民族時報 第1034号(04.05.01)


【解説】国家保安法改廃に93%が賛成

    当選議員の意識状況と各党の反応

 「弾劾無効と腐敗政治の清算」を争点にした韓国総選挙(四月十五日)が終わった。改革志向の開かれたウリ党(ウリ党)が過半数を占め、進歩政党の民主労働党(民労党)が院内進出を果たした。また新人議員が三分の二に達したことで、任期四年の第十七代国会は大きく様変わりすることが予想される。今後の韓国政治をみるうえで四つの重要項目について、マスコミ各社が行った当選者への調査と、各党の政策を追ってみる。

 経済支援は九割「必要」

@イラク追加派兵。ハンギョレ新聞によれば、当選者の四六・一%が追加派兵を「再検討しなければならない」とこたえ、「決定通り維持」は四四・二%だった。新人議員が三分の二を超えていることから、国会で再決議する必要がある。

A 国家保安法の改廃。韓国日報では「全面廃止」が三二・二%、「部分改正」が六一・五%で、廃止と改正を合わせると九三・七%の高率になる。これを党別にみると、ウリ党が「全面廃止」四八・七%、「改正」四九・六%で九八・三%とさらに高くなるが、民労党は廃止が一○○%だ。またハンナラ党も現状維持は一三・四%で、八割以上が改正に同意していることから、今国会での改廃は間違いないようだ。

B 北への経済支援。東亜日報によれば、八八・三%が北朝鮮への経済支援を行うことに賛成で、対北圧迫政策を行えとするのは一一・七%にすぎなかった。このうち、ウリ党は一○○%が経済支援に賛成なのに比べて、ハンナラ党は七五・六%が経済支援を、二四・四%が圧迫政策を主張した。韓国日報では、民労党の八七・七%が支援の拡大を望んでいる。ウリ党と民労党の結束で、電力供給を含めた長期的ですばやい支援計画が望まれる。

C駐韓米軍の撤収。韓国日報によれば、五二・二%の当選者が米軍の漸進的撤収を望んでいる。このうち、ウリ党は「早期全面撤収」二・六%、「漸進的撤収」六二・一%、「現状維持」三五・三%だ。民労党が「全面」六二・五%、「漸進」三七・五%、「現状維持」はゼロ%で、民族自主の立場から米軍の撤収を望んでいる。これに比べてハンナラ党は「全面」はなく、「漸進」三九・五%、「現状維持」六○・五%で、韓米同盟を優先させる立場から米軍の駐屯が必要とみているようだ。

上の調査は、ハンギョレ新聞が四月十七日から十八日にかけて国会議員当選者二百九十九人のうち二百六十九人に電話調査した。韓国日報は十八日、西江大社会科学研究所と共同で、当選者二百七人を対象に行った。東亜日報は十六日に延世大国際学大学院と当選者二百四十三人を共同調査したものだ。

 弾劾撤回で与野が衝突

 「大統領弾劾撤回」が選挙の争点だったことを象徴するように、各党は第一声でこの問題を持ち出した。ウリ党と民労党は「十七代国会の開会前に弾劾問題を解決しよう」と、ハンナラ党に代表者会談を提案した。これに対して、ハンナラ党の朴槿恵代表は「憲法裁判所の審判結果を受け入れよう」として、会談の議題になることを避けている。

 各党の国会対策がどうなるか。三党の政策が総合的に出ていないので、これまで報道された内容を整理してみる。まずウリ党は、単独で過半数を占めたために、改革政策をどの方向に、どの程度の強度で進めるかに関心が集まっている。青瓦台(大統領府)とウリ党の高位関係者は、参与政府の改革作業を迅速に推進にするとしている。しかし社会的に敏感な事案に対しては、政策の方向がはっきりしていない。

 例えば、国家保安法や対米自主の問題では、三八六世代(若手の改革派)出身の当選者と一部重鎮の間で意見の違いが表面化している。 鄭東泳議長は二十三日の記者懇談会で「民生優先主義」を打ち出した。敏感な懸案事項の処理を急げとする勢力との調節が当面の課題だ。

 結成四年目に院内進出を果たし、しかも第三党になった民労党は、今総選挙の最大の話題と成果を収めた。しかし総勢十人の議員では院内交渉団体の資格がなく、富裕税の新設などハンナラ党だけでなくウリ党も賛成が難しい議案を、院内でどのように通過させるかが現実の問題になってくる。また固いイメージの脱皮も課題だという。

 権永吉代表は二十三日、外信記者クラブの討論会で「民労党代表の資格で訪北し、金正日国防委員長と会って朝鮮半島の平和体制の構築を論議する」と述べた。六・一五共同宣言の「わが民族同士の精神」の実践が政党の浮沈を握る鍵になっていることを表している。

 古い地域主義にしがみついて第二党を維持したハンナラ党も、民意に合わせようと二十三日、綱領を「互恵的相互主義に立脚した柔軟な対北政策」を志向すると大きく変更した。対北強硬姿勢では国民の支持を得られないと考えたようだ。これは投票日の数日前、朴槿恵代表が北朝鮮を訪問して金正日国防委員長と会談すると発表したことと関連している。しかし、朴代表自身は国家保安法の廃止に反対し、党内に対北制裁論者を抱えているだけに、綱領修正だけで危機状況を乗り越えられるかどうか疑問だ。  (梁珠賢記者)


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