民族時報 第1011号(03.07.11)


【資料】

    「北の核問題」― 参与政府の役割重要(上)

注目される北の「寛大な提案」 米側はいまだ明確に答えず

イ・ゲファン(統一ニュース編集局長)

いわゆる「北の核問題」をめぐる朝鮮半島に最近、寒冷前線と温暖前線の二つの前線が重なっている。単純化すれば、寒冷前線は主に米国側によって作られており、温暖前線は北朝鮮と周辺の対話論者の間で形成されている。

前者は朝鮮半島を緊張と危機局面に追いやっており、後者はこれを対話と協商局面に変えようとする。二つの前線が覇を競うならば、当然、第三勢力の役割に期待をかけるようになる。いま「北の核問題」と関連して、南側の「参与政府」の役割がどの時よりも重要になっている。

ブッシュ政権の対北圧迫

米国は二〇〇一年初めのブッシュ政権登場以来、これまで北朝鮮とただの一回も対話らしい対話をしていない。昨年十月に訪北したケリ―米特使の実質的に初の朝米対話で、いわゆる「北の核問題」が引き起こされた。そしてその問題を解決するための四月末の北京会談で、北朝鮮は米国に「新たな寛大な解決方法」を提示した。

ところが二か月が過ぎた現在、ブッシュ政権はいまだに明確な返答をしていない。ブッシュ政権は何かもくろみがあるのだろうか。北朝鮮との戦争を決心したのだろうか。違うのか。それもこれも違うのなら、時間稼ぎをしているのだろうか。最近の米国の行動は、「時間稼ぎ」でなければ対北戦争の「名分さがし」との疑いが濃い。ひと言で言うなら、北の核放棄を狙った対北圧迫の水位を高めているのだが、それは戦争も辞さずを叫んでいるようだ。その兆しがブッシュ政権によって多様な形態で現れている。

ブッシュ政権は、すでに同盟国の韓国と日本との首脳会談を通して、北の核問題の解決で「追加的措置」と「強硬な措置」という合意を得ている。またG8首脳会談とEU首脳会議、そしてASEAN安保フォーラムなど、主要な国際会議をこまめに回っておせっかいをし、北の核開発計画の中断を要求する声明を出させ、北の核問題を国連安保理に送るなどと言いながら国際化、世論化している。米国が北の核問題を国際化、多者化すること自体が、二国間の問題とする北朝鮮に対する強力な圧迫手段となる。

具体的な指示と行為もある。オーストラリアと日本が麻薬密売と安全検査などを理由に、北朝鮮の船舶に対する海上封鎖の先頭に立っており、とくに米国は軽水炉建設事業の一方的中断を強く示唆している。すでに昨年末の米国による対北重油供給中断の決定以来、それでも軽水炉事業は「糸の端にぶら下がっている状態」ではあるが、朝米基本合意書のひとつの象徴となっている。

ところで軽水炉事業まで中断されれば、糸は断ち切れ、基本合意書は完全に破棄の道へと入っていく。結局、北の核問題が国連安保理に送られ、軽水炉事業が中断されれば、いまの北の核問題をめぐる朝鮮半島情勢は、一九九四年の「第一次核危機」に並ぶ「第二次核危機」と呼ばれるほどの状況がやって来る。

いくつかの対話の模索

幸いなことは、このような渦中でも朝米対話を求めるさまざまな提案が出ているという点だ。まず五月末に訪北した米共和党のカート・ウェルダン下院議員が、北朝鮮に二段階十項目の朝米関係改善案を提示したと知られている。これは共和党内の有力な政治家の立場という点で、ブッシュ政権がまったく無視はできないという分析も可能だ。

また日本は先月十三日、韓米日対北政策調整監督グループ(TCOG)で「北朝鮮と対話を継続するためには、韓米日三国の代案を提示しなければならない」とし、日本の独自案をいったん提示したが、その重要内容は「北朝鮮の核兵器開発放棄に対する韓米日の対北不可侵確約」などが入っていたという。日本の独自案がやはり朝米間対話を基本においているのは当然だ。

とくにもっとも目をひくのは、最近ある日本のマスコミで紹介された、北朝鮮が北京会談で米国に提議したという「寛大な提案」の内容である。もちろん、その内容が原文と合致しているかどうかの確認はできない。(つづく)


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