<参考資料> 第2回6者協議を総決算する

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(統一連帯 3/2)     

<論評> 6者協議に対する論評

1.2月25日から28日まで開かれた第2回6者協議が朝鮮半島非核化、核問題の平和的解決、次期会談開催、実務グループ構成などの内容を記した議長声明を発表して幕を閉じた。

2.われわれは今回の6者協議を前に、多数の市民・社会団体とともに「凍結対補償」という北朝鮮の現実的な方案を米国が受け入れることを要求したことがあり、実体もない濃縮ウラン問題で対話に難関が作られてはならないとの立場を表明したことがある。

3.しかし、今回の6者協議でも米国側は、依然として「検証可能で不可逆的な廃棄」だけを主張して、どのような現実的な代案も出さなかったし、濃縮ウラン問題に関しても実質的な証拠は出さないままで主張だけを繰り返すなど、旧態依然たる姿勢を見せた。

 また会談の一方で「北朝鮮人権報告で」を発刊して、韓米合同軍事演習を準備するなど、敵対政策の勢いを維持したまま、事態解決の実質的な意志があるかさえも疑念を抱かせるに十分だった。

4.結局、今回の6者協議は米国側の立場に転換がなくては、どのような事態解決もありえないことを再確認する場になったし、議長声明で合意された内容も、今後米国側の態度変化が前提される時にはじめて実効性を持つものになるだろう。

米国は「成果があった」と自画自賛しているが、事態の解決に非協力的な米国の態度によって、核問題を米国側が提起してすでに1年4か月も経過し、緊張と敵対的な葛藤が高まるなか、朝鮮半島で生きていくわが民衆が受ける有形無形の被害は増すばかりだ。

米国は朝鮮半島に生きる民衆の生存権と人権を人質にする一方的な敵対政策をただちに中断して、関係改善に真しにのりださなければならない。

5.今回の6者協議で合意された内容は、事態解決の最小限の前提だ。

今回の6者協議で各国は「核兵器のない朝鮮半島」という志向を再確認し、「相互尊重の精神に立脚した対話と平等に基づいた協議を通じる核問題の平和的解決に対する意志」を表明して合意したが、これに立脚した実質的措置が取られなければならないし、対話の雰囲気を阻害する一切の敵対行動はただちに中断されなければならない。

とくに3月中旬に予定されている韓米戦時増員増員訓練などの大規模核戦争軍事演習は合意に対する実践の意志をはかる重要な契機になるものであり、日本で推進中の「特定船舶入港規制法」などの対北制裁法案の上程も同じ脈絡で判断することができる。

6.朝鮮半島の平和と自主権は、この地で生きてゆくわが民族の固有の権限だ。

われわれはこれを不当に侵害する強大国の行為に屈服しない歴史的な伝統と民族的な気質を持っている。

米国が不当な覇権政策でわが民族の生存と自主権を継続して侵害するなら、これに対する抵抗と闘いは必然的であり、これによって招来されるすべての結果は、全面的に米国がもたらしたものだ。

2004年3月2日

「6・15南北共同宣言実現と韓半島の平和のための統一連帯」

(翻訳:韓統連中央宣伝局)


(統一ニュース 2/28)

<寄稿> 第2回6者協議を総決算する

チャン・チャンジュン(韓国民権研究所研究員)

 第2回6者協議が閉幕した。当初閉会は27日の予定だったが1日延期されて28日正午に閉会することになったが、その日程が再び延期された結局、28日午後4時を前後して閉会式を行った。そして最後の最後まで難航した共同発表文は閉会式後も論議が継続されたが、議長声明の発表となり、共同発表文は結局霧散してしまった。

