民族時報 第1043号(04.08.21)


【焦点】歴史性踏まえ免除の明確化必要

    在日同胞の兵役問題

 在日同胞子弟の兵役問題をめぐって韓国兵務庁は先ごろ、在日同胞の歴史的な特殊性を踏まえて、在日韓国人子弟の短期語学修学生などいくつかのケースについて救済措置を示すことを明らかにした。七月二十日から実施された。

 韓国兵務庁は五月下旬、ソウル地方兵務庁で海外韓国人団体の代表を招いて兵務行政懇談会を開き、兵務行政について意見交換した。民団は特別永住者に対する兵役免除の明確化などを求める要望書を提出していた。

 現行では、韓国籍を有する男性は兵役の義務があり、韓国から出国する際には必ず空港内の兵務申告事務所で「兵務申告」しなければならないとしている。ただし、国外で出生したり六歳以前に国外に出国した者で十八歳になるまで継続して国外で居住し、両親および本人が外国政府から国籍・市民権もしくは永住権を得た三十五歳以下の在外国民については、兵役が免除されている。

 そのため、在日韓国人二世以上の男性は、旅券に「出国確認除外対象」(在外国民二世)とのスタンプが押されている場合、韓国から出国する際、「兵務申告」から除外される(スタンプは韓国領事館の兵役担当窓口に必要書類を提示すれば、なつ印を受けられる)。

 今回の兵務庁の救済措置によると、特別永住者が「在外国民二世」スタンプのなつ印を申請する際、父母の在留資格の確認が省略されることになった。兵役が免除される特別永住者の資格は、父母のうちどちらかの在留資格が特別永住者でないと付与されないため、同スタンプのなつ印を申請する際には、父母の在留資格の確認が必要なく提出書類の簡素化が図られることになった。

 また大きな問題になっていた大学付属の語学堂在学者の場合も、「正規教育課程在学者と同様、母国修学生として」扱われることになった。「在外国民二世」に該当しない男性が母国修学のために韓国内の語学堂などに在籍する際、語学堂が正規教育課程として認められず兵役問題が発生するため、語学堂在籍者は一年だけで勉学の道を断念せざるをえないなどのケースが後を絶たなかった。現行では、正規教育課程の履修者だけが兵役を延期することが可能だった。

 さらに兵役法の抵触者には、事前戒告によって注意が喚起されることになった。大多数の在日韓国人が兵役法と施行令について知らないまま韓国内に居住しているため、兵役法施行令に抵触した男性は、三か月間の出国戒告の後、義務を賦課されることになった。

 韓国兵務庁は一方で、海外居住の兵役義務者に対して兵役の代わりに現地の在外韓国公館や政府投資機関などで一定期間働かせる方法を検討中といわれ、立法化を進めている。

 在日韓国人子弟に対する兵役義務の賦課について、各部署で見解の違いがあり、トラブルが絶えなかった。在日同胞の歴史的な特殊性を踏まえるならば、特別永住者の「在外国民二世」だけでなく、すべての在日韓国人に対して兵役免除の明確化が求められている。


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