「1+2」

(アン・チファン)

 

 FM放送で韓国のポップスを聞くことが多くなったが、それらを通じて人々の生の息吹にふれる機会はほとんどない。むしろ、日本ほどでないにしろ、プロデューサーや資本の思惑ばかりが先行した、人と世の持つ熱を封印してしまったような音楽世界が広がっていることに気づいてしまう。そんな中、彼の歌は未だ異彩を放ち続けている。

 アン・チファン−彼の代表作「」(ソラ プルルン ソラ・松よ、青々とした松よ)が韓国ポップスチャートの第1位に踊り出たと伝え聞いたのは、1988年だったか89年に入った頃だったか。確かその頃、運動の高揚で多くの良心囚が釈放され、その歌詞の如く「生きて再会し」た喜びを共にしたことを覚えている。以来、90年代韓国大衆音楽界における様々な離合集散を経ても、彼は一貫して民衆の心と民族の願いを唱い続けてきた。

 彼の独自の叙情的世界から、そのひとつの表情を垣間見る歌を紹介する。

 あなたが心に咲かせたつつじの花/私の心にも美しく息づく/ひとつの花のひとつの心/私たちはひとつ/いつもいつまでも/この世界のどこででも/会わなければならない同胞よ/ともにあるべき、兄弟姉妹なのだから/きっとなし遂げられる/祖国の栄光。「」(オンジェナ オンジェカジナ−いつも、いつまでも−より)

 94年2月に初プレスされ、それまでの彼の作品を集大成したこのアルバムは、今日、そして以降、一層その輝きを増すであろう。(昌)

(前述2曲を含む全16曲収録 問合わせは韓統連大阪本部まで)

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