民族時報 第1027号(04.02.01)


【解説】米国の対北圧殺行動に追従

    対北経済制裁法ー日本政府の狙い

 日本の対北朝鮮敵視政策がいっそう露骨化している。小泉首相は十九日の施政演説で、対北関係について「対話と圧力」を強調したが、自民党など与党はもっぱら集中的な対北圧力の強化、制裁をめざして余念がない。

 まず問題なのは、自民党の一部議員が立案して公明、民主両党議員に呼びかけ、二月上旬にも国会成立をめざしている、対北送金停止と輸出入禁止を可能にする外為法(外国為替法・外国貿易法)改定案である。現行外為法では国連決議があるが、日本を含む二国間合意があって初めて改定が可能となっているのを、日本独自の判断で強行しようというのだ。

 すなわち、改定案は「わが国または国際平和、安全の維持のために、特に必要がある時は、対応措置を閣議決定する」という条文を追加することによって、日本独自の判断で対北送金、貿易を規制、停止できるように経済制裁を強化する法的措置である。

 そのうえ、これまでは過剰で不当な検査によって万景峰号の入出港を阻害してきた日本当局が、今度は自民党を通した「特定外国船舶入港禁止法案」を制定することによって、全面的な入港禁止を実施しようとしている。その口実(制定理由)もまた、日本の「平和および安全の維持」である。

 さらに、在日同胞を対象とする永住外国人の「再入国禁止法案」を準備している。これはいわゆる「拉(ら)致議連」が進めているもので、「政府を暴力で破壊することを企てる者等」の再入国を禁止するというものだが、万景峰号や空路などで北を訪問した在日同胞の日本再入国を封じ込める狙いだ。

 だが、こうした日本側の企図は国連憲章や国際法規、人道に反する不当極まりないものだ。これは、日本のマスコミも指摘しているように、カネ、モノ、ヒトの対北交流を全面的に阻止・封鎖することを狙っている。国連憲章や海洋法、港湾法などや国際慣例では、船舶や航空機の安全な通行を保証しており、入港に関する不平等な取り扱いを禁じている。ましてや戦時でもなく、国連決議もないのに、主権国に対して経済制裁を加え、封鎖するのは国際法規への明白な違反であり、主権侵害である。在日同胞の親せき訪問や修学旅行などの絆となっている万景峰号の入港禁止も人道に反する。ほかの船舶にしても、通常の平和な交易船である。そのため北側も「米国に追従した包囲網づくり」と非難している。

 日本は最近、とみに右傾化を強めており、「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」という米国の要求に追従し、憲法九条に反して戦争状態が続いているイラクに陸海空自衛隊を派遣しようとしている。のみならず、米国が推進している大量破壊兵器防止構想(PSI)の「有志連合」の一員として、率先して対北封鎖行動に加わり、万景峰号の入港阻止や対北輸出の規制を強化してきた。今回の法制定の動きも、米国の対北封鎖・圧殺行動への追従にほかならず、軍事大国化の一環である。

 日本当局は、こうした対北敵視政策の強行に関して、「核、ミサイル、拉致問題に対する対北圧力」であると公言している。しかし、核問題では六者協議があり、拉致問題など日朝関係については二〇〇二年九月のピョンヤン宣言がある。小泉首相が直接署名して公表されたピョンヤン宣言で、朝日双方は過去の清算、国交正常化、経済協力、アジアの平和と安定についての共通認識を確認している。朝日間の不正常な関係のもとで発生した拉致問題については、北側が再発防止を約束した。拉致問題に関しては、最近北側が、帰国した拉致被害者五人が約束どおりピョンヤンに戻り、家族を説得して連れて帰ることを提案したと報じられたが、日本側はこれに応じないでいる。

 日本当局は核、拉致問題などで反北世論をあおり、それを口実にして対北敵視政策を強める手法で、長い間準備してきた海外膨張政策、軍事大国化を実現しようとしている。

 こうした日本側の対北敵視政策、軍事大国化の動きはアジアに不和と対立をつくり出すものとして憂慮されている。日本当局は対北敵視の立法措置を取りやめ、朝日問題はピョンヤン宣言の履行によって対処すべきである。  (金恩澤)


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