1.協議の争点の分析

「核廃棄を前提にした核凍結」と「完全で検証可能で後戻りのできない核廃棄」

 今回の協議の準備過程と協議過程で明らかになった北朝鮮の提案は、実に「大胆な譲歩」といっても過言ではなかった。すでに北朝鮮は1月から核廃棄を前提にする核凍結意思を明らかにした。朝鮮中央通信は1月6日、「われわれが同時一括妥結案の実現の第1段階の措置として、核兵器の実験と生産をせず、平和的な核動力工業まで停止しようすることもまた、1つの大胆な譲歩にほかならない」という論評を発表した。平和的な核施設まで凍結するという立場を発表したのである。

 そして王毅・中国外務次官の2月23日の発言によると、北朝鮮は「ウラン濃縮計画を含む核の完全な廃棄を誓約する用意があり、その前提として核活動を一切凍結する」との意向を伝えて来たという。これは米国が要求する「完全で検証可能で後戻りのできない核廃棄」を全面的に受け入れるとの意味にも解釈できる。

 ただ、北朝鮮がそれの反対給付として望んだのは、核活動を凍結する代わりに、米国が北朝鮮に対する「テロ支援国リスト」から解除して政治、経済、軍事的制裁と封鎖を撤回し、米国と周辺国による重油、電力などエネルギー支援を実施しなければならないというものだった。

 これは相互主義を原則にする国際秩序において、北朝鮮のこのような要求はあまりにも当然のことだといえる。しかし米国は、このような北朝鮮の「大胆な譲歩」に対しても「完全で検証可能で後戻りのできない核廃棄」だけをオウムのように繰り返しただけだ。それにもかかわらず、6者協議が決裂せずに維持されたのは、北朝鮮の忍耐力が発揮された結果だといえる。

 もう1つわれわれが確認しなければならないのは、「平和的な核活動」の是非だ。米国は協議で、平和的な核活動まで凍結しなければならないと主張した。一方北朝鮮は、平和的核活動は維持すると対応したという。すると協議の場で見せた北朝鮮の立場は、「平和的核動力工業までも停止する」という1月6日の朝鮮中央通信論評の立場と矛盾する。なぜそのような矛盾が発生したのか。

 それは米国の高圧的な姿勢のためである。北朝鮮はすでに平和的な核活動も凍結できる「大胆な立場」を持っている。しかしそれは、米国の相応する行動を前提にする。米国が相応する行動をとらない条件下で、平和的な核活動まで凍結するというのは、北朝鮮経済の最も重要な問題といえる電力生産を放棄するということであり、これはすなわち、北朝鮮の長期的発展戦略を放棄するということになる。

 これは北朝鮮として受け入れられない問題だ。北朝鮮が平和的な核活動を凍結できる相応する措置は、北朝鮮のエネルギー問題を米国が解決することだ。それをしないで、北朝鮮に平和的な核活動さえも凍結せよとは強盗の論理と同じだ。

高濃縮ウラン問題

 今回の協議で最も大きな特徴であると同時に、第1回協議との差異は、米国が高濃縮ウラン問題を協議の案件として提示したという点であり、北朝鮮はこの問題に対して論議する立場を鮮明にした。北朝鮮は協議の前日、南北間の事前接触で南側の「高濃縮ウラン問題」提起に対して、「十分な理解」を表明し、協議の場で米国側の問題提起に「証拠を出せば疑惑を解明する」との立場を明らかにした。いったん北朝鮮は、協議の場で高濃縮ウラン問題の論議を認定したのである。数日前までは、高濃縮ウランの提起は、米国側の「たくらみ」との立場を明らかにしてきた北朝鮮が、高濃縮ウラン問題の論議を認めた理由は何か。

 その解答は、北朝鮮の積極的で柔軟な姿勢に求めなければならない。高濃縮ウラン問題を取り上げるとの米国の立場は確固としていた。したがって、今回の6者協議で核問題解決の突破口を準備しようとする北朝鮮としても、高濃縮ウラン問題が6者協議の障害要因になってはならなかった。そうだとしても、米国の「たくらみ」である高濃縮ウラン計画を認めることはできない。方法はただ1つ。論議自体は認定をしながらも、高濃縮ウラン問題が「米国のいいがかり」であることを証明することだ。これはちょうど「証拠を出すなら疑惑を解明する」とのう発言に現われた。

