【副議長インタビュー】真実和解委の調査で訪韓/完全な名誉回復は目前に

   統一ニュース掲載 副議長インタビュー

 韓国のインターネット新聞「統一ニュース」は五月二十九日付で、孫亨根・韓統連副議長のインタビューを掲載した。孫副議長は五月二十一日から二十四日までソウルを訪問して、「真実和解のための過去事件整理委員会」(真実和解委員会)の事前調査に応じ、韓統連(韓民統)に対する「反国家団体」規定の不当性を明らかにする証言を行った。本インタビューはソウル滞在中の二十三日、統一ニュースの金チガン編集局長らが行った。要約して紹介する。

―今回訪韓した目的は。

 =真実和解のための過去事件整理委員会(真実和解委員会)が活動をしているが、韓統連は〇六年、同委員会にわれわれが「反国家団体」ではないことを認定するよう申請した。それで最近、本調査に着手するので韓統連の幹部から事情を聞きたいとの招請を受けた。真実和解委員会の事前調査で、韓統連自らが「反国家団体」ではないことを証明するために訪韓することにした。昨日、真実和解委員会で委員らと面談して、韓統連が「反国家団体」ではないことを説明した。

 ―真実和解委員会では主にどんな話をしたのか。

 =一九七八年に韓国の最高裁で、在日韓国人留学生「スパイ」事件と関連して、韓統連の前身である韓国民主回復統一促進国民会議(韓民統)が反国家団体だとする判示が出てきた。ところが、それは根拠も証拠も提示されず、韓民統が「反国家団体」だとする文句があるだけだ。そのために、逆に言えば、その判示を最高裁が示した「証拠」や「根拠」を具体的に反ばくして、韓統連=韓民統が「反国家団体」ではないことを証明するのが困難だ。

 留学生「スパイ」事件の裁判がどんな裁判だったのか。また、一九八〇年の金大中・内乱陰謀事件の裁判で、金大中氏が韓民統=「反国家団体」の首かいとして死刑判決を受けたことなどを通して、いかなる裁判だったのかを把握した。

 ある在日同胞が自首したスパイだといって法廷に出てきた。彼は尹孝同という人だ。彼は在日韓国人留学生「スパイ」事件の時にも出てきたし、金大中氏裁判にも出てきて証言した。彼の証言内容は、「一九七〇年代に郭東儀氏を連れてピョンヤンに行って教育を受けた」というものだった。

 恐らくこの証言を根拠にして、国家保安法上の反国家団体だと判示をしたのだろうと判断した。それでわれわれは、尹氏が郭先生をピョンヤンへ連れて行ったという時期に、実際に郭先生は日本にいたという三つのアリバイを持って、尹氏の証言がでたらめであることを説明した。

 ―韓統連は韓国訪問が可能となり、金大中前大統領との面談もした。事実上、政治的には赦免されたのではないか。

 =韓統連は四年前に正式旅券が発給され、故国に自由往来できるようになった。それでわれわれは、韓国政府が韓統連を認めたと判断して、事実上名誉を回復したと考えた。しかし法的に、いまだに国家保安法上の「反国家団体」との判示が残っているためにさまざまな不利益がある。

 たとえば韓統連の機関紙「民族時報」を韓国に送ることが遮断されている。またわれわれのホームページも韓国では閲覧できないようになっている。

 また、在日同胞三、四、五世のために、夜学式に韓国語教室を運営している。それを在外同胞のための民族教育の一環として、在外同胞財団を通じて政府の支援を要請しても、韓統連や在日韓国青年同盟(韓青)の事業だから援助できないという。その理由はやはり、われわれが「反国家団体」だと判示されているからだという回答だった。

 われわれが完全に名誉回復をするためには「韓国の最高裁判示が不当なものだった」ことを公式に認めて、それを撤回しなければならない。それが実現して初めて完全な名誉回復を達成できると考えている。

 ―韓統連の問題は、国家保安法(保安法)問題と深く関連している。国家保安法の廃止は盧武鉉政権で推進されたが実現しなかった。これに対する立場は。

 =「国家保安法はいかなる法律なのか」を、いま再整理しなければならないと思う。保安法は、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)を孤立させるために、米国が韓国政府につくらせた悪法だといっても過言ではない。

 ところで現在、朝鮮半島の核問題をめぐって、朝米交渉が進展して解決する方向に向かっている。近いうちに米国が北朝鮮にたいする「テロ支援国家指定」を解除するだろう。さらには朝米国交正常化まで議論されている。すると、保安法はさらに無用で無効なものになり、完全に撤廃されなければならない。また、そうなると確信している

