<主張> 憂慮すべき民団の混乱事態

<主張> 憂慮すべき民団の混乱事態

 民団と総連の五・一七共同声明が発表されて以来、日本の右派言論を中心に、両団体の和合に反対する露骨な中傷キャンペーンが展開されている。

民団・総連の和解が「拉致事件の解決や脱北者支援に制動をかけ、民団商工人の金が北朝鮮に流れて窮地に追い込まれている金正日政権を助ける」などという荒唐無けいな論理がマスコミを通じて流布され、保守的な日本世論をせん動し、民団同胞を震かんさせ、在日同胞社会を揺さぶっている。マスコミの北朝鮮バッシングの勢いが、そのまま民団執行部にシフトされたかのようである。民団の一地方本部が中央執行部の方針に反対したなどという記事が、大手新聞の社会面に連日のように掲載され、一般週刊誌や一部の写真週刊誌までが、総連との和解に踏み出した民団中央執行部を非難しば倒する。はなはだしくは、一日付の「週刊新潮」に掲載された櫻井よしこ氏の「民団よ、日本社会の敵となるのか」と題したコラムまで現われた。事実をわい曲してひぼうするにも程があるというものだ。ここまでくると、一連のマスコミ攻勢の背後に、政治的な意図を感じざるをえない。

こうしたマスコミに呼応するかのように、民団内部で共同声明の白紙撤回を求めて執行部の退陣を要求する動きが加速し、一日の民団中央執行委員会で六・一五民族統一大祝典への民団の不参加が明らかにされた。事態はこれにとどまらず、執行部の責任を追及して歴史的な共同声明を撤回させようとする策動が継続して展開されている。

マスコミや反動的な勢力の民団中央に対する攻撃の矛先は、六・一五共同委員会に向けられ、さらに、南北の和解と交流政策を推し進める盧武鉉政権へと広がっている。現在、民団中央執行部に対して行われているひぼう中傷攻撃の真の目標は、南北の和解と交流を推し進め自主統一へと向かう「六・一五共同宣言」路線そのものである。一連の「民団混乱事態」の本質は、「六・一五宣言のもとに在日同胞が和解し団結する」ことに反対する勢力が総結集して繰り広げている、反統一勢力による「六・一五」攻撃と見るべきだ。

問題は、民団内にいる一部の悪質で反動的な勢力である。彼らは、三十年以上も前に、民団内の良心勢力を民団から追放した一連の不当な「処分」が現在も有効だとして、韓統連との和解に反対し、六・一五共同委員会への民団の参加を阻止しようとしているのだ。国内ではすでに、金泳三大統領時代に光州事件を民主化運動と再評価して、光州市民の名誉を回復し、事件犠牲者の遺家族らに国家賠償を与え、国立墓地を建設して国家的に祈念するなど、歴史の再評価が行われている。光州事件を「北朝鮮に追随する不純分子による暴動」と決めつけ、金大中前大統領に対する死刑判決を支持した当時の民団の行動を、現在でも正当だったと考える者はいないだろう。しかし、三十年前の処分の正当性を強弁する彼らの行動は、かつての不信と対立時代の誤った歴史認識に現在もしがみついていることを示している。

民団と総連の和解に大きな関心を抱いた三世や四世の青年たちが、現在の民団混乱事態にどれほど失望しているか。良識ある民団同胞の奮起を訴えたい。


 

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