 実際にこのような北朝鮮の戦略は過去にも存在した。1998年に米国が、クムチャンリの地下施設を持ち出して北朝鮮に「いいがかり」をつけたとき、米国の官僚がクムチャンリを「訪問」するのを許容して、「がらんとした地下施設」であることを立証したのだ。

 したがって、今回の高濃縮ウラン問題も、米国がどこかの特定地域や施設に言及すれば、その施設を「クムチャンリ方式」で見せて―この方式には米国の「観覧料」支給が必須だ―高濃縮ウラン疑惑を解消するというのである。これは北朝鮮が原則的立場を堅持しながら、問題解決の突破口を準備しようとする柔軟性の表われだ。

 協議の場で北朝鮮側が行った発言を見ると、高濃縮ウラン問題を論議するだけでなく、これからも持たないという発言をしたりした。北朝鮮は中国を通じて「ウラン計画を、濃縮計画をはじめ核の完全廃棄に関して誓約する用意」を表明し、協議の過程で「高濃縮ウラン計画は最初からなく、これからもない」との発言をした。これは、これからも持たないという意味の遠まわしの表現だといえる。北朝鮮は高濃縮ウラン問題に関して、譲歩できるすべての譲歩をしたのである。

 しかし米国は、依然として「リビア式の核放棄」だけを強調している。高濃縮ウラン施設は隠とくが容易なので、朝鮮がみずから明らかにしない限り確認することができないというのだ。疑惑を解消できる北朝鮮の提案に躍起になって顔をそむけるのは、米国の行動が「証拠」もない「いいがかり」であることの明白な証拠だ。彼らが本当に証拠をもっているのなら、まず証拠を突き付けて北朝鮮を圧迫するのは、火を見るより明らかだからだ。

協議の定例化

  ある意味で、可視的で最も大きな成果がこの部分であるかも知れない。6者協議の枠組み、すなわち平和的解決のために、対話を通じて核問題を解消するとの6か国の合意が成り立ったと見ることができるからだ。ただ嘆かわしいことは、米国の対北敵対行為に歯止めをかけるどのような装置もないということだ。

 いままで米国は、口では「平和的解決」をいいながらも、朝鮮半島に最新兵器を配置するなど、北朝鮮に対する「戦争準備」に拍車をかけてきた。もしも米国のこうした行動にどのような制御装置もない協議の定例化は、象徴的な意味はあるとしても、実質的意味は大きくない。

実務者級協議

 1994年の(朝米)ジュネーブ基本合意書でも実務者級の協議に合意したことがある。 「ジュネーブ基本合意後に可能な限り早いうちに米国と北朝鮮の専門家らは2つの種類の専門家協議をもつ」と明示されている。1つは「代替エネルギーと黒鉛減速炉路の軽水炉への代替」と関連する協議で、もう1つ「使用済みの後燃料保管および窮極的な処理のための具体的措置」に関する協議だった。

 しかし、このような専門家協議は実務者級の協議のために、本協議が安定的に進行されなければどのような成果も出せないという限界を持っている。したがって、今回の6者協議での実務者級協議も、本協議である6者協議の進行いかんによって変わることになる。したがって実務者級協議も、参加国の解決意志が可視的に確認されたという象徴的な意味を持っているが、この協議が実質的な意味を持つためには、6者協議の本協議が安定的に進行されなければならない。

 とくに27日の中国外交部スポークスマンの発表によると、実務者級協議の基本的な性格が「北朝鮮の全面的な核凍結と核廃棄問題に関して討論」することになっている。したがって実務者級協議が本然の役割を果たすためには、今後の6者協議を通じて問題解決の糸口が開かれてはじめて可能なので、それに相応する米国の後続措置がなければならないだろう。

