民族時報 第1033号(04.04.21)


【論説】

    日本政府は朝日国交正常化に乗り出せ

 日本の地裁が小泉総理の靖国神社参拝は「違憲」だとの判決を宣告した。福岡地方裁判所は七日、九州・山口の市民と在日同胞ら二百十一人が総理と国家を相手に出した損害賠償請求訴訟で、「総理の靖国参拝は憲法第二十条第三項に違反する」と判事した。判決文では「総理の参拝は合憲性に対して十分な国民的論議なしに行われ、憲法が禁止した宗教活動に該当する」「総理は憲法上の問題や外国からの批判があることを周知しながらも、信念と政治的意図に基づいて参拝した」と指摘している。このような違憲判決は二月二十七日の大阪地裁に続いて二回目である。

総理の靖国参拝は違憲

 しかし小泉総理は、再び違憲判決が出ようが、隣国政府と民衆が何を言おうが、靖国神社参拝はこれまでの立場を続けていくと平然と述べている。

 なぜそうなのか。彼の本心がどこにあるのか、もう一度正確に推し量ってみなければならない。小泉政権が出発しながら、日本には軍国化の風がいっそう強まった。その原因は小泉政権が軍国主義の完全復活と対外膨張を国家目標として打ち出し、それを強力に進めていることにある。有事法制定、武力増強、海外派兵、憲法改定の推進などが急速度に進められた。しかし、軍国化は制度の整備と武力増強だけでは足りない。軍国主義思想による国民の精神武装が必要である。小泉総理の靖国参拝は、まさにこれを念頭においた行為なのである。

 日本は、軍国化して戦争のできる国に変わっていく過程で、過去の清算問題は投げ捨ててしまった。なぜならば、日本の軍国化路線と過去清算問題は互いに相反するからである。侵略と戦争被害国の立場で、過去の清算問題は加害国によって踏みにじられた民族の尊厳を取り戻し、再び侵略せず主権を尊重するとの約束を引き出す意味を持つ。そのため、過去清算は平和のためにも必ず解決しなければならない問題である。

 来年は日本が敗戦して六十年で、武力で朝鮮を奪った乙巳条約の締結百年になる。朝鮮半島に対する過去清算は、これ以上引き延ばすことのできない日本政府の課題になっている。

平壌宣言の精神に戻れ

 韓日関係でも、元日本軍「慰安婦」問題をはじめ急ぎ解決しなければならない問題が多く残っている。とくに北朝鮮に対する過去清算は六十年間放置されたままだ。過去、日本は自らの欲望を満たすために朝鮮を武力で植民地にし、民族の自主権を奪って経済、社会、文化のあらゆるものを略奪した。また数百万人の民衆を強制的に連行し、虐殺する蛮行を働いた。ところがこれに対する反省どころか、むしろ軍事大国化の道を選んだのである。軍事大国化は対外膨張、すなわち侵略戦争につながるのである。

 歴史的な朝日首脳会談とピョンヤン宣言を発表して一年半が過ぎた。ピョンヤン宣言では朝日間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決して、政治、経済、文化的関係の樹立が双方の基本利益に合致し、地域の安定に大きく寄与するとの共通の認識を確認した。また国際法を遵守して互いの安全を脅かさないことも確認した。さらに東北アジアの平和と安定を維持、強化するために協力することも誓った。朝日両国の非正常関係のなかで発生した問題などに対しては、適切な措置をとることも確認した。

 ところが、日本政府は両国間でむすんだ国際的約束はどこ吹く風と、対北制裁に必死である。米日協調で対北圧殺政策を強化し、特定船舶入港禁止法案や改定外為法の制定などで対北経済封鎖と人権じゅうりんを行おうとしている。こうした不道徳で非理性的な姿勢は、だれからも支持されないことを日本政府は知らなければならない。

 過去清算は侵略の加害国が当然に行わなければならない責務である。その方法はすでに朝日両首脳が確認しあっている。ピョンヤン宣言の基本原則と精神にしたがって、一日も早く国交正常化交渉を再開しなければならない義務が、小泉総理にあるのだ。いつまでもアジアを支配した過去に恋々として靖国神社を参拝するのではなく、不幸な過去を反省して国交を正常化させなければならない。そうしたとき、両国の先鋭な政治軍事的緊張は溶解し、東アジアの平和と安定にも大きく寄与することになる。

 朝日ピョンヤン宣言の精神に背く経済制裁、物資の往来と人的交流を遮断する対北制裁法は、即時廃止しなければならない。国交正常化も、過去清算も、ら致問題の解決も、ピョンヤン宣言を遵守することで得られるのだ。

(金明姫記者)


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