盧武鉉大統領の訪米にあたって

韓国市民社会各界人士の300人宣言

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盧武鉉大統領の訪米にあたって  韓国市民社会各界人士の300人宣言

盧武鉉大統領の訪米と韓米首脳会談が、新政府発足後初めて開かれる。今回の盧武鉉大統領の訪米と韓米首脳会談は、今後5年間の米国の対朝鮮半島政策はもちろん、韓米関係の方向を推し量る重要な会談になるだろう。

 特にイラク戦争以後、朝鮮半島での戦争危機が全世界的な憂慮事項として浮上しているなかで開かれる韓米首脳会談で、盧武鉉大統領は、北朝鮮の核問題の平和的解決に対する断固とした、そして明白な合意を導き出さなければならないとの絶体絶命の課題を抱えている。同時に、今回の首脳会談が21世紀の変化した状況に見合うように、平等と相互尊重の新たな韓米関係を定立する実質的な出発点として位置づけられるようにしなければならない。

 われわれは、このような民族的−時代的要求にしたがって、平和と統一を願う全同胞の意思を集めて、次のように宣言する。

1.どんな場合も朝鮮半島での戦争はありえない!韓米首脳は朝米核対立の対話を通じた平和的解決に対する、断固かつ明白な合意を闡(せん)明しなければならない。

平和に対する全人類の熱望を踏みにじって強行したイラク戦争で一方的な勝利をおさめた米国は、いわゆる「対テロ戦争」を持続して先制攻撃戦略を強化するという意思を明らかにすることで、力を押し立てた強圧的な覇権政策の強度をいっそう高めている。

イラク戦争以後、北京で開かれた3者会談で、朝米間の核対立を平和的に解決できる対話の場が、困難ななかで作られたにもかかわらず、ラムズフェルド米国防長官をはじめ米国強硬派は、北朝鮮に対する軍事的手段を検討する水準にまで登りつめている。4月22日付の<トー・オーストラリアン>紙は、「北朝鮮への精密爆撃計画が休戦線一帯の北朝鮮陣地まで爆撃することになっている」ことを暴露し、オーストラリア外相がこれを確認したとも伝えられ、われわれを衝撃のなかに突き落とした。米国内の一角では「この夏以前に米国の対北朝鮮武力攻撃が行われるだろう」との予測までしているのが実状だ。

最近、米国が一方的に発表し、その時期も今年中と提示した駐韓米軍第2師団のピョンテック(平澤)以南への移転構想も、それが北朝鮮への武力攻撃を容易にする条件作りの計画と関わっているのではないかとの疑惑をもたらすのに充分なものだ。

現在の朝鮮半島の状況において、北朝鮮に対するいかなる形態の武力行使行為も、それは必ず全面戦争に飛び火し、北東アジア地域全体を戦争の渦の中に落とし込めるだろう。

50余年前の朝鮮戦争の悽絶な悲劇をみずから経験し、最近イラク戦争の惨禍を生々しく目撃したわが同胞は、南か北かに関係なく、どこのだれであろうとも民族全体の共滅をもたらす戦争を、絶対に容認できない。

韓米両首脳は、朝米間の核対立を解決するにあたって、どんな場合でも武力使用を排除するということと、対話を通じた平和的解決の原則を、断固かつ明白に闡(せん)明することを強く要求する。

2.米国は今回の首脳会談を契機に、対北敵対政策を廃棄して、朝米関係の正常化と朝鮮半島の恒久的な平和体制の保障のため、実質的で誠意のある努力を傾けなければならず、「6・15共同宣言」に基づく同胞の和解と協力、平和と統一のための努力に積極的に協力しなければならない。

朝鮮戦争後50年を超えて継続してきた米国の対北敵対政策は、北朝鮮が国際社会に参加する機会を基本的に封鎖してきたし、体制と生存権に恒常的な脅威を感じさせる原因となっている。

特にブッシュ政権発足後、クリントン政権下で実現した朝米間の合意が黙殺され、葛藤と緊張が激化されたのは、北朝鮮の一方的な譲歩のみを強要したブッシュ政権の対話拒否政策に根本的責任がある。

敵対的な朝米関係を清算して正常化するのは、過去50年間持続した不安定な停戦体制を清算して、恒久的な平和保障体制樹立の第一歩だ。

われわれは北京の3者会談が持続されなければならないことを明らかにし、米国は北朝鮮が要求する戦争の脅威の中断と不可侵など安全保障問題と核の透明性問題を、相互交渉と譲歩で一括妥結をはかることで、朝米関係の正常化と朝鮮半島の平和保障体制のための実質的で誠意ある努力を傾けることを要求する。

われわれは2002年のブッシュ大統領の訪韓直後、米国がF−15K40機を韓国に押し売りした事実をいまだに記憶しているし、「北朝鮮の脅威」を口実にミサイル防衛体制(MD)に韓国を編入させる試図を執拗に継続してきたことも忘れていない。しかも今年の2月以後、朝鮮半島とその周辺で増強された対北攻撃用の米国軍事力であるB24戦闘爆撃機24機、F−117ステルス爆撃機、F−15E飛行大隊などが、イラク戦争と韓米連合軍事訓練が終わった現在まで撤収していない事実に注目する。

米国のこのような行為は、南北の対決をあおり6・15共同宣言を契機に平和と統一の道を進むわが同胞の努力と成果を深刻に毀(き)損するものであり、21世紀の北東アジアと世界の平和を根本的に脅かす政策だ。