2.協議の決算

 当初28日正午に共同発表文を発表して閉幕をすることになっていた日程が延長された。マスコミの報道によると、共同発表文の内容の一部に対して北朝鮮が反対し、追加協議を進行しているからだとされた。北朝鮮が反対する具体的内容は発表文中に「異見があるが徐々に狭めて行くことにした」と明示しようということに要約される。

 北朝鮮の指摘した意見の差異とは、核凍結と核廃棄の差、高濃縮ウラン疑惑の解決法の差――などが主な内容で「凍結と補償」に関する立場の差異も含まれる。筆者が先に指摘したように、このような本質的差異に関する何の言及もなしに協議の定例化や実務者級協議に合意したといっても、大きな意味を持たない。

 第2回6者協議が成果的に進行されたことを、可視的にするための最小限の言及は「異見はあるが、その差異を乗り越えて問題を解決しよう」というものになるだろう。このような最小限の言及さえも拒否する米国と日本の姿勢と態度は、果して彼らが核問題解決のために6者協議に出てきたのか、「時間稼ぎ」を目的に6者協議に出てきたのかを、はっきりと示してくれる。

 したがって、今回の6者協議は次のように評価することができる。

 まず、今回の6者協議を一言で評価するなら、問題解決のための北朝鮮の大胆で柔軟な姿勢が際立った場だったということができ、一方で米国は北朝鮮の提案にまったく耳を傾けず、「先核放棄」と「高濃縮ウラン問題」の提起しながら、北朝鮮の提案に対する自身の責任を回避するのに汲々としていたといえる。

 もし米国が、少しでも問題解決の意志をもって今回の協議に臨んだならば、核問題解決の突破口を作ることができたはずだ。米国自身がそのように強調してきた、北朝鮮の完全で、検証可能で、不可逆的な核廃棄の端緒を作ることができた。しかし米国はこのような機会を逃してしまった。

 また、今回の6者協議は北朝鮮の忍耐力が高度に発揮された協議だったといえる。とくに共同発表文の合意をめぐって閉幕式を延期してまでも論議を継続することができたのは、北朝鮮の忍耐力のためだ。米国はすでに26日、「北朝鮮が米国の要求を受け入れないなら協議を終結する」との立場を明らかにした。 6者協議でなんとかしても解決の糸口を見いださないようにして、うやむやにしようとする米国の底意が現われたものだ。

 しかし、北朝鮮は「米国の強硬な立場のため6者協議の進展がない」「米国の敵対的な政策が交渉進展の障害だ」と非難しながらも、協議を最後まで維持した。6者協議を破綻させず、何か解決の糸口を見いだそうとした北朝鮮の忍耐力が発揮されたのである。第1回6者協議が共同発表文の初案さえも作れずに議長要約の発表という形式で整理された一方、第2回協議では共同発表文の初案を作ることができたのは、北朝鮮の忍耐力の結果だったといっても過言ではない。

 今回の6者協議は一方で韓国が重要な役目をした協議だった。

 韓国は協議前、すでに3段階解決案を提示しながら注目を集めた。韓国側が提示した3段階解決案は、第1段階で北朝鮮の核放棄宣言と安全保障の用意があることの表明、第2段階で核廃棄と検証およびこれに対する相応の措置ないしは調整された措置としての対北安全保障文書の採択、第3段階で核廃棄完了後に恒久的な安全保障文書を採択する段階――に整理される。

 韓国側のこのような解決案は北朝鮮の「先核放棄」を依然として主張する米国の立場とは若干の差異があり、いわゆる同時行動原則に基く解決案だといえる。このような同時行動原則による解決案は肯定性を持ち、その内容上での肯定性と協議過程で韓国側が見せた形態上での肯定性が結合して、今回の6者協議で韓国の役目が際立つようにした。

