【主張】「テロ支援国」指定を解除せよ

 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に対する米国の「テロ支援国」指定解除が暗礁に乗り上げている。ブッシュ政権は六月二十六日、議会に北朝鮮の指定解除を通告した。この日から四十五日後の八月十一日、指定解除が自動成立することになっていた。ところがブッシュ政権は、北朝鮮が核計画の申告内容の検証要求に応じていないとして、指定解除しなかった。北朝鮮外務省は八月二十六日の声明で、米国が「テロ支援国」指定を解除せず、六者協議の(〇七年)十・三合意事項に違反した条件で、やむをえず「行動対行動」の原則にしたがって核施設無能力化の作業を中断し、寧辺の核施設を原状回復する措置を考慮することになる、と発表した。また、今月に入って北朝鮮は、実際に核施設の復旧作業を開始したとの報道もある。

 六者協議の十・三合意には、朝鮮半島非核化の第二段階として、北朝鮮がすべての核計画の申告すること、米国が「テロ支援国」指定を解除することが明記されている。また、七月十二日に発表された六者協議首席代表会合の「報道発表文」には、検証問題について核施設への訪問や国際原子力機関(IAEA)からの助言と支援の必要性などについて言及されているが、それは今後の一般原則として確認したもので、「テロ支援国」指定解除の条件とされていない。合意文は、検証問題は北朝鮮の核施設の無能力化と「テロ支援国」指定解除が完了して次の段階で、検証対象・方法を明確にして、取り扱うべきものとしている。

 こう着の原因は、米国が北朝鮮敵視政策を放棄できないところにある。米国には過去の経験をふりかえってもらいたい。非核化の第一段階、すなわち北朝鮮の核施設の稼動停止を前にして昨年二月、米国が北朝鮮に対する金融制裁を解除しなかったために第一段階の措置が三か月も遅れた。今年の上半期は核計画の申告内容をめぐって難航したが、米国が北朝鮮の申告を認定して事態は進展した。六者協議の合意を恣(し)意的に解釈して、北朝鮮に圧力を強めてみても、相手が屈服しないことは、米国がすでに骨身にしみて知っているはずだ。ライス国務長官は「六者協議プロセスには良いときがあれば、悪いときもある」と語ったが、二か月後には米国の大統領選挙があり、五か月後の任期満了が刻々と近づいている、ブッシュ大統領には時間的余裕はないはずだ。早急に「テロ支援国」指定解除を米国首脳部は決断すべきだ。

 北朝鮮の核施設無能力化の中断措置に対して六日、韓国政府の金塾・平和交渉本部長は北京でヒル次官補らと対策を協議した。協議後、金本部長は北朝鮮の核検証が必須であり、北朝鮮に対する中国の役割が重要だと強調した。このような李明博政権の言動にわれわれは失望せざるをえない。この重大局面で、李政権が打開に向けてまったく役割をはたしていない。李政権は同族である北朝鮮に対して対話と協商を行う能力がなく、米朝間の仲介の役割を積極的に行う知恵もないようだ。「テロ支援国」指定解除を求めず、ただ米国に追随し中国に仲介を要請する李政権の姿を、ほんとうに嘆かわしく思う。

 六・一五共同宣言に背を向けつづけ、非核化問題でも対応能力のなさを露呈した李政権は内外からさらに厳しい批判を免れないだろう。


 

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