【主張】10・4宣言を守り履行せよ

 「南北関係の発展と平和・繁栄のための十・四宣言」(十・四宣言)発表から一周年を迎える。十・四宣言は、六・一五共同宣言を積極的に具現していくことを再確認し、朝鮮半島の平和を構築し、南北の均衡ある経済発展のために協力事業を具体的に強化することなど、民族の将来にとってきわめて重大な意義をもつ歴史的な宣言である。昨年、南北首脳会談のためにピョンヤンに向かう盧武鉉前大統領が車を降りて、徒歩で軍事境界線を越えた。映像でそれを目撃した国内外の同胞らの熱い感激は、いまだに冷めていない。それは南北の和解と統一を確信する瞬間だった。また米国、日本をはじめ世界の国ぐに十・四宣言を歓迎した。十・四宣言が順調に履行されていたなら、朝鮮半島の統一と平和、和解は、かつてなく前進していたに違いない。

  しかし李明博政権の登場によって、十・四宣言の履行は完全に停止し、わが民族をはじめ、世界の人びとを失望させている。十・四宣言の履行停止の原因は、ひとえに李政権の否定的な姿勢にある。たとえ政権が交代しても、大韓民国政府の継続性は最重要事項として守られなければならない。とくに分断の克服を至上課題とするわが民族の場合、困難をへてなしとげた南北の合意と事業は、継承を基本にしなければならない。しかし李政権は、発足期から十・四宣言を認めず、最近は宣言履行には多額の財源が必要なので、不履行やむなしと判断しているという。だが、問題の根本はそんなところにはない。問題は、李政権に十・四宣言を誠実に履行しようとする意志があるのか、ないのかなのだ。

 李政権は不履行ありきの理にあわない弁明はやめて、十・四宣言の誠実な履行を明確に表明しなければならない。十・四宣言の履行を前提に南北で話し合えば、計画の修正などはいくらでも可能だ。ましてや、十・四宣言には経済協力問題のみならず、朝鮮戦争の終結宣言などの平和体制構築問題、それと密接に関連した「西海平和協力特別地帯」の設置問題、民族同士の相互協力による人道問題の解決など、切迫した課題の解決方途が示されている。宣言の履行をためらう必要など、どこにもないのである。

 深刻なのは、李政権の統一問題に対する間違った姿勢とビジョンの欠如だ。南北は異なる理念と体制で運営されている。それを理由に、相手を誹謗(ひぼう)中傷したり、威嚇(いかく)したりしてはならない。ましてや北側の崩壊を想定した韓米合同軍事演習など論外である。それは南北関係をさらに悪化させ、外勢の介入を招き、民族の不幸と悲劇を大きくするだけである。十・四宣言の第二項目に「南と北は思想と制度の違いを超越し、南北関係を相互尊重と信頼関係にしっかりと転換させていくことにした」とある。南北関係における正しい姿勢に立ち戻るためにも、十・四宣言を守り、履行することは重要である。

 現在南北関係は、この十年で最悪の状態にある。それでも李政権は、六・一五共同宣言と十・四宣言の固守と履行へと、自らかじをきることはないようだ。結局、南北関係の難局を打開する力は、南北海外同胞の団結した力と、不退転の運動に求めるほかない。


 

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