 ―朝日関係が拉致問題によってこう着し、在日同胞の状況も厳しいと聞いているが。

 =昨年九月に福田政権がスタートした。その前は安倍首相だったが、彼はなぜ就任一年で政権を放り出したのか。その原因は北朝鮮に対する超強硬路線にあった。

  米国が北朝鮮に対して敵視圧迫政策を行っていた間はよかった。しかし、米国は関与政策に転換した。それにも関わらず、安倍首相は敵視政策を推進しようとした。米国側はそれに対して、「対北政策を転換するから日本も変えろ」と要求した。対北強硬政策で政権の座についた安倍首相は、その転換について行けなかった。したがって福田首相は、安倍首相の失敗を教訓にしなければならない。しかし現段階では、福田首相が北朝鮮に対する政策を転換したとはいえない。そのままだと言える。朝鮮総連と在日同胞に対する弾圧も続いている。

 一方では他の動きも始まった。自民党、民主党、公明党、共産党、社民党、国民新党など超党派の議員四十人が参加する「日朝国交正常化推進議員連盟」が五月二十二日、発足した。近いうちにピョンヤンを訪問する計画だ。

 福田政権が対北敵視政策を転換できないのか、「米国と歩調を合わせて、日本も敵視ではなくて国交正常化する道に進もう」との動きが台頭してきている。

 韓統連の運動方針の最優先課題に「在日同胞社会の和合を促進し、日本政府の朝鮮半島政策を是正させよう」というものがある。われわれはこのための運動を今後も精力的に展開する。

 ―郭東儀先生が常任顧問となり、金政夫議長へと世代交代したが。

 =在日同胞社会の代表的な民族団体は韓国民団、朝鮮総連、韓統連だ。このうち韓統連が最初に世代交代を実現した。郭先生は一世の世代だが、先生が議長から常任顧問へと勇退された後の韓統連幹部は、全員二、三世だ。われわれは一世の先生方が構築してきた組織をよく守り、運営している。 韓統連が困難な環境のなかで、なぜ組織を維持してこられたのか。この奇跡のようなことを、自己分析してみた。

 韓統連の魅力、長所とは第一に、「東湖先生と郭先生の位置と役割が高く、大きい。そして祖国と民族に対する愛情が深い。それをわれわれ二、三世が着実に受け継いでいるので、組織が活き活きとしている。

 第二に、次世代を育成していることだ。その拠点が韓青だ。韓青の主な世代は四、五世になり始めている。四、五世になればどうしても民族意識が希薄になり、民族組織に結集するのは難しい。しかし韓青の幹部は毎日戸別訪問して青年たちに会い、在日同胞青年がいかに生きていくべきかを伝え、支部での夜間民族学校を運営している。

 学齢期の在日同胞青年らのほとんどは日本(人)学校に通う。わが民族の歴史を知らず、ウリマル(韓国語)を知らない青年が多い。そうした状況で韓青が夜間民族学校を運営しながら、在日同胞青年が当然受けなければならない民族教育を民間の立場で行っている。次世代が韓青から、地域から次々と生まれてくる。運動は継続しなければならないし、そのためにわれわれは総力をつくしている。だから韓統連は、いまも存在しており、これからも発展するだろう。

 ―最後に言っておきたいことは。

 =韓統連は六・一五共同宣言実践民族共同委員会の一員として、熱心に統一運動を展開している。その立場から、現在、南北関係が悪化していることを非常に憂慮している。二〇〇〇年の六・一五共同宣言以後、南北関係は順調に発展してきたと評価している。李明博政権は、前政権が行った南北合意を尊重し、それを継承しなければならない。

 しかし、李政権が出帆して三か月が経過したが、いまだに六・一五共同宣言、十・四宣言を固守し、履行すると表明していない。これが南北関係悪化の最大の原因だ。いまからでも李大統領は「六・一五と十・四宣言を固守し、履行する」と決断し、内外に明らかにすべきだと考える。

 李大統領は常に経済再生が最重要課題だと言っているが、経済再生も南北関係が安定し、順調であってこそ実現できる。これを軽視して無視すれば、経済再生もより一層難しくなると考える。李大統領は大転換を決心しなければならない。六・一五共同宣言を固守し、十・四宣言を履行して、南北関係の基盤を強固にしながら、さらに積極的な提案があるなら、その基盤の上ですれば良いと考える。

 われわれは海外に居住しながら、統一に対する渇望がますます大きくなっている。 統一祖国があってこそ、われわれは海外で安心して生きていくことができる。これからも南北の同胞らと手をつなぎ、海外同胞も統一の主体として一層努力する。


 

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