民族時報 第1027号(04.02.01)


【論説】露骨な世界支配の野望

    ブッシュ大統領の一般教書演説を批判する

 イラク侵略戦争で世界の平和秩序を混乱させてきた米ブッシュ大統領は一月二十日、上下両院合同議会で今年の施政方針演説を行った。ブッシュ大統領は演説で、北朝鮮と関連して「米国は世界で最も危険な政権の手から、世界で最も危険な武器を取り上げるよう努めている」として、北朝鮮を「世界で最も危険な政権」と規定した。また「該当地域の国家などといっしょに北朝鮮の核プログラムを除去するよう要求している」としながら、多者間の外交協議で核開発計画の廃棄を要求していくと述べた。

昨年の演説では北朝鮮を「無法政権」とし、一昨年は「悪の枢軸」と規定したのに続いて、今年は「世界で最も危険な武器」を保有している危険な国とば倒したのだ。

ブッシュ大統領はまた、イラク戦争と関連した国際的な批判に反論しながら、「イラクで大量破壊兵器に関する多くのプログラムを確認した」とし、「われわれが行動しなければ独裁者による大量破壊兵器開発計画は今日まで続いていた」と、侵略戦争の正当性を強調した。またブッシュ大統領は厚顔無恥にも「米国は世界を支配しようとする欲望もないだけでなく、帝国主義に対する野望もない。われわれの志向は人間の尊厳と権利を基盤にする民主的な平和にある」との奇弁を並べたてた。

露骨な対北敵対意識

ところが最近、米中央情報局(CIA)特別顧問のデビッド・ケイ氏は一月二十八日、米上院軍事委員会公聴会で、「イラクに大量破壊兵器は存在しなかった」と明言して、ブッシュ大統領の主張を正面から否定した。ケイ氏はイラク戦争終結後、八か月にわたってイラクで大量破壊兵器の有無を調査してきた最高責任者だ。(同月二十三日辞任)ケイ氏は、昨年三月のイラク戦争が始まった段階で、生物・化学兵器など大量破壊兵器を保有していたとの米情報機関の分析は間違っていて「証拠はいっさいなかった」とし、「アルカイダなど国際テロ組織と大量破壊兵器を共有した」との証拠もなかったと証言した。ブッシュ政権が開戦の最大根拠とした「大量破壊兵器の武装解除」は、兵器が存在しなかったとの証言でイラク侵攻の正当化の根拠が完全に崩れたのだ。

イラク戦争と関連してオニール前米財務長官は最近、彼の著書で、兵器の存在いかんに関係なくブッシュが執権初期から「フセインは悪いやつだから追い出すつもり」だと述べたと明らかにした。また米国防総省傘下の陸軍大学にある戦略問題研究所が編集した研究論文でも、「ブッシュ政権の対テロ戦争は目標が不明確であり、イラク侵攻は不必要だった」と、対テロ戦争とイラク戦争を批判してブッシュ政権の侵略性を裏づけている。

強大な軍事力を背景に、ありもしない大量破壊兵器の武装解除を名分にしてイラクを侵攻したブッシュ大統領の卑劣な世界制覇野望は、いまや完全に露呈した。米国が核問題を口実に、根拠のない虚偽の情報をねつ造して対北圧殺政策をとっているという事実を、われわれはイラク戦争から読み取ることができる。

大量破壊兵器存在せず

ボルトン米国務次官は、三月末までに北の核問題で進展が見えなければ、「北に対する大量破壊兵器の拡散防止構想の全面発動と国連安保理への回付など、強行策をとる方針」だと脅した。

北朝鮮は昨年十二月に、核問題の平和的解決のために朝米両国の同時行動原則を提示している。それは第一に、米国が重油提供の再開と食糧支援の拡大を行うと同時に、北は核計画の放棄意思を宣布する。第二に、米国が不可侵を書面で保証し電力損失を補償すれば、北の核施設と核物質に対する凍結と査察を許可する。第三に、朝米、朝日外交関係の樹立と北のミサイル問題を解決する。第四に、軽水炉の完工と北の核施設解体の四段階同時行動の原則だ。また北は、第二回六者協議で北が核活動を凍結する代わりに米国がテロ支援国名簿から北を削除し、北に対する政治、経済、軍事的制裁と封鎖の撤回、周辺国のエネルギー支援措置がなされる場合、協議継続の基礎が作られると提案している。

施政演説で多者間の外交協議の意思を明らかにしたように、米政府が真に核問題を解決する意志があれば、北の提案に耳を傾けて誠実に対応しなければならない。

ブルース・カミングス・シカゴ大教授は最近、彼の著書で「米国は、一面では理解できる北の脅威をふくらませ、北朝鮮を取り巻く内外の危機を作り出している」と批判して、ブッシュ政権を「(北朝鮮より)もっと邪悪な悪魔」(ニューヨーク・タイムズ一月二十四日付)としんらつに批判した。

イラク戦争が、国際的な承認もなく米英両軍が一方的に先制攻撃をした侵略戦争であることが白日のもとに明らかになった。いまや米国はこれ以上、ありもしない核兵器や大量破壊兵器などの存在を名分に他国を侵略する蛮行を行うことができなくなり、正当性を主張できなくなった。まして北朝鮮に対して、イラクと同じ方法は通用しない。

米国はいまや国際社会に、イラク戦争はブッシュ大統領が情報を操作して起こした侵略戦争であることを率直に認め、謝罪しなければならない。また自分の好みに合わないからと、根拠のなく他国に対して圧力を加えたり、敵対・圧殺政策をとってはならない。   (金明姫記者)


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