 しかし、韓国側の解決案に否定性がないわけではない。韓国側の解決案の否定性は、全体と部分の不調和に見いだすことができる。北朝鮮としては、核凍結を通じた核廃棄は「全体「」ある。しかし韓国側が提示した「安全保障」は部分に過ぎない。すなわち、韓国側の方案は北朝鮮に対しては全体を要求しているし、米国あるいは他の参加国は部分のみを要求しているのだ。これは公平性を欠き、問題の本質的性格にもそぐわない。

 したがって、今回の協議で韓国の積極的な役割は米国の「先核放棄」の主張に歯止めをかけたという点では肯定的な側面を持つが、その解決案が完全に本質的意味を持てないという点において、限界を持っていたといえる。

<補論>北朝鮮はウラン濃縮計画を認めたのか

 マスコミの報道によると、北朝鮮が高濃縮ウラン保有を示唆したという。日本の「朝日新聞」が米国政府当局者の話しとして報道した。26日に北朝鮮代表が米国以外の参加国と2者協議をしながら「高濃縮ウランの取り扱いについて協議したい」との発言をしたというのだ。どの国との協議でなのかは明らかにしなかった。米国のパウエル国務長官が同日、米上院に出席して協議結果を報告しながら「北朝鮮が前向きな態度を見せている」と証言したこともこの延長線だという。

 はたしてこの報道が事実かどうか、いくつかの可能性を考えてみよう。

 まず、北朝鮮が先の発言をした可能性だ。そうであるなら、前日まで否認してきた北朝鮮が、どうしてこのような発言をしたのかということだ。1つの可能性だけが存在する。米国が要求する高濃縮ウラン問題を認めて核問題を画期的に解決するとの意志表明だといえる。米国がまだ証拠も提示しない状態で、米国の圧迫によって仕方なく「自白」することなどありえないからだ。

 そうすると、北朝鮮がどうして米国ではなく、他国を通じてこの事実に言及したのか、という疑問が提起されるが、その疑問はまったく解けない。画期的に解決しようとするなら、米国と談判をするのが常識であり、北朝鮮の交渉方式が常にそうだからだ。したがって、この可能性はあんまりないといえる。

 次に、北朝鮮の発言を誤って理解した可能性だ。これは米国以外の国がそうであった可能性もあり、米国がそうだった可能性もある。すなわち北朝鮮は、今回の協議でウラン問題を論議することができるとの「前向きの姿勢」を見せた。このれの延長線でした北朝鮮の発言を「高濃縮ウランの取り扱いに関して協議したい」と誤って理解した可能性だ。 「ウラン濃縮計画をはじめ、核の完全廃棄に関して誓約する用意」があるとの北朝鮮の発言や、協議過程で「高濃縮ウラン計画は最初からなく、これからもない」との発言をそのように誤って理解した可能性だ。これは充分にありえることだ。

 最後に、米国が「マスコミ・プレー」をした可能性だ。米国としては北朝鮮が高濃縮ウラン問題を是認してはじめて交渉の主導権を取ることができる。とくに6者協議を定例化することに合意したことが米国は、このような要求が一層強まったといえる。したがって、米国が意図的に「北朝鮮が高濃縮ウラン計画を是認した」との言論工作をした可能性だ。

 また米国は、次のような複数の効果を狙うことができたかも知れない。すなわち、北朝鮮の立場と解決案がますます国際社会の支持を得ている状況を反転させることができるし、とくに核問題を解決するための南北政府間の協力と民族共助を揺さぶることもできるのだ。その間の言論操作を通じて自身の目標を貫徹してきた米国の外交形態を考えると、このような可能性が一番高いといえる。

 まだ明確にされたわけではないが、言論報道を鵜呑みにできない理由がここにある。

(翻訳:韓統連中央宣伝局)


(参与連帯 HP 2/23)

