「週刊文春と加藤昭氏のねつ造記事」の内容と意味

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  週刊文春は三月十八日付と同二十五日付に、加藤昭氏の「深層発掘!韓国親北政権の罪金大中は北朝鮮の秘密資金を受け取っていた!」と「韓国親北政権の罪第二弾  盧武鉉弾劾の真実  大統領府に北のスパイが浸透していた」の記事を連載した。

  この記事は、金大中前大統領が在任中に対北和解政策で南北の緊張を緩和させ、歴史的な南北首脳会談と六・ 一五共同宣言の発表を行ったことに対するわい曲で、南北が六・ 一五共同宣言の精神である民族同士の力で平和統一を実現させようとしていることに対する妨害であり、在日韓国民主統一連合(韓統連)が北朝鮮の資金を金大中前大統領に渡したかのように報道したとんでもないねつ造である。

  また金大中前大統領の和解政策を引き継いだ盧武鉉大統領に対しても、ハンナラ党と民主党が選挙違反などを口実に弾劾訴追案を可決したことを、北朝鮮が盧武鉉大統領を支持したからのように記述して、事実をねじ曲げている。

  この一連の記事は、六・ 一五共同宣言で示された南北の和解と協力・交流精神を棄損し、南北の和解と統一に向かう南北海外同胞の統一念願を踏みにじる悪質な謀略記事である。

  韓統連は三月二十三日、文春に対して問題の個所を示し、韓統連代表と文春、加藤氏の同席による事実確認と、そのもとにおける加藤氏と文春の謝罪および訂正記事の掲載を要請した。またその後、文春側の指示どおり抗議項目の追加を行うなど、誠意をもって面談を要請し続けた。しかし、文春側は四月十三日、面談を拒否してきた。

  したがって、韓統連は面談を拒否した文春と加藤氏の卑劣な態度を糾弾するとともに、やむなく加藤氏および文春に対して別紙のように厳しく抗議し、一連の記事が持つ謀略の意味を以下のように明らかにするものである。

  一、加藤氏は、「『韓統連』が金大中と北との窓口になっており、韓統連を通して北の資金が金大中に流れた」「事務総長は資金作りが最大の任務。趙が密命を帯びて総連と接触していたことは間違いない」と書いた。まったくのでっち上げである。加藤氏はどちらも国家情報院(国情院)幹部、国情院筋の話しとしている。国情院幹部が述べたことはすべて真実だというのか。これは国家権力を利用した悪質なでっち上げであり、金大中前大統領および韓統連、趙活俊元事務総長に対する明白な名誉毀損である。

  二、加藤氏は三十年ほど前に総連中央本部社会局に在籍していた張明秀なる人物をして、「その頃、韓統連の事務総長という肩書きで趙活俊は度々総連本部に出入りしていました。目的はズバリ工作資金目当てですよ」「当時、韓統連は対南工作活動の一端を担っており」「その工作資金を総連が支援していた」「(金大中氏が)日本滞在中から、韓統連が北の対南工作に利用されていると薄々気づいていたはずだ」などと語らせた。趙活俊氏が韓統連の事務総長だったこと以外はすべてでたらめで、悪質なねつ造である。張なる人物は総連を脱退した人となっているが、この論理は情報部がスパイ事件のでっち上げ用に使ってきた「冷戦時代」の論理であり、無責任極まりないものである。金大中前大統領および韓統連、趙活俊元事務総長に対する名誉毀損である。

  加藤氏は亡くなった趙活俊元韓統連事務総長を「金大中と北との窓口」「北と金大中を繋いだキーマン」などと記しているが、これは当人が反論できない状況を利用した「死人に口なし」の最も卑劣な手法である。遺族が厳しく批判していることは言うまでもない。

金大中前大統領と韓統連、趙活俊元事務総長に対する名誉毀損である。

  三、加藤氏は「韓統連の元メンバーが語る」として、金大中前大統領が在任中にら致事件の真相を追及しなかったのは「それを明らかにすれば、自身の北朝鮮との“秘密の関係”も白日の下に晒されてしまうと考えた」からだと書いた。まったくの事実無根である。金大中前大統領は在任中、あるいは退任後に、ら致事件に関して自身の考えを明らかにしており、メディアを通じて広く知られている。これは「韓統連の元メンバー」なる手法を通して金大中元韓民統議長と韓統連とを対立させようとする謀略であり、金大中前大統領および韓統連に対する名誉毀損である。

  四、加藤氏は「なぜ盧武鉉はアメリカを敵に回してまで、露骨な北寄りの姿勢を見せるのか」としながら、その理由が「彼を取り巻くブレーンの顔ぶれにある」とし、民主化運動を行ってきた“三八六世代”を「左翼過激派の面々」と規定している。これは民主化闘争に従事してきた勢力を侮辱するだけでなく、一方的に過激派と規定して保守勢力の主張に同意し、民主化闘争の性格と当事者らの思想をねじ曲げる許しがたい妄言である。

