実現を軸にした未来志向の友好関係を築くことが重要です。それはすでに九五年の村山首相談話と九八年の金大中大統領と小渕首相の韓日パートナーシップ宣言などで確認されています。また、盧武鉉大統領と小泉首相の会談でも重ねてこうした原則が明らかにされています。ところが最近の日本政府は、まったく逆の方向を向いています。それは現在、島根県議会の「竹島の日」条例の制定とわい曲歴史教科書の問題として表れており、教科書に責任を持つ中山文部科学大臣の独島(日本側では竹島)発言まで出ている状況です。

 〇一年に内外からわい曲歴史教科書だと厳しい批判を浴びた扶桑社発行の「新しい歴史教科書をつくる会」(「つくる会」)の〇五年度の改訂版は、「朝鮮の近代化を助けた日本」という章を新しく設け、植民地支配が朝鮮の近代化に寄与したとして、植民統治を美化する内容を盛り込んでいます。そこでは「日清戦争が始まった後、日本式の姓を持つことを日本政府が認める創氏改名が行われた」と記述しており、まるで朝鮮人の希望を受けて日本政府が改名を認めたようになっています。一方、二〇〇一年版にあった「多くの朝鮮人が日本に連行された」との記述を削除し、強制連行や従軍「慰安婦」についての記述を一切なくしました。

 これらは一例に過ぎず、わい曲個所をあげればきりがありません。歴史教育は過去の事実を正しく知り、それをもとに現在を探求して、未来の方向を模索するためのものです。しかし、「つくる会」の教科書に示された歴史観はそれとは正反対です。これでは韓国、北朝鮮、中国をはじめアジア各国と、和解と理解に基づく友好関係を築くことはできません。

 ところが教科書検定の責任者である中山大臣は、確信的に妄言をくり返しています。昨年十一月、「日本の歴史教科書は非常に自虐的だ。従軍慰安婦や強制連行のような表現が減ったのは大変よい結果だ」と述べました。このときは韓国などから厳しい批判があがり謝罪しましたが、一月二十九日にも「自虐的な教科書がすごく多い」と述べ、自身の謝罪を撤回しました。

 そして中山大臣は三月二十九日の参議院文科委員会で、「学習指導要領に竹島を日本の領土と明記しなければならない」と答弁しました。わい曲教科書問題と独島問題で韓日関係が騒然としていることを知りながらのこの発言は、「独島領有権と歴史教科書問題をもっとこじれさせようとする新たな挑発」(中央日報三月三十一日付社説)との指摘が的をえているといえます。

 韓国ではこうした日本の動きに反発や抗議がわき起こっており、盧武鉉大統領みずからも日本政府の姿勢に抗議し、解決を求めています。また、日本政府のこうした言動は在日同胞社会にも好ましくない影響を与えます。わたしたちは、わい曲歴史教科書が検定を通過し、さらに採択されることになれば、日本の青少年だけでなく日本学校に通っている在日同胞生徒に誤った歴史観を与えることになってしまうことを深く憂慮します。

 以上からわたしたちは、下記のとおり、文部科学省に求めます。

 一.文部科学省は韓日首脳会談で確認された日本政府の謝罪と反省の表明にのっとり、わい曲歴史教科書を検定教科書として認めないこと。

 一.中山文部科学大臣は教科書関連と独島発言を取り消し、謝罪すること。

 二〇〇五年四月四日

 在日韓国民主統一連合

 在日韓国青年同盟

 在日韓国民主女性会

 在日韓国人学生協議会


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