民族時報 第1035号(04.05.21)


【論説】国防総省が承認済みの犯罪

    「ブッシュの戦争」の汚い本質

 ブッシュ政権のイラク戦争の本質が完全に暴露された。戦争の名分だった大量破壊兵器の保有がうそだったことが明らかになると、イラク民衆の人権と民主的自由の回復のために戦争が必要だと強弁して、イラクを占領し続けたのがブッシュ政権だった。しかし、アブグレイブ刑務所で組織的に行われた米軍によるイラク人捕虜への拷問虐待は、ブッシュの主張が偽善だったことを再び証明した。

残忍な捕虜性拷問

 アブグレイブ刑務所で行われている捕虜虐待行為は、想像を絶するものだった。立たせておいて軍用犬をけしかけ恐怖を与える行為、犬のように首にひもを巻きつけて引きずる行為、数日間立たせておいて眠らせぬ行為、人が見ている前で性行為を強要、人間ピラミッド、ずきんを被せて無差別の殴打と身体への落書きなど、このような虐待がすべて全裸にさせておいて行われた。

 人間として到底耐えられない、人格を冒とくして極度のしゅう恥心を刺激する残酷な拷問が日常的に行われた。とくにイラク人女性を監房の廊下で常習的に強かんし、ついには十二歳の少女が米軍人に強かんされている。そして毒蛇にかませる拷問殺人まで行われているのだ。

 このようなイラク人捕虜に対する性拷問と虐待、過酷行為が、驚くことに米軍司令部の承認のもとに行われた組織的な犯行だったという事実だ。ワシントンポストは九日、国防総省によって承認されたと暴露したキューバのグアンタナモ米軍基地での収監者尋問の二十数種類の拷問技術が、イラクでも似たようなやり方で尋問することができるとされた指針が承認され、中央情報局(CIA)が運営するイラク内の収容施設でもこのようなガイドラインが存在すると明らかにした。

 国際赤十字社(ICRC)の報告書には、収容所に拘禁された捕虜の九○%が何の罪もなく誤って逮捕されたとの、連合軍情報将校の証言が含まれているという。また米軍当局が、捕虜虐待が表面化したアブグレイブ刑務所に対する犯罪捜査の前に調査日程を予告して、収容者の虐待事実を隠そうとしたという。

 問題はイラク人捕虜虐待に対する非難が激しくなると、ブッシュ大統領は公開謝罪をせざるをえなくなったが、「組織的な加虐行為ではなく、少数の軍人による突出行動」だとの主張を繰り返し、辞任要求が押し寄せているラムズフェルド国防長官を、かえって「立派な仕事をしている」と持ち上げて、反省の姿勢を見せていない。

捕虜虐待に非難集中

 ブッシュ政権に対する非難は国際的規模に広がっている。国連人権高等弁務官(UNHCR)室と欧州連合(EU)などは、過酷行為に対する徹底した実態調査と関連者の処罰を米国に要求している。フランス外務部は、国際人権法は時と場所を選ばないで順守されなければならないと、辛らつに非難している。またエジプト人権機構(EOHR)は米軍の犯罪行為を裁く国際法廷の設置を要求している。アムネスティ・インターナショナルはイラク人に対する拷問虐待を中立的、独立的に調査して戦争犯罪なのかを確認し、その結果を公開するよう求めている。

 米国内でもブッシュ政権を批判する声が高まっている。五月七日に開かれた米上院軍事委員会で、民主党議員らはブッシュ政権のイラク政策を厳しく攻撃し、ラムズフェルド国防長官の辞任を要求した。スティーブ・バイヤー下院議員は、国防総省が昨年、アブグレイブ刑務所に軍法務官を送るのを拒否したとし、意図的な捕虜虐待だったことを暴露した。

 ブッシュ政権は二○○二年に、戦争犯罪や反人道的な犯罪などに対する刑事責任を問うことのできる「国際刑事裁判所に関するローマ規定」(ICC)の批准を拒否し、「拷問防止のための国際協約」締結も反対した。イラク人拷問虐待行為はすでに計画されたものだったといえる。自国の利益のためには他民族に対する反人間的、反人倫的行為をためらわない米国の野蛮な本性が現れたのだ。米国はこれ以上、他国に対する人権や民主主義を論じる資格がない。

ブッシュ政権の野蛮な侵略戦争の本質が完全に暴露された以上、イラクへの韓国軍追加派兵の名分もなくなった。イラク派兵は、米軍の拷問虐殺を助ける反人倫的な犯罪行為に加担することになるからである。開かれたウリ党と民主労働党を中心に、派兵を再検討する公式提起の動きが出ているのは望ましいことである。韓米同盟関係を重視して派兵しなければならないとする国防部の論理は説得力がない。

 十九日にバクダッドで虐待に加担した米軍人七人の軍事裁判が開かれる。しかし、戦犯として処罰を受けなければならないのは、指揮したブッシュ政権である。ブッシュ大統領は侵略戦争の間違いを認めて、占領軍を即時撤収させなければならない。

 ニューヨーク・タイムズ九日付は、イラク捕虜虐待が一九○五年に日本軍が韓国人を拷問した姿と同じだとして写真記事を掲載し、「百年前と今日」との意味深長なタイトルをつけた。ブッシュ政権のイラク侵略戦争の意図を示したものだ。 (金明姫記者)


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