「民族であること―第三世界としての在日朝鮮人―」

高演義(コ・ヨニ)著

 

 本書は、日本の中で、在日朝鮮人はいかに生きるべきかについて一つの示唆を与えてくれるものである。

 著者は、朝鮮民族を第三世界の一員として把え、在日朝鮮人をその構成員として位置づける観点から、在日朝鮮人の生き方を提起する。

 本書では、次の様に述べている「20世紀末の今、在日朝鮮人知識人であることは何を意味するのだろう。民族の歴史的課題に最も先鋭なる意識を持つ者として、在日同胞の民族解放運動の完成に、誰より力を尽くす者として、その緊要な使命は、民族に深く根差しながら、21世紀の新しい普遍的世界を築くことであるだろう」

 本書において、在日韓国人を日本社会における第三世界と位置づける著者の着眼点は、斬新だ。

 在日韓国人として生きる上で、あるいは日本人と韓国人とのあるべき関係について、様々な視点を豊富に提供してくれる一冊である。

(社会評論社:2400円)

 

 

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