漢字併用、是か非か

韓国の道路標示と公文書の漢字併記方針について考える

 

 韓国の文化観光部は、2月9日開かれた国務会議で「漢字併用法案」を報告し、これを推進すると発表したと東亜日報が報道した。

 申楽均(シン・ナッキュン)文化観光部長官は、「伝統文化の伝承発展、漢字文化圏国家との交流と観光増大を期して、1948年に制定された<ハングル専用法>の範囲内で漢字併用を推進する」と表明し、当面観光客の利便のため道路表示を漢字併記し、公文書の混同しやすい人名・地名・歴史用語等に漢字を併記するとした。

 唐突な当局の発表は、韓国内でさまざまな議論を巻き起こしている。もとより、どのような文字を採用するかは、国の最重要政策のひとつである。また、「ハングル」は世界で最もすぐれた文字であると言われている。賛否両論それぞれに一理あり、にわかに決めかねる面がないでもない。しかし、建国以降50年以上継続されたハングル専用方針を、なぜ今変更しなければならないのだろうか。

 私たちの民族がいつ頃から漢字を使うようになったか、2月20日付けのハンギョレ新聞に掲載された論壇「源越と国の興亡」によれば「三国史記」に西暦372年、高句麗で広められたとある。以来、千六百年以上も漢字を使用してきたのだから漢字文化の蓄積は相当のものがあり、漢字を使った方が便利な面もある。例えば「防火」と「放火」は韓国語読みでは同じ「号鉢(パンファ)」となり、混同を避けるため漢字を併記するほうが便利だ。

 しかし1446年、世宗(セジョン)大王がハングルを制定したのは中国の影響を抑える意味が小さくなかったと思われる。また解放後は、民族の自主独立を鮮明にすべく「ハングル専用法」を成立させてまで、日帝植民地政策の残滓を一掃しようとした。このような先人たちの努力を今一度振り返ることが重要ではないだろうか。

 今、日本文化を無条件に開放し漢字併用を推進するのは、政策の一貫性を疑われるだけでなく新たな日本への“迎合”ではと疑いたくなる。2月11日開かれた韓日外相会談の席上日本の高村外務大臣は、「韓国と中国そして日本が使用する漢字が違うので、公式略字を定めるなら日本式にしてくれ」と冗談めかしで言ったと2月13日付朝鮮日報が報道している。また2月19日付け読売新聞の朝刊コラム欄に“ハングルの洪水に韓国を初めて訪れた大方の日本人が「ハングル酔い」になる”で始まる記事があった。漢字併記を歓迎する内容である。

 2月23日付け「世界日報」は漢字併記政策の発案者が、金鍾泌総理であると報道している。「韓日会談」を積極推進した徹底的「親日家」の彼の底意に、疑念を抱かずにはいられない。

 20年程前に、韓国の高校生は学校で漢字を習わないので漢字混用の新聞が読めないで社会問題になり、漸次新聞記事をハングルに置き換えるようになった。また新たな混乱が起きる可能性も否定できない。

このような民族の行く末に重大な影響をもたらす政策は、南だけでなく、ぜひとも南北共同の研究課題にしてもらいたいものだ。南と北の言葉使いに、今でも少なからぬ差異がある中で、南で漢字併用へ大きく政策転換するのは平和的統一の精神に反しはしないかと危惧される。

 

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