◆コラム◆

 この9月から、友人宅に居候している。

 その友人は、脳性マヒによる身体障害と42年に亘って同居している。その彼にとって機能障害の中でも比較的運動能力のある左腕は言わば「命綱」である。

 昨年から今年にかけての約9ヶ月間、彼は入院によって3つの病院を転々とした。「1ヶ所の病院への入院は3ヶ月以内」という制度のためである。そのうち2つ目の病院は、左肩損傷の恐れがあるという理由で、左腕による運動はなるべく控えるようにと指示された。ところが、3つ目の病院では、彼の左腕の機能強化のため、筋力強化など様々なリハビリ訓練を奨励したという。(本人は、どう判断すれば良いのだろうか)

 医療機関において、ここの生命にかかわる情報が寸断されると、時として生命を奪ってしまうような事態すら引き起こしかねない。いや、医療機関のみならず、社会のあらゆる分野・機関が本来の機能や情報を分断してしまったとき、そのことはそこの構成員に対して著しい負担を強いてしまう結果につながる。

 在日同胞も然り。

 祖国分断50余年がもたらした現状から脱皮し、その間、奪われ失ってきた制度・環境・意識を取り戻すことなしに、私たちの命を未来につなげることも極めて困難だろう。そして、そうした作業の中心的な担い手は、「ひとつになること」を訴え、実践してきた者たちこそがふさわしいと考える。

(範)

 

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