民族時報 第1035号(04.05.21)


【取材手帳】

    5・2平和コンサート

 「ひとつ、ハルモニが杖をつくのだとチャルヂャルヂャル」。この歌は、分断前の朝鮮半島で歌われていた童謡だ。白いブラウスに黒いチマ(スカート)やパジ(ズボン)と、当時の服装をまとってハルモニ(おばあさん)や豆腐売りを身振り手振りで表現しながら歌い踊る八人の小さな歌手は、三十八度線で南北に引き裂かれた江原道の南側からやってきた。韓国民族芸術人総連合・東海支部(東海民芸総)のコッカルトンム(小学生らによる伝統童謡チーム)だ。

 「朝鮮半島の平和を願うコンサート」は二日、コッカルトンムのほかに元コッタジ(民衆歌謡グループ)の朴ヒャンミ氏(東海民芸総音楽委員長)と、ソウルから徐ギサン氏(元コッタジ)、尹ミジン氏(同)を迎えて、都内新宿区のハーモニックホールで行われた。     

 コッタジが初めて日本を訪れてから、すでに九年。今回の彼らの来日は、六・一五共同宣言によって統一時代が着実に前進していることを見せてくれた。朴氏は前日の東京朝鮮第四初中級学校への訪問を報告しながら、「以前は目と目であいさつするしかなかったのに、今回は堂々と出会うことができた」と喜びを語った。この日は第五初中級学校の生徒らが楽器演奏などを披露し、徐ギサン氏は生徒らと肩を組みながら歌った「統一アリラン」で、思わず涙でのどを詰まらせた。また、朴氏は昨年実現した韓統連の故国訪問にふれ、メンバーを舞台に呼んだ。彼らは出演者とともに統一の歌を高らかに歌った。

 「風光めいびな東海市の景色よりもっと美しい心」の子どもらは、平和と統一の喜びを実感させてくれた。しかし・・・。

 花咲く野原に/大砲を撃たないで/鳥の飛ぶ空に/銃を撃たないで/お母さんのおなかに赤ちゃんがいるの/どうかお母さんを撃たないで…(「花咲く野原を爆撃しないで」金ヨンテク作)。

 軽快な童謡の合間、コッカルの仲間が朗読したこの詩が、過酷な現実を思い出させた。粛然とした会場に、平和への決心が静かにみなぎった。

 尹ミジン氏が女子中学生れき殺事件糾弾のキャンドル集会のなかで生まれた「歌よ舞い上がれ」を歌った時に、たくさんのペンライトがキャンドルの海を再現した。私たちは自主と平和の象徴であるキャンドルの海を、より一層大きなものへと発展させなければならない。朝鮮半島に、イラクに、世界にいるたくさんのヒョスン、ミソンのために。 (徐幸代記者)


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