反目と対決の時代を清算して和解と協力、平和と統一の新時代へ進むためのわれわれのの努力は、だれも干渉・妨害できないわが同胞の崇高な権利であり、義務である。

ブッシュ米大統領と米政府は、平和と統一のための南と北の自主的な努力を尊重して、これに協力することを強く要求する。

3.今回の韓米首脳会談は、過去、50年間持続してきた不平等な韓米関係を清算し、友好平等の新たな韓米関係のための出発点にならなければならない。

 昨年、ヒョスンとミソンのれき殺事件を契機に触発された韓国民の光化門キャンドルデモは、抑圧と屈辱を拒否する主権国家の国民として当然な要求であり権利である。ブッシュ米大統領と米国政府は韓国民の怒りが過去50余年間、持続してきた不平等な韓米関係に根源をなしており、米国のごう慢で一方主義的な態度が呼び起こした当然の結果であることを直視しなければならない。

 ブッシュ米大統領は二人の女子中学生のれき殺事件に対する真しな公開謝罪と責任者の処罰、不平等なSOFAの即時、全面改定を約束しなければならない。これはヒョスン・ミソン事件の再発を防ぎ、駐韓米軍の犯罪を根絶するために要求される最小限の措置である。

さらに韓国軍の戦時作戦指揮権が即刻返還されなければならない。主権国家である大韓民国の戦時作戦指揮権を50余年以上も米国が行使したことは世界でその類例を見ない恥辱的なことで、不平等な韓米関係の象徴である。米国はこれ以上「中長期的な課題」という口実で先送りしてはならず、韓国はこれ以上「慎重な検討」という方式で躊躇(ちゅうちょ)してはならない。

 また、韓米投資協定とWTO開放圧力など経済開放圧力は中断されなければならない。韓米投資協定は米国の多国籍投資資本に、内国人待遇をはじめとした全面的な特恵を保障することで韓国経済の対米従属性を深化させるだけでなく、労働権の後退などで韓国民衆の生存権を破壊することは明白で、論議されてはならない。

 われわれは両首脳が韓国民の声に謙虚に耳を傾け、今回の韓米首脳会談を友好平等の新たな韓米関係の定立の出発点に位置づけることができるよう、具体的で漸進的な措置をとることを強く要求する。

4.盧武鉉大統領はわが民族を信じて、戦争反対に対する確固とした意志と行動を示すべきであり、民族的立場に立って堂々と自主外交を展開すべきである。

 盧武鉉大統領は今回の韓米首脳会談で「朝鮮半島においていかなる形態の武力行使も容認しないし、朝米核対立は対話を通じて平和的な方法で解決しなければならない」との確固とした立場を断固として明らかにすべきである。

 盧武鉉大統領は韓米同盟という美名のもと米国が強要する対北敵対政策に同調してきた誤まった過去を清算し、朝鮮半島問題の当事者として民族的立場にしっかり立ち、朝鮮半島の平和のために主導的な努力を行動で示すべきである。「自主なくして平和なし」というこのは、隷属と分断、戦争でつづられてきたわれわれの歴史がもたらした骨身にしみる教訓である。

 米国に平和を物乞いするために不道徳な侵略戦争に韓国軍を派兵したことや、いわゆる北の核問題の平和的解決が優先するとの理由でSOFA改定を先送りする行為は、屈辱的な対米外交の典型として批判を受けて当然である。盧武鉉大統領のこのような態度は、平等な韓米関係の再定立を要求する全国民の声に反する行為である。

 われわれは盧武鉉大統領が平和を愛するわが同胞と、韓米関係の新たな定立を望む韓国民の意志を信じ、いわゆる北の核問題を口実にした米国の不当な圧力に堂々と対し、SOFA改定、戦時作戦指揮権返還、開放圧力に対する対処など、韓米間の懸案問題を堂々とかつ知恵深く解決していく自主外交を展開するよう強く要求する。

 7千万同胞の力で平和と自主の時代を切り開こう!

 イラク戦争の惨禍は、ただ「力による正義」と強食弱肉が支配する国際社会の冷厳な現実のもとで、この地でいつでも戦争が引き起こされるという恐ろしい事実を悟らしめた。

 平和はだれかが贈呈し保障するものではなく、ひたすら民族の団結した力と平和に対する確固とした意志にかかっている。朝鮮半島での戦争を防ぎ平和をなし遂げることで世界平和に積極的に寄与しようとするわが同胞の崇高な意志は、だれもくじくことはできないであろう。

 昨年、われわれは装甲車のキャタピラにひかれて死んで行った幼き二人の娘に、恨(ハン)に満ちた魂で火をともし掲げたキャンドルが、民族の自存を悟らしめ階級と階層、男女と老小を問わず、全国のいたるところで急速に広がったことを見た。抑圧と屈辱を拒否して自主的な主権国家の正当な国民として生きていこうとする熱い熱望が、どうして一瞬間の感情として終わるであろうか。

 ゆえに今日、われわれは7千万民族の力を合わせ、平和を愛する全世界の人びとと固く連帯し平和と自主の新時代へと向かう歴史のそう厳な行進を続けていくことを満天下に宣言する。

2003年 5月 9日

盧武鉉大統領の訪米にあたって 韓国市民社会各界人士の300人宣言 参加者一同