ベルリン会談後の朝米関係と統一情勢

 

 10月3日に開かれた韓統連中央執行委員会での報告では、今回の朝米ベルリン会談合意の重要性をつぎのように述べています。「今回(9/7-12)の合意は、今後の韓半島情勢を展望する上で重要な意味を持っている」「94年のジュネーブ合意の履行とそのための具体的手続を提示したところにある。」

 92年以降幾度となく繰り返された朝米間の「緊張した関係」がようやく「話し合い」解決への重要な一歩を歩み始めました。まだまだ予断を許しませんが、当面の戦争危機は去ったものと思っていいでしょう。

 米国が世界中で繰り広げる戦闘行為で、たくさんの一般住民や老人、子供、女性に耐え難い災難をもたらす事を思えば、今回の会談による戦争回避は私たち民族の歴史に残る最良の選択だと思います。

 今回の会談の直接のきっかけは、北朝鮮の2回目の人工衛星発射準備にありました。昨年8月の1回目の人工衛星打ち上げ成功は、北朝鮮のロケット技術の水準の高さを改めて知る事となりました。この事は周辺諸国に様々な波紋を広げることになり、日本は未だに「ミサイル」と言って北朝鮮の脅威を煽り、軍事大国化路線と海外膨張政策を推し進めています。

 一方、北朝鮮の人工衛星打ち上げ行為が日本の軍事大国化への口実を与えたとの批判があります。宇宙の平和利用はどの国にも平等に開放されています。ロケット技術の軍事転用は平和利用と表裏一体のもので区別出来るものではありません。私たち民族を取り巻く国々(米、日、露、中)はすでに高い水準のロケット技術を持っており、軍事利用(ミサイル・偵察衛星)も盛んです。私たちだけが技術的立ち後れに甘んじる事は民族の将来に禍根を残す事になります。

 92年のいわゆる「核疑惑」による戦争危機とその後の94年ジュネーブ協定妥結による北朝鮮の「黒鉛炉開発凍結」と米国の「軽水炉建設、重油供与」、今回のベルリン会談での北朝鮮の「ミサイル」発射見合わせと米国の「経済制裁一部解除」とを見ると改めて合意内容の連関性が垣間見えます。前者は「核」関連技術問題であり、後者は「核」運搬技術問題であります。いずれも米国が自国の「国益」に最も神経をとがらせる問題で、米国は米国による「核」と「大量破壊兵器」の独占政策に対する挑戦と受け止めています。「米国の独占」か「米国による管理された寡占」による「核独占政策」のほころびは、米国の世界戦略の崩壊を意味します。

 米国は今回なんとしてでも北朝鮮の人工衛星再打ち上げを阻止する必要に迫られました。米国の外交政策は「力」の政策です。弱いものに対しては徹底的に痛めつけるのが常です。米国と対等に交渉するには一定の力が必要にならざるをえません。韓半島を分断し南韓に米軍を前線配備し、後方(沖縄、日本本土、グアム島)に支援部隊を常駐して統一を武力で阻害している現状で、祖国の自主的平和統一を実現するために逆説的ではありますが、ミサイル技術を含めた軍事力を常備する以外に現状では残念ながら道が無いのです。韓半島において米国による「力」の政策を放棄させることが最も大切な事なのです。北朝鮮の防衛力整備もその一つであり有効な政策であります。我々は南・北・海外の3者が連帯して「汎民連」運動を通じて世界の人々に連邦制統一こそが韓半島の平和統一に役立つ道であることを広く知らしめて、韓半島の平和と繁栄を図る事が私たちの大切な使命だと思います。また、そのことが東アジアひいては世界平和のために私たち民族も貢献できると道だと信じています。

 今回のベルリン合意で米国は韓国と日本を置き去りにしたままで(韓国、日本は北朝鮮の報復攻撃範囲にとどまり米国だけが範囲外)合意しました。今後この事が韓米・米日間で微妙な立場の違いをもたらすと考えられます。特に日本は韓半島を主戦場にし防衛ラインを何処に設定するかで米国と激しい駆け引きを行うものと思われます。やがて米国は韓国か日本かの二者択一を迫られるでしょう。もし米国が日本を最終防衛ラインとする事を選択すれば「韓国」はその歴史的存在意義が問われます。ペリー調整官は記者会見で「北朝鮮は崩壊するようなことはない、したがって交渉以外解決の道はない」と述べていました。数年前の「北朝鮮崩壊説」が喧伝されたのとは大きな変化です。

 民族の生き残りを賭けた対米自主路線は大変な苦労を伴いましたが、自主統一路線が大きく開かれつつあります。今後の米国の推移を監視しながら従来の路線を皆で貫徹しましょう。

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