<記者会見文>朝鮮半島危機解消のための韓国市民社会団体の提案

 2月25日から中国北京で第2回6者協議が開かれる。ようやく再開された6者協議に対する期待と憂慮が提起されている現在、われわれは今回の協議が朝鮮半島の危機を解消する重大な転換点になるよう切に希望する。

 われわれは何よりも、今回の第2回協議をはじめ6者協議が単純に北朝鮮の核問題の平和的解決にとどまるのではなく、朝鮮半島の冷戦構造を清算して北東アジアの不安定性を解消する契機になけねばならないと信じる。

 2002年10月、北朝鮮の核波紋以後、朝鮮半島の危機状況を打開するための外交的努力は、朝米間の根深い不信によって、解決の突破口を見いだすことができなかった。核問題をめぐる朝米間の長年のこう着状態は、朝鮮半島に造成された緊張を加重させ、それは国民に大きな不安を抱かせた。とくに昨年末、米国の不誠実な交渉姿勢によって、協議の年内開催が霧散し、その結果、朝鮮半島の危機解消への期待と展望は一層不透明になった。このような状況において、朝鮮半島危機の当事者であると同時に、北朝鮮と米国を積極的に説得することができる位置にある韓国政府は、韓米協調の枠組みに縛られて核問題の平和的な解決のために主導的な役割を果たすことができていない。

 それにもかかわらず、われわれは過去1年の間、核問題をまぐる朝米葛藤が新たな局面にたどり着いていることに注目する。

 北朝鮮は朝米不可侵条約を優先して締結することを主張した立場から核凍結とこれに相応する措置を要求する、いわゆる「同時行動原則」を提案するなど、進展した交渉姿勢を見せている。また核抑止力を強調しながらも、交渉を通じた最終的な核廃棄の意思を明らかにしている。一方、北朝鮮の先核廃棄要求を繰り返して来た米国は、「完全・検証可能・不可逆的な方法」で核計画を廃棄することを主張するなど、交渉可能な具体方案を提示していない。むしろ大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)の拡大と北朝鮮自由法案の制定推進など、対北圧迫の水位を高めている。また米国は6者協議を前に、実体が不明の高濃縮ウラン計画(HEUP)を問題解決の前提条件にしており、核問題の平和的解決に対する意志に疑念を呼んでいる。

 明白なのは、今回の協議で意味ある進展を見られない場合、核問題をめぐる朝米葛藤は極限的対立へと向かうはずで、朝鮮半島の危機状況は一層悪化するという点だ。したがって、今回の6者協議を通じて北朝鮮と米国は、核問題解決のための実質的な土台を準備して、朝鮮半島危機を解消しようとする確固たる意志を見せなければならない。また協議参加国も、今回の協議で朝鮮半島の危機解消のための妥協点を見いだせるように積極的な仲裁者の役割を果たさなければならない。

 ここにわれわれは、6者協議に対するの次のような立場を明らかにする。

 第1、北朝鮮は今回の6者協議を通じて公式的に核兵器開発および保有放棄を宣言し、米国は北朝鮮に対する不可侵を宣言して関係正常化の意志を表明しなければならない。また協議参加国は、このような宣言を支持し保障するとの意思を表明しなければならない。このような措置は朝鮮半島の危機解消の重大な始発点になるだろう。

 第2、米国政府は北朝鮮が提案した「凍結対補償」原則を受け入れなければならない。すでに北朝鮮は、追加的な核兵器の生産中断、核実験および核物質移転の自制、原子炉稼動中断を「凍結の対象」として提示しており、これに対する相応の措置としてテロ支援国指定の解除、政治・経済、軍事的制裁と封鎖の撤回、重油、電力などのエネルギー支援を提示した。これにしたがって、今回の協議で北朝鮮は核凍結措置を検証できる方案として、追放した国際原子力機関(IAEA)視察団を受け入れ、これに対して米国は北朝鮮の核波紋で中断した重油提供を再開し、各種制裁措置を撤回することに合意しなければならない。このような措置は米国が主張している「悪事に対する補償」ではなく、北朝鮮の核凍結がジュネーブ合意に基いているのなら、凍結に対する補償もこの合意にしたがってなされなければならない相応措置だ。

