民族時報 第1012号(03.07.21)


【資料】

    「北の核問題」− 参与政府の役割が重要(下)

李ゲファン 統一ニュース編集局長

だが二か月を過ぎても、北朝鮮と米国のどちらからも公開されず、その内容に関心が集まっているのは事実だ。ところで「四段階同時履行」になっているという寛大な提案は、その内容も重要だが、それ以前になぜ北朝鮮と米国のどちらも内容を公開しないのかという点も看過できない。

推測だが、提案を受けたブッシュ政権が、非公式には拒否するとか検討する時間がもっと必要だと言いながらも、結局その内容を公開しない理由は、その提案が持つ公正性と合理性のためであると見られる。どんなに米国が一方主義を行使しても時と場所が必要なので、合理的な内容を公開しながら、それを拒否するには負担が大きいという点だ。これは逆に、寛大な提案がいつか協商のテコの役割をすることもあることを示唆してくれる。

北朝鮮もやはりブッシュ政権が時間を引き延ばしながら拒否をうんぬんしても、その提案を公開しなかった。その理由は、提案を実質的に米国との対話のカードにしようとしたためと思われる。カードは見せないときに意味がある。万一、北朝鮮が内容を公開して、ブッシュ政権がなぜこのような合理的な案を拒否するのかと言いながら糾弾すれば、すぐには利益になるかもしれないが、決定的に重要なカードのひとつを失うことになるだろう。

したがって、両国は寛大な提案を置いて、高度なかけひきと名分争いをしていると見られる。いずれにしても、このようないくつかの対話提案が現象としてあらわれているブッシュ政権の対北圧迫政策を無力化させることはできないが、それでも平和的な解決方法をめぐって競い合っているという点だけでも、対北戦争の可能性が明らかに低める価値がある。

参与政府の役割

このように寒冷前線と温暖前線が互いに衝突している時期なら、当然、第三勢力の役割、すなわち南側の参与政府の役割がどの時よりも重要になるのも道理だ。明らかなことは、韓国が反対するかぎり、ブッシュ政権が北朝鮮と戦争を引き起こすのは決して容易ではないという点だ。そうであるならば、参与政府の役割は明確になる。

盧武鉉大統領は五月のブッシュ大統領との韓米首脳会談で、「北の核の平和的解決」原則に合意し、また大多数の人々が憂慮している「追加的措置」に対して「協商で硬軟両面のカードはいつも論議される手段」だけだと、あえてそれを無視した。それならば、いまや盧大統領と参与政府は北の核問題の解決で大きな枠では「平和的方法」を維持しながら、そのつど表れる非平和的で戦争要素的な事案には、即時に制動がかけられなければならない。

まず、韓米首脳会談後に飛び出した対北「海上封鎖」うんぬんは、その時期や内容で見るとき、「追加的措置」との誤認を受けるのはすぐわかる。では、参与政府はこれに対してはっきりと線を引かなければならない。そして、その境界線はすでに提示されているようだ。参与政府は金大中前大統領が六月十五日のテレビ出演で明らかにした「(対北封鎖政策に対しては)戦争へ向かう危険があり、封鎖政策をとって成功したことはない」という水準の立場を、米側に断固として伝えなければならない。

また、軽水炉建設事業は朝米対話再開のための最後のつっぱりである。ブッシュ政権の軽水炉中断方針とは違い、日本は即時的な軽水炉事業中断に負担を負っているといわれている。日本はやはり、軽水炉事業への投資費用とともに、昨年九月の朝日修交を含めた「ピョンヤン宣言」を意識せざるをえないようだ。参与政府は軽水炉事業に利害関係をともにしている日本側とともに、米側の軽水炉中断に強い制動をかけなければならない。

とくに注目すべきことは、丁世鉉統一部長官の「同時行動(履行)」提示である。丁長官は先月三十日のラジオとのインタビューで、北の核問題をめぐって米国の「先核放棄」と北の「先体制保証」の主張がぶつかっていることに対して、「問題はどちらがまず行うかということだが、この場合、互いに退路がなく、同時措置で解決しなければならないと考える」とし、それなりの解決法を明らかにした。これは方法も妥当だが、それより米側の顔色を見なかったという点で、これから参与政府が米国に「言うことは言う」ひとつの規範になるだけのものはある。

参与政府は、北の核問題解決の平和的方法という大きな枠を維持するなかで、このようにブッシュ政権の「対北海上封鎖」や「軽水炉建設中断」など具体的な懸案に反対する立場と自身の声を明確にしなければならない。それがブッシュ政権の対北圧迫政策と一戦の構えを緩和、阻止させることであると同時に、それほど難しくも不可能でもない意味での民族協調の道である。(おわり)


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