【主張】公安弾圧を中止せよ

 BSEの危険がある牛肉輸入の中断を要求するキャンドルデモによって、崖っぷちに立たされた李明博政権が、国民の関心が政治からオリンピックに向かうすき間をぬって局面の転換をはかり、全面的な強硬弾圧に乗り出している。

 光復節に行われた「李明博審判と民主主義守護」のための第百回キャンドル集会に、およそ二万人の警察兵力を配置し、集会参加者を無差別に連行するという蛮行をはたらいた。BSE問題のキャンドル集会を主導したというとんでもない嫌疑で、韓国進歩連帯の韓相烈共同代表を逮捕したことは、進歩陣営に対する全面対決、弾圧の予告といえる。その後も、米国産牛肉全面輸入反対、警察の過剰鎮圧を糾弾するデモと集会の参加者が、警察に相次いで連行されている。独裁政権がそうであったように、言論掌握にも拍車をかけている。八〇年代の公安政局が再現されるのではないかと、憂慮せざるをえない。

 国民を守るべき検・警察は、国民弾圧機構として動員され、公共機関を監視する憲法機関の監査院も、権力のしもべに転落している。代表的な例が、参与政府のもとで正しい言論を守ってきた韓国放送(KBS)の鄭淵珠社長を追い出すために、検・警察、監査院などの公権力が総動員された事実だ。これらの権力機構は、国民の目も恐れず、露骨な連係プレーで鄭社長を解任させた。鄭社長の個人的な不正を見つけることができなかった監査院は、監査院法上、適法性が問題にされている経営問題などを理由に鄭社長の解任を要求、検察が出国禁止命令、逮捕、解任へとつながった。李明博政権による言論掌握の企図は、青瓦台(韓国大統領府)大統領室長、李明博政権の非公式の権力実勢として知られているチェ・シジュン放送通信委員長らによる「七人秘密会合」が、与党に近い「次期社長」を内定するための場だったという事実が暴露されたことで、再度証明された。

 一方、「BSE怪談」を云々し、国民のキャンドルデモを誹謗中傷し、わい曲報道してきた朝鮮、中央、東亜日報の「広告不掲載運動」に参与した市民らを罪人扱いし、拘束している。国民の人権がむやみに踏みにじられ、憲法上の表現の自由と消費者の権利さえ否定されているのが現状だ。

 さらに、政府間の南北交流と協力を遮断した李明博政権は今、政党や民間交流の事業も遮断し、対北敵対政策を露骨にしている。今まで、血と涙の闘争で実現してきた南北和解と交流協力の基調を、分裂と対立、葛藤へと変質させ、公安政局を造成しているのだ。

 キャンドルデモの真の背景は、ある特定の人物ではなく、幼い少女を含めたすべての国民だ。国民自らが、健康権を守るためにBSEの危険がある米国産牛肉の輸入に反対し、労働者がゼネストを行い、過剰弾圧を行う警察を糾弾し、事実をわい曲して報道する保守言論に広告を載せないよう主張することが、なぜ処罰されなければならないのか。

 与党と守旧勢力が「失った十年」といっている十年間は、わが同胞にとってとても貴重な期間だった。南北の首脳が固く手を握り合い、六・一五共同宣言と十・四宣言を全同胞と全世界に高らかに宣言し、自主、平和、統一のために力強く歩んできた道だった。大統領が替わり、政府が替わったからといって、歴史を消し去ることはできない。

 国民を敵にまわす大統領は、国民の大統領ではない。李明博政権は、国民の声に耳を傾け、国民に対する弾圧を即刻中止するよう望む。そして、硬直した対北関係を早急に改善し、公安政局を一日も早く解消するよう望む。


 

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