  また加藤氏は「朝鮮半島には和田以外にも金正日や金大中、盧武鉉など多数の“妖怪”が跋扈(ばっこ)している」と書いた。これは和田春樹氏を含む個人に対する度の過ぎた対比描写であり、とくに一国の前職、現職国家元首を冒涜する無礼な表現で、朝鮮民族に対する許しがたい侮辱である。

  五、加藤氏が韓統連と関連して実名を挙げている人のうち、元民団東京本部団長(記事では会長になっている)の鄭在俊氏は、韓民統(韓統連の前身)の副議長を務めた人だが、加藤氏は取材時に「趙活俊氏は韓国と北朝鮮の二重スパイ」だとか、「金大中氏は大統領選挙で北から金をもらっている」「金大中氏は今年中に北朝鮮に亡命する」などと発言し、鄭在俊氏の同意を求めた。金大中前大統領と故趙活俊氏に対する名誉毀損である。また鄭在俊氏は先のような内容は明確に否定して同意しなかったが、鄭在俊氏の発言によっては新たな謀略をつくり出そうとする陰謀であり、ジャーナリストとしての良識を外れた政治工作といわざるをえない。

  また加藤氏は、林炳澤氏についても、取材の趣旨からはずれた自らに都合のよい部分だけを書き連ねている。

  加藤氏は、故趙活俊氏について、遺家族および元事務総長として在職していた韓統連に取材をせず、一方的に趙活俊氏とその家族、および韓統連の名誉を傷つけた。

  六、加藤氏の記事で最も問題なのは、韓統連に取材をせず、国情院幹部や張なる人物の発言内容に対してジャーナリストの基本中の基本である裏付け、確認作業をしなかったことである。このことだけで韓統連関連の記事がねつ造であることが証明されるが、記事全体の信ぴょう性が疑われることは指摘するまでもない。

  このように、加藤氏の記事は事実誤認とわい曲、ねつ造によって韓統連と金大中前大統領を北朝鮮と結びつけ、また韓国の大統領府に北のスパイが浸透しているかのように記述して、南北首脳会談と六・ 一五共同宣言の精神をゆがめ、南北統一を願う七千万同胞の願いを踏みにじっている。また文春はこの記事を二週にわたって報道することで、南北の和解と協力関係を破たんさせようとした。

  このような記事が一回目は三月十日に、二回目は三月十七日に発売されたが、この時期に報道したのは、加藤氏が「(先の六者協議で北朝鮮への異常な物わかりのよさを見せた盧武鉉大統領に対して)今回の対応を見るまでもなく、この数年、南北の密着ぶりがやたらを目につく」とし、「かつて激しく敵対してきた韓国と北朝鮮が、なぜ近年これほどまでに急接近してしまったのか」との疑問を投げながら、その結論に金大中前大統領が北朝鮮から秘密資金を受け取って、北寄りの政策をとったのだとして、金大中前大統領と盧武鉉大統領の南北和解政策に問題があるかのように報道して総選挙政局を混乱させようとしたものである。

  また盧武鉉大統領が弾劾されたのも、開かれたウリ党を支持する発言をしたことが選挙法違反だとして野党が追求したことよりも、盧武鉉政権が北と密着しすぎることへの不満の爆発だとしている。これも大統領弾劾政局を利用して盧武鉉政権の評価をおとしめようとする一大謀略策動であるといわざるをえない。

  最後に、韓統連は昨年九月に公式に母国訪問を行ったことを申しあげておく。加藤氏が書き、文春が報じたように、国情院幹部が「韓統連が金大中と北との窓口になり、韓統連を通して北の資金が金大中に流れた」のならば、国家保安法違反で韓統連は韓国へ行けるはずはなかった。また韓国で金大中前大統領と懇談し、金大中前大統領からら致事件での救出活動に対する感謝の言葉を聞くこともできなかったはずである。

  韓統連は、記事のでっち上げと、金大中前大統領、盧武鉉大統領、韓統連および関係者に対する名誉毀損などについて厳しく抗議するとともに、南北海外の朝鮮民衆と日本民衆が双方間の友好とアジア、世界の平和を築こうと努力していることに対する妨害であることを厳しく指摘し、加藤氏に対してこのような記事を書いた責任による明白な謝罪と、週刊文春に対してこのような記事を掲載した責任による明白な謝罪、および両者名による訂正記事を速やかに掲載するよう要求する。

  2004年4月13日

  在日韓国民主統一連合