 第3、高濃縮ウランプログラム(HEUP)疑惑が今回の6者協議を通じた交渉の足かせになってはならない。北朝鮮の核廃棄意思の発表以後、米国が再度提起しているHEUP疑惑は、実体が明確に究明されていない。プログラムを否認している北朝鮮の「自白」を強要する前に、北朝鮮にHEUPの証拠を提示したとする米国が、納得するに値する証拠を公開するのが当然であろう。したがって、今回の6者協議で米国は証拠を提示しないままに北朝鮮のHEUP廃棄を交渉の前提条件にして、ようやく再開された6者協議を座礁させてはならない。これに関連して北朝鮮も、HEUP疑惑を解消する意志を明らかにしているので、1月に北朝鮮が提案した専門家協議などを別に論議することができるはずだ。

 第4、韓国政府は北朝鮮の核凍結に対して、韓国主導のエネルギー支援を提案するなど、朝鮮半島の危機解消のために積極的な役割を果たさなければならない。韓国政府は北朝鮮の段階的協議案を柔軟に考慮する必要があり、具体的な行動措置に対して相応の措置が必要だという点を米国に対して積極的に説得しなければならない。同時に、積極的な南北交流協力政策を通じて、北朝鮮と米国に対する立場を強化して行かなければならないだろう。また今回の協議でHEUPをはじめ、北朝鮮の先核放棄を主張している米国の立場に同調して、6者協議自体を困難にする愚を決して犯してはならない。

 第5、北朝鮮の核問題解決プロセスを論議するよう6者協議を定例化しなければならない。朝米間の不信と対決姿勢がたやすく緩和されない状態において、対話の流れを辛うじて維持するだけでは、朝鮮半島の危機状況に正しく対処できない。したがって、極端的な朝米葛藤状況を予防し、北朝鮮の核懸案を持続的に調整できるよう、6者協議を定例化する必要がある。そして定例化された6者協議を通じて、北朝鮮の核をはじめ朝米葛藤問題を解決して、今後の北東アジアの不安定性を解消できる論議構造を構築しなければならないだろう。

2004.2.23

(社)平和フォーラム/健康権実現のための保険医療団体連合/京畿女性連合/基督教社会宣教連帯会議/基督女民会/南北共同宣言実践連帯/労働人権会館/労働者の力/労働組合企業経営研究所/緑の連合/ともに/トゥレパン/文化連帯/民弁統一委員会/民族民主烈士犠牲者追慕(記念)団体連帯会議/民族正気守護協議会/民族和解自主統一協議会/民主労働党/民主労働者連帯/民主言論運動市民連合/民主主義民族統一全国連合/民主化のための全国教授協議会/反米女性会/保健福祉民衆連帯/保育教師会/社会党/社会進歩のための民主連帯/水原女性会/外国人労働者対策協議会/人権運動サランバン/全国農民会総連盟/全国民主労働組合総連盟/全国民衆連帯/全国貧民連合/全国女性労働組合/全国学生連帯会議/全泰壹記念事業会/全泰壹に続く民主労組運動研究所/すてきな仲間/進歩教育研究所/参与連帯平和軍縮センター/カトリック正義具現全国連合/統一広場/統一連帯/統一連帯女性委員会/平和を作る女性会/平和統一市民連帯/平和と統一を開く人々/平和統一市民連帯/韓国労働社会研究所/韓国労働組合総連盟/韓国労働理論政策研究所/韓国大学総学生会連合/韓国不正規労働センター/韓国アナバプチストセンター/韓国女性労働者協議会/韓国女性団体連合/韓国女性民友会/韓国女性の電話連合/環境運動連合/興士団民族統一運動本部(全60団体)

(翻訳:韓統連中央宣伝局)