声明 軍国主義化と排外主義の法「整備」に反対する

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 日本の衆議院は29日に本会議で、日本単独で朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への「経済制裁」が可能な、送金停止を主内容とする外為法改定案を通過させた。与党と民主党はこれ以外にも、万景峰号の入港禁止を目的とした「特定外国船舶入港禁止法案」(仮称)の国会提出の準備も進めており、在日朝鮮人を標的にした永住外国人の再入国を禁止する「再入国禁止法案」(同)も検討している。

 われわれはこのような日本の軍国主義化と排外主義、在日同胞に対する人権侵害を「合法化」する法案の成立に強く反対し、国会上程を撤回するよう要求する。

 一連の対北朝鮮制裁法制定の拙速な動きは日本の軍事大国化の一環である。

 日本政府はその間、ブッシュ政権の対北朝鮮圧殺政策に便乗して、朝米の核対立とら致問題を口実に、国民のなかに北朝鮮への敵視意識を広めてきた。これをテコにして自衛隊の海外派兵を可能にする有事関連三法とイラク復興支援特別措置法を強行成立させて、朝鮮半島など全世界で戦争を行えるようにした態勢整備も、この脈絡で進められてきたといえる。

 この流れのなかで、ミサイル防衛(MD)の次期迎撃ミサイルを数年以内に実用・量産化する米国との共同生産実現の動きがあり、石破防衛庁長官による「武器輸出三原則の見直し発言がなされた。また小泉首相は、韓国や中国などアジア諸国の反対と懸念を無視して、再三にわたって靖国神社の参拝をしている。こうした国際世論の無視は、日本国内の世論軽視と軌を一にしており、国民の過半数の反対を押し切って、全土が戦争状態にあるイラクへの自衛隊派兵が強行されている。そしてついに、過去の侵略戦争の反省から生まれ、軍国化と対外膨張主義の最後の閂(かんぬき)となっている戦争放棄を定めた日本国憲法改悪が、与野党を問わずに一気に推進されはじめた。

 ブッシュ政権が、米国の調査団長自身でさえ認めた、ありもしない大量破壊兵器を口実にイラクを侵略し、同時に「北朝鮮の脅威」をあおって朝鮮半島での戦争をもくろんでいるように、日本政府も同じ手法で「北朝鮮の脅威」を口実に軍国化に向けた態勢を整備してきたのである。

 衆議院を通過した外為法は、閣議決定と国会承認で、北朝鮮のみならず諸外国に対して、経済制裁発動できるとするもので、日本が気に入らない国に外交的な脅しをかけ、ついには戦争へ向かう条件を確保しようとする危険千万な法律になった。

 それだけでなく、「入港禁止法案」は船舶監視を拒絶する場合、海上保安官が入港禁止して領海外への退去命令を出すことができる。驚くべきことに、入港禁止の実効性を確保するため、海上保安官の武器使用も検討中だという。すなわち北朝鮮や外国への戦争挑発も辞さないというのだ。

 一昨年の9月、歴史的な朝日首脳会談が行われピョンヤン宣言が発表された。宣言で、日本政府は過去の侵略の歴史に対する痛切な反省と謝罪の意を明らかにし、両国は早期に国交正常化を実現すると約束した。また、国際法を順守し互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認して、ら致問題に関して北朝鮮側が謝罪し、被害者5人が帰国したのも周知の事実だ。また、朝鮮半島の核問題を話し合う6者協議も開催され、「平和的解決のプロセスの中で、状況を悪化させる行動をとらない」との合意もなされている。

 日本政府と与野党は、ピョンヤン宣言や6者協議の合意に反する戦争立法に血道をあげるのではなく、二国間および国際合意に基づく対話を通じた平和的な問題解決を推進すべきであり、それが懸案解決の一番の近道である。一連の法改悪と悪法の上程はただちに撤回されなければならない。

 われわれは日本国民のみなさんに訴える。

 一連の制裁法や憲法の改悪は、日本の軍国化と排外主義、人権侵害を助長することになる。それは結局、日本社会の反動化を一層加速化し、この地に住むすべての人びとに襲いかかってくることに注目し、ともに反対の声をあげてくださるようお願いする。

2004年1月29日

在日韓国民主統一連合