<主張>対話なき圧力は戦争への道

<主張>対話なき圧力は戦争への道

 北朝鮮は十月九日、朝鮮中央通信の報道を通じて核実験を行ったことを明らかにした。

 核兵器の廃絶を願う立場から、核実験が強行されたことに対して強い遺憾の意を表明する。

 一九四五年八月、米国によって日本に投下された原爆は一瞬にして数十万の人びとを虐殺し、半世紀を過ぎた今も被爆後遺症で多くの人びとが苦しんでいる。日帝の侵略と植民地支配によって朝鮮半島から強制連行された人びとをはじめ、広島・長崎では多くの同胞が被爆して命を奪われ今も朝鮮半島と日本に被爆者が生存している。われわれもまた、被爆民族なのである。

 二度と核の惨禍が人類社会に再現されてはならず、核兵器は地球上から廃絶されなければならない。このことは、わが民族の変わることのない念願であり一貫した立場である。

 同時に、北朝鮮に対して懲罰的な制裁を主張する日米両国をはじめ国際的な制裁行動の動きに対しても断固反対する。

 北朝鮮のミサイル発射に対する国連安保理の非難決議や日米の制裁措置が、問題の解決どころか事態をより複雑にし今回の核実験にまで至った経過を見るとき、制裁行動は北のより強硬な対抗措置を呼び起こすことは必至である。さらに、北朝鮮の核保有が明らかになった以上、朝鮮半島周辺の緊張の激化は核戦争の危機を高めるものであり、国際社会のより自制された賢明な対応が求められている。

 北朝鮮は核実験を予告した三日の外務省声明で、「最終目標は、(略)朝米敵対関係を清算して朝鮮半島とその周辺ですべての核脅威を根源的に除去する非核化」であり、「対話と協商を通じて朝鮮半島の非核化を実現しようとする、われわれの原則的立場に変わりはない」と明らかにしている。事態解決の道はすでに提示されているのだ。

  「北は核を放棄し日米は対北関係正常化を図る」という昨年九月の六者協議共同声明にもかかわらず、「金融制裁」に乗り出し合意を破たんさせたのは米国である。金大中前大統領も指摘しているように、北の核実験は米国の対北圧迫政策の失敗を立証しているのだ。

 米国は無条件に直接対話に臨むべきであり、対話と協商を通じて朝米の敵対関係に終止符を打ち、朝鮮半島の非核化が実現されなければならない。国際社会は制裁措置をうんぬんするのではなく、朝米対話に向けた環境醸成と核保有国の国際的な核軍縮の促進のために努力すべきである。

 とくに日本政府に対して要望する。平和的に事態を解決すべく朝米対話の環境を作り出すうえで、日本政府の位置と果たすべき役割はきわめて重大である。

 人とモノの流れを遮断するなどの制裁措置は、体制に対する圧力よりは帰国した在日同胞をはじめとする社会的弱者を直撃し人びとの生活と生存を脅かすばかりだ。また、強硬一辺倒の対北圧迫政策は日本社会の排外主義をあおっており、在日同胞の命と人権を脅かしている。すでに、各地の朝鮮学校に対する嫌がらせや生徒に対する暴行事件が発生しており、こうした事態に在日同胞皆が胸を痛めている。

 また、韓国政府に対して要望する。偶発的で局地的な衝突が一気に全面戦争へと拡大しうる朝鮮半島の特殊な状況を勘案するとき、国際的な対北圧迫路線に同調することは戦争への道である。緊張が高まる今こそ、しっかりと「六・一五南北共同宣言」を固守して南北和解路線を堅持し、いささかも後退してはならない。

 対話なき圧力は戦争への道である。朝鮮半島と日本を含め北東アジアの共滅につながる戦争への道に反対し、対話と協商による平和的解決を切望する。


 

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