<主張>同胞社会の和合を最優先に

<主張>同胞社会の和合を最優先に

九月二十一日、民団は臨時中央大会を開き、新しい中央本部団長に鄭進氏を選出した。

新しく出帆する鄭進執行部が、組織内部の混乱事態を克服し、在日同胞社会の責任ある民族団体として、その歴史的役割を果たすよう奮闘を期待したい。

朝鮮総連との和解をせん明した五・一七共同声明をめぐる民団組織内部の混乱事態は、民団構成員ばかりでなく多くの在日同胞にとっても大きな衝撃であった。

六・一五南北共同宣言によって南北関係は劇的に変化し、和解と交流はもはや押し戻せない歴史的潮流となっている。ところが日本では、長い間、民団・総連の相互不信が根強く、地方レベルでの限定された交流にとどまっていた。それがようやく中央レベルで実現したことに、在日同胞ばかりか本国の各界各層の同胞からも熱烈に支持され歓迎されたのだ。ひさびさに在日同胞社会が国内外同胞社会に大きなインパクトを与え、存在感を誇示した歴史的快挙でもあった。

ところが、直後にまきおこった逆流現象である。マスコミのバッシングと連係するように進行した民団内部の混乱事態は、共同声明に対する期待が大きかっただけに、同胞たちに深い失望をもたらした。総連との和解が、「北朝鮮指導部の指示による民団のっとり工作」の結果であるだの、「韓統連の組織浸透陰謀」であるだのという荒唐無けいな主張がまかりとおる光景には、あ然とするしかなかった。

しかし、民団同胞の良識を信じるわれわれは、このような主張をする少数の人びとが決して民団を代表するものではないことを知っている。新執行部のもと、民団が組織内議論をつくして混乱を克服し、在日同胞社会の和合を最優先に事業を進めることを切望したい。

まず、何よりも共有すべきは、在日同胞社会の危機的状況である。

年間、一万人にのぼる日本国籍取得者の増大すう勢は、日本社会の「韓流ブーム」にもかかわらず、おとろえを見せていない。日本社会に定住するうえで、民族や国籍が負担になるという考えが多くの同胞たちの間に広がっている。とりわけ三世、四世の若い世代の民族に対する虚無的傾向は深刻だ。

財政難や構成員の組織離れなど、同胞組織の危機的状況は、一部の団体だけでなく在日同胞社会全体の傾向といえる。小さなパイをめぐって同胞同士が争っているうちに、日本の大手企業によって利益をさらわれ辛酸をなめるというような経験を繰り返さないためにも、同胞同士が思想信条を超えて協力し合うことは、あまりにも当然なことだ。

また、日本社会の保守化傾向の進行は最近になって排外主義的な傾向を帯び始めており、在日同胞が団結して対応しなければ、同胞の人権と生活を守るどころか、いのちすら脅かされかねない危機的状況に在日同胞はさらされている。

「核と拉致問題」だけではない。「独島や靖国問題」などで韓日関係が緊張すると、駐日韓国大使館・領事館や民団会館にまで右翼の宣伝カーが押しかけ「日本から出て行け」と叫ぶのが、いまや日常的な光景になっているのだ。

民団新執行部が、鄭進団長のもと一致団結して、在日同胞社会の和合に向けて奮闘することを願ってやまない。


 

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