民族時報 第1012号(03.07.21)


【論説】

    米国の対北封鎖策動は戦争への道

 対話だけが平和解決に直結  強硬姿勢に周辺国も不快感

 北朝鮮の核問題を討議した四月の北京三者会談が開かれて、三か月が過ぎようとしている。ところが米国は、北朝鮮が提示した包括的な解決案に対して真しな検討を回避したまま、北朝鮮に圧迫と封鎖をさらに強化することで、朝鮮半島の軍事緊張を日ごとに高めている。米政府の悪らつな対北敵視政策を見れば、彼らがいう「平和的解決」は単なる言葉の遊びにすぎず、ブッシュ政権こそ地球上でもっとも好戦的な集団であることを、再度確認することができる。

事実上の宣戦布告

 米国は先月初、主要八か国首脳会議(G8)サミットで「大量破壊兵器拡散防止網」(PSI)の必要性を本格的に提示した後、六月十二日のマドリードでの十一か国会談と十八日のASEAN地域フォーラムを通して、その内容をより具体化した。この構想は、イラク侵略戦争で味を占めた米国が次の目標として北朝鮮とイランに狙いを定めて作成した挑発的な圧迫・封鎖戦略であることはいうまでもない。「麻薬と大量破壊兵器の不法取り引き遮断」を口実に両国の船舶と航空機に対する捜索を強化し、場合によってはだ捕するという強盗的な手法である。

 米国、英国、オーストラリアなど十一か国の国防高官らは今月十日、ブリスベンで第二回PSI会議を持ち、大量破壊兵器の輸出を遮断するための合同軍事演習を十月中に行うと合意した。しかし米国が一方的に事態を緊張させていることに、参加国の中にも憂慮と反対が少なくない。参加国は北朝鮮やイランと不必要な摩擦を起こす素地があるとして、船舶を停船させ臨検などの作戦を実行しないことにした。また、不法取り引きと関連した措置が既存の国際法に違反してはならないことも再確認したという。

 周知のように、世界でもっとも多くの大量破壊兵器を製造し、保有しているのは米国であり、また大量破壊兵器の最大輸出国も米国である。そのような米国が北朝鮮とイランの武器販売を遮断すると大騒ぎするのは、ヘソが茶を沸かす話である。

米国は昨年十二月九日、イエメンに向かっていた北朝鮮の貨物船ソサン号を「ミサイル運搬船」だとの理由を付けて一時だ捕し、あわてて釈放する外交的な大恥をかいたこともある。イエメン政府の言葉どおり、ミサイルの輸出入は国際法的に何ら問題にならない取り引きであり、イエメンは北朝鮮から武器を購入する権利がある。北朝鮮は契約にしたがって武器を購入した国に運搬しているだけなのに、米国は的外れな理由を挙げて主権国家の船舶を強制的に停船させ臨検したが、これは重大な国際法違反であり、海賊行為と変わらない蛮行である。

 米国は第二回会議で、大量破壊兵器を積んだ船舶をだ捕するための多国籍軍の創設を画策したが、これに対しては開催国のオーストラリアさえ同意しなかった。ところが、米国のこのような無謀な対北封鎖作戦に日本政府が先頭になっており、団体の所属を越えて広範な在日同胞が怒りを抑えられないでいる。米国が主導するPSIは、すでに日本で万景峰92号とスヤンサン号など北の船舶に対する規制強化と入港拒否の措置を通して、実行段階に入ったと見なければならない。

米国と日本は、大量破壊兵器の拡散防止を口実にいま行っている対北敵対政策が、取り返しのつかない惨事を招くとの事実を看過してはならない。これは朝鮮民主主義人民共和国に対する事実上の宣戦布告であり、朝鮮半島の戦争危機をどのときよりも高める無謀な挑発行為であることを知らなければならない。

米国は対北協商に臨め

 一方、米政府は「北が使用済燃料棒の再処理を終え、核兵器開発のための起爆実験も過去に実行したことがある」など未確認情報をメディアで意図的に流し、「北の脅威」を強調するのに必死になっている。これを通して、イラクに行ったように国連安保理で対北非難声明を採択しようとするのだ。しかし、「北に圧力を加えるための国際社会の広範な支持を得た」とのパウエル国務長官の豪語とは違って、中国とロシアなどの反対で安保理議長声明を採択しようとの米国の破廉恥な策動は失敗した。韓国政府の関係者も、今回の米国のマスコミ報道が、南北閣僚級会談がソウルで開かれているのを狙って出したことに対して不快感を隠していない。

問題を平和的に解決しようとする南北政府間の対話をじゅうりんする米国のごう慢な姿勢は、わが民族に対する露骨な挑戦にほかならない。

 米国は、北に対する圧迫と封鎖が何ら解決にならず、戦争の危機を高めるだけとの事実を肝に銘じなければならない。米国政府が真に大量破壊兵器の拡散防止を望むならば、ただちに北との協商に臨まなければならず、北が提案した包括的な解決案に対する誠実な回答を会談の席で出さなければならない。 (漢拏山記者)


[HOME] [MENU] [バックナンバー]