民族時報 第1011号(03.07.11)


【記事1】

    大阪で平和と統一のためのコンサートが盛大に

 「朝鮮半島に平和と統一を」 500人の観客から熱い拍手

 「戦争から平和へ、分断から統一へ、私たちの手で……」をテーマに、「六・一五南北共同宣言三周年記念―平和と統一のためのコンサート」が六月二十九日、大阪市中央区のドーンセンター大ホールで開かれ、在日同胞や日本の市民、学生ら約五百人が参加した。朝鮮半島での戦争の危機が日増しに高まるなかで、六・一五共同宣言の意義を再確認し朝鮮半島の平和を訴えようと、在日韓国民主統一連合(韓統連)大阪本部(李鐵代表委員)が主催した。(投稿は下記)

 李代表委員は主催者あいさつで「米国のブッシュ政権は北朝鮮に対して強硬姿勢を継続し、軍事緊張を高めている。一方で日本は有事法制を成立させて、米国の戦争政策の強力な同盟軍として自衛隊の海外派兵に積極的に乗り出している」と指摘し、「一日も早くこのような危険な状況から抜け出し、みんながともに平和な時代を作れるよう、きょうのコンサートで表現していきたい」と述べた。

 コンサートの第一部として、韓統連と韓青、学生協のメンバーによるアンサンブル「同胞、夢、そして祖国」が発表された。アンサンブルは「分断時代から統一時代への在日同胞のメッセージ」をテーマに、米国のイラク侵略戦争の悲惨さと朝鮮半島の苦難の歴史、六・一五共同宣言を契機に湧き上がる朝鮮半島の統一への歩みと平和への希望を、詩の朗読やナレーション、歌と映像で鮮明に表現した。メンバーの熱心な演技に会場から惜しみない拍手が送られた。

 第二部は、在日コリアン二世の李政美さん(シンがソングライター)がコンサート「希望の歌うたいながら、さぁ船をこぎ出そう」を開き、韓国で歌われている「ホルロアリラン」やオリジナル曲「京成線」など八曲を、美しい歌声で歌いあげた。

 また特別出演として韓錦玉さん(ソプラノ歌手)が「懐かしい金剛山」「鳳仙花」などを歌ったほか、東大阪朝鮮中級学校合唱部のメンバーが「ハナ(ひとつ)」と、朝・日・英語による「翼をください」を披露した。

 

投稿・6・29コンサートを振り返って

六月二十九日。「平和と統一のためのコンサート」は、五百人の会場を埋め尽くした観客の熱い拍手で幕を閉じた。

今回のテーマは、大きく二つ。一つは、イラクを侵略したブッシュ政権によって朝鮮半島の戦争の危機が高まりつつあり、第二の朝鮮戦争は絶対に止めなければならないということを強く訴えること。

もうひとつは、長引く不況に加え、ら致問題を中心とする「反北朝鮮」キャンペーンで、重苦しい雰囲気にある在日同胞社会、在日同胞に、元気と統一への希望をあきらめずに持ってもらおうということであった。

アンサンブルの総責任とシナリオを任されて、まず悩んだのは朝鮮戦争の悲惨さをどう表現しようかということであった。当時の映像に、ナレーションを日誌風にいれ、重厚なオーケストラ曲を流して再現しようと試みた。各担当者がそれぞれの持ち場で努力してくれた結果、効果的な演出ができたと思う。

アンサンブルはナレーションと歌(伴奏)と映像(スライド)で構成される。

ナレーションが長くなれば観客は疲れるし、歌が多すぎると単なるイメージで終わってしまい、そのバランスが難しい。今回、統一問題に加えて、ら致事件と朝日国交正常化の問題も入れたためにナレーションが長くなり過ぎてしまったが、ピアノ伴奏者をはじめ出演者個人の技量の高さに助けられ、何とか無難に仕上がった。あらためてメンバーの技量の高さを実感した次第だ。

朝鮮戦争の資料を集める過程で、初めて知ることが多くあった。駐日米軍史上、最大の犯罪である小倉事件もその一つで、事件を松本清張が小説「黒地の絵」で発表していることも初めて知り、五十歳になって新しい発見をする貴重な経験をさせてもらった。

コンサートには、友情出演として東大阪朝鮮中級学校の合唱部、特別出演としてソプラノ歌手の韓錦玉さん、そして第二部には李政美さん(シンガーソングライター)が出演し、花を添えてくれた。それぞれ特色あるすばらしい歌声を披露してもらい、非常に好評であった。これを機会に、これからも友情の輪を一層広げていきたい。

当日、心配したのは動員だったが、満足いくほどに盛況だった。一枚一千円のチケットを、みんなが足をすり減らした結果のたまものだ。

コンサートを通して、厳しい時代とはいえ、運動する側が創意工夫して魅力ある行事を設定し、熱意を持って訴えれば、人は必ずこたえてくれるということを確信した。

最後に、今回のコンサートにかかわったすべての人に感謝の言葉と、シナリオの最後の一節を送って結びとしたい。

希望とは、未来を切り開こうとする、私たちの強い意志です。

希望を失えば、夢は消えます。

夢は、必ず実現します。

(金隆司・韓統連大阪本部副代表委員)


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