【主張】6・15時代に逆行する民団新聞

六・一五共同宣言が発表されて、七年が経過した。先般、半世紀ぶりに南北の鉄道をつなぐ列車試運転が成功裏に行われるなど、共同宣言は着実に実践されている。

 約七年間で、北朝鮮を訪問した韓国民は百二十万人を超える。それ以前、一九八九年から九九年までの十年間で一万千九百五十八人であったのに比べ、百倍も急増している。

 〇四年には西部と東部の二箇所で南北の道路が連結し陸路の往来が開始。〇五年末で、毎日平均二百台以上の車両と千数百人の韓国民が陸路で休戦ラインを超えて往来している。南北間の貿易額は二〇〇〇年の四億二千五百万ドル(約四百九十億円)から〇五年には十億五千六百万ドル(約千二百億円)へと倍加。朝鮮の貿易総額の二〇%近くを占めるまでになった。

 南北経済協力の拠点となりつつある開城工業団地では、二〇一二年までに韓国などから二千企業の進出、三十五万人の雇用創出、二百億ドル(約二兆三千億円)の生産額を目標にした開発が進んでいる。

 もはや、南北の和解と交流の流れは押し戻すことができない歴史的潮流になっており、年末の大統領選挙でだれが当選しようと、和解交流政策そのものを転換させることは事実上不可能だ。

 南北の和解と共存は、南北双方の人々の意識を変化させ、徐々に社会を変化させている。南北が相互に安定し繁栄しながら、影響しあい変化していってこそ、平和的な統一への道が開かれていくといえるだろう。

 南北和解政策が、北の「金正日体制」に一方的に利益を与えるのみで韓国や周辺諸国にとっては利益とならないという主張は、一面的で非現実的なものであり、北朝鮮アレルギーの感情的な表現でしかなく、韓国ではこのような主張はもはや少数派に過ぎない。

 ところが、こうした時代錯誤的で極端な主張をいまだにわめきつづけている者たちが、この在日同胞社会にいる。民団中央に寄生する一部の反動勢力である。

 民団新聞(五月十六日号)は、社説(「五・一七」から一年の決意)で、「民団を親北韓勢力の下部組織に変換させようとする画策は依然と存在」しているとして団員たちに警戒を促し、(五・一七事態は)「韓統連をその組織体のまま民団に引き入れ、民団を総連に奉仕する道具に仕立て上げて、北韓の統一戦線に組み込ませようとする策謀であった」と大仰に強調している。

 民団中央に寄生する反動勢力の正体が、長い間にわたって民団組織を私物化し、政府補助金など多くの利権にまみれた腐敗集団であったことが、「補助金不正追及問題」でいまや明らかになった。それゆえに、自らの保身のために、「韓統連」を政治利用して「オオカミ」に仕立てあげ、「オオカミが襲ってくる=韓統連が組織をのっとろうとしている」となりふりかまわず大騒ぎしているのだ。

 また、民団新聞(同)は、一面を使って、「検証」(総連の言う「わが民族同士」とは)記事を掲載し、北朝鮮の理念と体制に対する猛烈な批判を展開している。この新聞の堕落ぶりは、まるで「断末魔の叫び」のようであり、いまや批判よりは冷笑の対象だ。


 

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